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イギリスを楽しもう! バースの街 観光

英国内で好きな街、トップ5を選ぶとしたら・・・・。
ロンドン、エジンバラ、ヨーク、ウィンチェスター、そしてバース。
その中でもバースの街並みは、独特の美しさ

ザ・サーカスの裏手にある『ジョージアン・ガーデン』各々の家に細長い裏庭がある。


ジョージ王朝時代へタイムスリップしたのではないか?

と、錯覚するくらい。
街全体に、美しい景観が広がっています。
ユネスコ世界遺産「バース市街地」として登録されているのも納得。

観光地としても大人気なだけでなく、
大学もある学生街なので、活気があります。

パルトニー橋。この景色を見ると、ああ、バースに来たなあ。と思う。


では、バースの観光名所を歴史を交えながらいくつかご紹介しましょう!


ローマ浴場博物館(Roman Baths)

この部分は現在は吹き抜けだが、もともとは屋根のある建物だった。

バースで有名な観光名所。
ローマ帝国がおよそ2000年前にブリテン島までやってきたとき、各地に要塞や定住地を建設した中で、バースは温泉のある保養地となる。

古代ローマ人は、温泉の湧き出る泉の周りに神殿やお風呂を建設し、400年の間にその規模は拡大していった。これより前にも人々は、古くより鉱泉の湧く地として定住してはいたが、バースに大規模な浴場を作ったのはローマ人だけ。テルマエ・ロマエでもわかるとおり、ローマ帝国の人は本当に浴場が好きだったよう。

5世紀初頭 ローマ人が撤退した後、浴場施設は廃退。その後、洪水によって沈んでしまったという。
12世紀、16世紀になると浴場として再開発される。17世紀の医師たちは、鉱泉を飲むのが健康に良いとし、たくさんの人がバースに療養に訪れた。現在は美しいレストランになっているパンプルームは、鉱泉が飲める施設として、1706年にオープンする。
今あるローマンバスの建物の地上部分が本格的に作られたのは、18世紀になってから。

ローマンバスへの入り口(人気のない夜に撮影!)
バースアビーから見た風景。左手にローマンバスとパンプルーム。
隣接するパンプルームから見たローマンバスの入り口付近。

ローマンバスの建物は、18世紀にジョン・ウッド親子がローマンリバイバル様式でデザインしたものだが、オリジナルの水源や浴槽群・水路システム等はローマ時代のものを引き継いでいる。*¹
有名なグレートバス(大浴場)は、ヴィクトリア時代にローマン・リバイバル様式で再建された。

今の観光地としてある史跡「ローマンバス」が生まれ経緯はこうだ。

1878年に、市の建築調査員のチャールズ・デイヴィスによってローマンバスの残りの史跡部分が発見された。数年かけての発掘作業の末、1897年に一般公開される。さらに、20世紀を通して発掘、保存作業は続けられた。ローマンバスは、後世100年に残す貴重な財産として、5,5億ポンドをかけて202011年にリノベーションが完成した。*²

今、私たちが目にするローマンバスは、ローマ人が建設した浴場施設とはかなり異なるが、地下に行くと当時の遺跡が多数。模型も作成されているのでそれと見比べるのもたのしい。

参考資料*¹

*²The story Behind the Roman Baths in Bath

バース寺院(Bath Abbey)

バース寺院は、天井とステンドグラス美しい。チケットを購入すれば、中を見学できます。

かつてイギリスには美しい寺院、大聖堂がいくつもあった。しかし、ヘンリー8世の宗教改革で、破壊されたり、廃れてしまったところは多い。バース寺院は、様々な苦難を乗り越えて今の形をとどめている。

バース寺院正面。右手にある建物はローマンバスとパンプルーム。

ローマ人がブリテン島から撤退した後、バースにはアングロ・サクソン人が定住。7世紀にバース修道院の付属教会として建てられる。立派な建物になったのは、ノルマン王朝になってから。寺院は大聖堂のように拡張され一時期は、今の4倍くらいの大きさでエイボン川の近くまで建物があったそう。しかし、ヨーロッパで大流行した黒死病により修道士&運営費は激減。人員不足により寺院はすたれていった。チューダー朝に入ってから、今のような形に再建されるが、ヘンリー8世の宗教改革により寺院は解散。それからしばらくは放置され、建物は老朽化するも、ヘンリー8世の娘エリザベス1世により50年ほどかけて修復された。
久しぶりに行ったら、地下に新しいビジターセンターができていました。バースアビーの歴史がわかりやすく展示されている。(2024年1月現在)

ロイヤル クレッセント(Royal Crescent)

街の北側、坂の上にある。社交界シーズンに舞踏会の開かれたアッセンブリールームにも近い。

ジョージ王朝時代、社交界のシーズン中に滞在する人たちのために建てられた集合住宅。三日月形をしていることからロイヤル クレッセント。
ジョージ王朝時代に行われた街の再開発で、ロイヤル クレッセント(三日月型)に続きザ・サーカス(円形)クイーン・スクエア(四角)も生まれた。

ザ・サーカスの円形広場。

緑あふれる美しい広場を囲むように集合住宅が設計されているため、それらの建物に住む人たちの窓からは、街中に住んでいながらも美しい景観が眺められる。素晴らしい都市計画!

No.1 ロイヤル クレッセント(博物館)

ジョージ王朝時代の住まいが再現。この時代が好きな人には、かなりわくわくな博物館です。

ロイヤルクレッセントの一番地は、室内をジョージ王朝時代に再現した博物館になっている。館内の様子はこちらの記事で詳しく案内しています!当時の食事や生活習慣についても触れてます。

ジェーン・オースティン・センター

坂の中腹にあるタウンハウス。

ジェイン・オースティンは、バースにゆかりのある有名人のひとり。彼女はこの街が社交界で華やぐジョージ王朝時代、ホリデーで滞在。その後父親が牧師を引退するのをきっかけに、保養地でもあったバースに家族で引っ越してきた。彼女の作品に登場人物は、この時代の社交界に参加していたアッパー・ミドル・クラスの人たち。ジェーンは、実際にバースの街を探索し、買い物をしたり、舞踏会に参加したことでしょう。意外なのは、自然あふれるスティーブントン村からいきなり都会へ引っ越してきたせいなのか、バースで父を亡くしてからの生活苦からなのか、家族でバースに引っ越してきてからは、あまりいい思い出はなかったようだ。とにかく、彼女の物語の中には、美しく華やぐバースの様子が生き生きを描かれている。

舞踏会では、お目当ての男性に扇を使って意思表示しました。

ジェーン・オースティン・センターでは、当時の服装をした学芸員さんたちがバースの様子やジェーンについて説明。その後、展示室を見学する。

「高慢と偏見」風に。リジーにみえるかな?ダーシー氏と記念撮影。

色々な衣装があって、仮装?できます。学芸員さんはものすごくフレンドリー。記念写真も撮ってくれるというので、サイズが合いそうなドレスを着ました。楽しい。

上階にあるリージェンシー・ティールームでは、お茶を楽しむことも。

バースが舞台の『ノーザンガー・アビー』。丘を歩くシーンも有名。
実際に散歩してきました!(2021年9月)

クイーン・スクエア

ジェーン・オースティンセンターからすぐ。ベンチがあり、のんびりできる。

クイーンスクエアには、坂の中腹にある緑あふれる四角い広場を囲んで集合住宅が建てられた。もともとは木々もない更地だったという。ジェーン・オースティンは、バースに家族で引っ越してくる前、1799年に兄のエドワードとその妻、ジェーンの母と一緒にホリデーに来た時、このスクエアにある邸宅に滞在した。今では市民の憩いの場として公園のようになっている。

________________

ここからは、おすすめの食べ物をご紹介します!

Sally Lunn’s Historic Eating House & Museum

バースの観光名所の一つ。サリーランが食べられるお店。

紅茶とお菓子が好きな人には、ぜひ行ってほしい!
バースの郷土菓子パン「サリーラン」が食べられるお店。夜の6時からアーリー・ディナーメニューもある。サリーランについてはこちらで詳しく紹介。↓

The Bath Bun

テラス席がおすすめ。2階席もある。

もう一つ、バースの郷土菓子パンとして知られるのが、バースバン
小さな丸いパンズにザラメのような砂糖が振りかけてある。朝食に好まれて食べられていたよう。

クロテッドクリームとジャム、お茶のセット。
緑あふれるアビーグリーンに面したティーショップでバースバンを楽しめます。

バースを何度か訪れるうちに、今ではこのお店のテラスでバースバンとお茶を楽しむのが定番。お気に入りの場所の一つ。


【まとめ】

バースは、ローマ時代の遺跡から、ジョージ王朝時代に生まれた美しい街並み。ヴィクトリア時代の再整備。を経ても街全体のバランスが保たれ、調和するような美しい景観が生み出されている。丘に広がった市街地には、緑地が組み込まれて住みやすい環境が整えられた。

社交界華やぐジョージ王朝時代にバースに滞在したジェーン・オースティンが描く物語は、現在まで受け継がれ多くの人に愛されている。最近では、ネットフリックスシリーズ「ブリジャートン家」の舞台としても人気。

歴史を知ると、バースを旅する時にさらに楽しい。とにかく魅力がいっぱい。大好きな場所の一つです。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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