初めての小説〜小説かこれ!?〜
深夜のバス乗り場には、大きなスーツケースを持った人がぽつんぽつんと集まりだしていた。何人かで集まっている人たちもいたし、ひとりで携帯電話をいじくっている人もいた。
「少し早く着き過ぎたみたいだね。」
彼女が微笑んで言うので、僕も微笑んで
「そんなことないよ。早過ぎるなんてことはない。」
と答えた。
やがて乗車の時間がやってくる。蛍光色のベストを着た細身の若い男性が、乗客のリストらしき紙を挟んだクリップボードを持ち、乗客の名前をリスト順にひとりひとり呼んでいく。スーツケースは別