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「説得」 ジェイン・オースティン


2022年7月より、ネットフリックスにて映画「説得」が公開!

もう、みたという方もいるのでは?

「説得」の原作者であるジェイン・オースティンは、自然あふれる美しいカントリーサイドにあるハンプシャー州のスティーブントン村に生まれ育ちました。その後、牧師の父がリタイアしたのを機に両親、姉と4人でバースに移り住みます。この時、姉妹は独身。両親は、社交界の華やかなバースで娘たちの結婚相手を探すことも考えていたことでしょう。

さて、「説得」は、ジェーンが40代の時に執筆し、完成させた最後の作品。その中には、家族と移り住んだバース。そしてホリデーに滞在したライムリージスが登場します。この二つの町からジェインは何かしら特別なインスピレーションを得て、作品に反映させたのでしょう。

エイヴォン川のほとりにある、バース。

バースは、古代ローマ人が温泉の湧く土地を好んで定住したころから栄えた町です。ジョージ王朝時代に、都市計画によってローマ風の建造物が建設されて、その美しい街並みはユネスコ世界遺産に登録されています。

ライム・リージスは、南イングランドのドーセット州にある静かな町。海岸線沿いにある巨大な崖には、ジュラシック・コーストと呼ばれ恐竜時代の地層が残っています。丘から見える海岸には、防波堤がみえる。美しい丘と崖、海岸、社交界と、ジェインが訪れた時代にも、魅力的な場所であったことでしょう。

ライム・リージス:防波堤から見える海岸線

ジェインは、当時にしては珍しかったのか、普通だったのか?馬車でイングランド各地を旅しています。ケント州に住んでいた兄のエドワードや、ロンドンに住む兄ヘンリーの家にも滞在しました。「高慢と偏見」を執筆中には、イングランド中部のベイクウェルのホテルに滞在していたことも有名です。彼女の作品の中に、それらの地が生き生きとちりばめられていることも私がジェインの作品に惹かれる理由のひとつです。

今回のネットフリックス版「説得」の話題にうつりましょう!
私が注目したのは、お話の中に出てくるバースとライム・リージスの美しい風景です。

バース:ジョージ王朝時代に建設されたロイヤル・クレッセント

主人公アン・エリオットの引っ越し先となったのは、バースのロイヤル・クレッセント。
倹約するためにお屋敷を貸し出して引っ越したのに、高級住宅に住んでいる父にびっくりします。

ライム・リージス:『説得』の中にも登場する防波堤

海沿いの町、海風のあるライム・リージスにも行きます。
『説得』の中でこの防波堤を歩くシーンは有名。
ジェインのファンにとっては特別な場所の一つでしょう。

私は二度行きましたが、本当に美しい海岸線のあるところです。ほかの町と違うのは、ジュラシック・コーストと呼ばれる大きな崖が連なっている風景でしょう。物語の中にも出てくる防波堤も歩いてきました。ジェインのおかげで、ライム・リージスが、私にとってさらに魅力的な場所になったことは間違いありません。

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