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聖子ちゃんのすごさと歌の持つ力に今更気付いた

昨日、出先のちょっとお洒落なお店にて、
耳から頭にすーっと入って来たのはBGMで流れていた松田聖子の声でした。
「なぁーぎさにぃーしっろいパぁーラソル~」

松田聖子ってめっちゃすごいですね、ね、すごくない?
何言うてるねん今更どころの話ちゃうで怒られるで。
でもびっくりしたのです。
あの声、あの歌い方、すーっと、ふわぁーっと。
なんか眩しさすら感じました。「目」じゃなくて「耳」なのに!
 
歌って、歌詞と声と「ぴったんこ」じゃないと
スッと頭に心に入ってこなくないですか?

まず「声」、音からの情報、物語。声。
声、歌い方によるその歌詞と内容、物語。
内容って「次」やん?
『白いパラソル』なんてタイトル通り眩しすぎて、
すれっからしな私には内容的には全然ぴったんこじゃァないし。
自ら好んで聴くような歌じゃない。
そもそも世代じゃない。
世代ならもうこの歌にこのように反応はしない。
でも、だからか、新鮮に、すーっと。びっくりしました。
もう、まさに、「ぱぁぁぁ」っと。
 
やっぱり、すごいねんなあ。スターってスターやねんなあ。
 
と、今日会ったこの世代のオジサ、失礼、パイセンに話したら
「お前今更何言うてるんじゃ! 聖子ちゃんやぞ!」
この一言でもう説明要らんなあと感心しました。
 
でもさ。だってさ。
聖子ちゃんつったら常に比較されるじゃないですか、「明菜ちゃん」と。
ともすれば「明菜ちゃんが好きな方が高尚」みたいな空気すらあるじゃないですか。え。ない? 偏見? すみません。
 
翳りで陰でアンニュイで、つまりは「にほんてき」(漠然)だからか、
歌にも本人にも物語やそれ以上に勝手な神話レベルのものがつきまとう
明菜ちゃんは、私が足を運ぶ劇場たちでもよく耳にします。
 
旅芝居でもノリのいいものから憂いのあるバラードまで。
 
あと、私がこれまで仲良くしてきたちょい年上世代のオネエサマたちのカラオケの持ち歌として。
嗚呼、合いの手掛け声入りの『DESIRE』、嗚呼、夜中のカラオケ(笑)
 
でも聖子ちゃんはあまり劇場では聴かないような。
いや、聴くけれど。明菜ちゃんと比べると使われていないような気もします。
2016リリースのYOSHIKIと組んだちょっとよくわかんないYOSHIKI色強めの歌は一時期よく舞踊ショーで聴きました。だってタイトルからして旅芝居チック。
『薔薇のように咲いて 桜のように散って』
うんうん。YOSHIKIは好きやねんけどこの歌はよくわからなかった。

はさておき、
聖子ちゃんが使われないのは
やはり「本人!!!」のオーラと華の存在感が大きいんじゃないかなあ、
なんて思ったりします。
負けるもん。どう考えたってあの華越えられないもん、
「二次創作」(かつ基礎がある人が多くはない)な旅芝居の舞踊では。
 
ところが、ひとり、凄い人が居ました。
『赤いスイトピー』を堂々と踊っていました。
しかも若くてチャラい役者じゃないのです。ベテランさんです。
着こなし、踊り、すべて、「完璧」レベルの人です。
観たのは随分と前ですが、イントロが流れてきたときびっくりしました。
びっくりだけじゃなく、ちゃんと、舞踊というか彼による「作品」が歌にぴったりというか歌を超えていたと思いました!
まだ宮本浩次カバーなんてなかった頃の話。
ちなみに私と友人は彼のことを「関東大衆演劇界の宝」と呼んでる(笑)

 
『赤いスイトピー』については、
私が尊敬するこの世代のパフォーマー、
世界的ちんど……あ、やっぱ特定させずに置こう(笑)
古くから旅芝居の舞台にも立たれ、近年も立っているいろっぽいこの舞台人のエピソードも忘れられません。
「僕の曲や」
え?
「この歌聴いたら泣くわ。せやねん、「手も握ら」へんねん。握られへんねん」
絶対握るやろ! と盛大にツッコみたくなるような
いろっぽい(マジ国宝級色気)人なのですが、このエピ、少なくとも3回は聞きました(笑)

ちょうどこの世代の、
仲良くしている女社長の話していたエピソードも忘れられません。
地方出身のめっちゃ美人さんなのですが、これも3回くらい聞きました。
「若い頃、あたしが聖子ちゃんで、妹が明菜ちゃんって言われてたんよ。
ちやほやされてたけんあの頃。でも、なぜか妹の方がモテるねん!!」
彼女は「シャネルスーツは戦闘服」「男の前では酒呑まんっ」という人でした。
妹さんはあっけらかんとしながらでも憂いがあり、お酒を呑む人でした。

じわじわくる。

歌っておもしろいですよね、情報量多い、「引き出され」る。

皆の思い出や心のなにかを引き出す装置であり、
皆、皆の、物語を呼ぶ物語なんやなあ。 
 
さて、冒頭のお洒落ショップ、買い物を終えて出ようとしたら、
耳に入って来たのは
 「手をつなーぎ、かがやいーた、きーせーつーへたぁーびだーとおー」

 心なしか、オジサン店長さん、ノリノリでした。
 



昨日更新出来ず、バタバタとしているのでしばらくつぶやき続きだったので、さらっとこんな軽いものも更新しておきます。
どうしよう、バタバタしているときはこういう歌ネタ更新が定番になったら!(なりつつある! 笑)

写真はいつぞやの、なぁーぎさに……白いパラソルなかった(笑)


近年旗揚げして「熱き実力派」とか言われている座長、
旗揚げ前、初めて女形の舞踊を観た時、私は、「松田聖子みたい」と書きました(笑)
実力派って意味じゃない。お目目をぱちぱちさせて、
水槽の中いっぴき目立とうと必死な金魚みたいに見えたから。
まさか今こうなるとは、いろいろ、わからんものですねえ(笑)



以下は、ちょろっとですがいつもの自己紹介 。
と、苦手なりにもSNSあれこれ紹介、連載などなどの紹介!!も。
よろしければお付き合い下さい🍑✨
ご縁がつながったりしたらとても嬉しい。

大阪の物書き、中村桃子と申します。 
構成作家/ライター/コラム・エッセイ/大衆芸能(旅芝居(大衆演劇)やストリップ)や大衆文化を追っています。
普段はラジオ番組の構成や資料やCM書きや、各種文章やキャッチコピーやら雑文業やらやってます。
現在、lifeworkたる原稿企画2本を進め中です。
舞台、演劇、古典芸能好き、からの、下町・大衆文化好き。酒場好き。いや、劇場が好き。人間に興味が尽きません。

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と、あたらしい連載「Home」。
皆の大事な場所についての話。

2023、復活。先日、新作が出ました🆕

以下は、過去のものから、お気に入りを2つ。

旅芝居・大衆演劇関係では、各種ライティング業。
文、キャッチコピー、映像などの企画・構成、各種文、台本、
役者絡みの代筆から、DVDパッケージのキャッチコピーや文。
あ、小道具の文とかも(笑)やってました。

担当していたDVD付マガジン『演劇の友』は休刊ですが、
アーカイブがYouTubeちゃんねるで公開中
(貴重映像ばかりです。私は今回のアップにはかかわってないけど)


あなたとご縁がありますように。今後ともどうぞよろしくお願いします。

皆、無理せず、どうぞどうぞ、元気でね。

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