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少年院 №16 イジメの法則
「悪い事をしたと思ってますか?」
賢そうな面持ちで、俺を見下すように言い放った。俺は、答えざるを得ない切羽詰ったこの緊迫した雰囲気に呑まれ、家庭裁判所で裁かれた少年審判の時の様に、何も言えないあの追い込まれる様な臨場感を体感し、意識がフラッシュバックするのが分かった・・・。俺は、自分の答えに自信もなくただ、この場を乗り切る為、富樫と言う緑バッジをつけた奴の質問に答えた。
「今は・・・。」「そう・・・。」「思ってますぅ・・・。」
そう答えると揚げ足を取るように、次々と更に、答えにくく難しい言葉で攻めてくる!!
「事件を犯している時には、罪悪感を感じていなかったんですか?」「何故、平気で人に暴力をふるえるのですか?」「何故、見栄や虚勢を張るのですか?」
俺は、何も答える事ができなく俯いて歯を食いしばった。富樫の質問に丁寧な言葉で反論はできず、納得させるような答すら頭に浮かばなかった。ただ何も出来ず悔しくて、怒りの感情を抑えるのに必死だった・・・。
そして、最後に富樫は嫌味っぽく言い放った。
「窃盗と強盗の違い分かってますか?」
ろくでもないおっさんですが障害のある息子のために使わせていただきます。