歌川 音 

フィクションだったり違ったり

歌川 音 

フィクションだったり違ったり

最近の記事

次はお前の番だ

「次はお前の番だ」 そうどこかで聞こえた気がした。 近年のSNSの普及により、次から次へと誰かが的にされ、矢が放たれ続けている。その矢は的の周囲から攻め込まれ、徐々に心臓に近づいていく。生身の人間が無数の矢に勝てるか。そんな殺人ゲームが日常茶飯事に行われている。犯人は無数にいるけど、確信犯はいない。主犯が誰か、だれが心臓を突き刺したのか、そんなこと誰も気にしない。「運が悪かった」そういって片づけられる。なかったことにされる。それが正義で、それが正解だとでもいうように。

    • 私の決意表明

      この文章は多分他の人が見ても全くと言っていいほど面白くないものかもしれない。拙く、つまらない文字の羅列に嫌気がさすかもしれないが、日まで暇で仕方がない人はぜひ目を通してくれると嬉しい。 私にはやりたいことがたくさんある。いつまでにスタートしようとかそんなものは決めていない漠然としたやりたいことリストが自分の中にたくさんある。夏休みが残り一か月となった。夏までに始めたいなと思っていたものは一つもできていない。このままだときっと一生できないだろう。だからこそ、この場で決意表明し

      • 消えたい存在もろともこの世に最初から存在しなかったものになりたい

        • その嫌いは思い込み

          人が怖いと思ったのはいつからだろう。人に対して執拗に意識を向けてしまうようになったのはいつからだろう。人ごみを避けてできるだけ人のいない方を選択するようになったのはいつからだろう。 小さい頃はできないことはできるように、好き嫌いはしないように、そう教えられてきた。しかしいつからか苦手なものや嫌いなものを避けるようになってきた。きっとそれは人間の本能的なものだろう。苦手なものを避けて、嫌いなものを排除して好きなもの、得意なことを選択するようになっていく。私も本能に従って嫌いな

        次はお前の番だ

          桜のような人になりたい

          桜の季節がもう少しで終わる。憂鬱な梅雨が来たらいよいよ大嫌いな夏が来る。ここ数日は梅雨も通り越して夏日が続いている。休日に寒さでアラーム音に苛立ちを覚えていた日から一転して暑さで目が覚めるようになった。平日よりもうんと遅い時間に目をこする。立ち上がるのはもっと後だ。朝なのか昼なのかも分からないくらいの時間に顔を洗って、昼なのか夜なのかわからない時間にご飯を食べる。ダイエットをしているはずなのに高カロリーなご飯をつまらないYouTubeを横目に見ながら食べる。お風呂は今日はいい

          桜のような人になりたい

          優しい言葉

          私は昔から声が小さいことをよく注意されていた。「もう少し大きい声で話しなさい。」「はきはきしっかり声を出しなさい。」そういわれ続けてきた。小学生の頃は特にひどかった。元気ではきはきしている子が良い子で、静かでおとなしい子はいつも怒られる対象だった。小学四年生の運動会の応援歌の練習で声が出ていないからとって教室で全員の前で歌うように言われたことがあった。普段から声が小さくて人とまともに話せなかった私はその状況が耐えられなかった。歌うまでやるぞと言われたが、怖さと緊張で声なんか出

          優しい言葉

          大人と子供の世界線

          「私も大人として生まれたかったな。」 子供のころ、大人と子供は別の人種だと思っていた。子供が大人になるのではなく、大人は大人として生まれ、子供は子供として生まれてきて別の人種になれないものだと思っていた。猫と犬が別の種別であるように、子供と大人も別のものだと思っていた。私は子供だったのにどうして大人から生まれてきたのだろう。ずっと謎だった。猫から犬が生まれてくることはない。絶対にない。でも、大人から子供は生まれてくる。全く意味が分からなかった。どうしてだろう。そうずっと思っ

          大人と子供の世界線

          今日は何もせずに終わったなと思いながら寝るのが嫌だから、寝る前に本を開いて初めてみる言葉が出てくるまで読んでみるようにしてる。新しい言葉を知ることができたならその日は確かに生きている意味があって確かに生きている価値のある一日だったはずだから。

          今日は何もせずに終わったなと思いながら寝るのが嫌だから、寝る前に本を開いて初めてみる言葉が出てくるまで読んでみるようにしてる。新しい言葉を知ることができたならその日は確かに生きている意味があって確かに生きている価値のある一日だったはずだから。

          子供の頃はディズニーを見てた、それはディズニーは欲しいものをくれたから。でも今はジブリを見てる、それはきっとジブリは失ったものをくれるから。

          子供の頃はディズニーを見てた、それはディズニーは欲しいものをくれたから。でも今はジブリを見てる、それはきっとジブリは失ったものをくれるから。

          好きだったのにな

          最近「蛙化現象」という言葉をよく聞く。蛙化現象とは、ずっと好きだった相手に好意を向けられた途端に相手のことを気持ち悪いと感じてしまうことである。ここ数年恋愛なんて全くの無縁だったからそんな言葉はどこか夢物語で恋する乙女だけの話だと思っていた。同時になんで好きになった人に好意を向けられた途端に不快感を覚えてしまうのだろうと疑問だった。私だったら好きな相手に好意を向けられたら喜んで飛び上がるのだからみんな私のことを好きになればいいのになと女子高生のようなことを思っていた。そう思っ

          好きだったのにな

          嘘つき

          クラスメートに嘘つきがいる。精神病を持っているだとか、彼氏にDVを受けているとか、1日1時間しか寝ていないとか。分かりやすいくらいバレるうそをつくから笑ってしまう。もはや私たちに話のネタ提供をしているのかと思ってしまう。でも私は彼女の気持ちがよくわかる。私も生粋の嘘つきだ。友達に話していることの半分は嘘だ。別に悪気があって話しているわけではない。ただのネタ提供。私のちょっと盛った話やありもしない話を嬉しそうに楽しそうに聞いている友達を見るととても楽しい。私まで嬉しくなる。私は

          もう死んじゃおうかな

          「もう死んじゃおうかな。」朝起きると毎日思う。死ぬ気なんてないくせに、死ぬ勇気なんてないくせに、毎日息するみたいに頭に浮かんでくる。 私は頑張ることが苦手だ。毎日勉強したり、自炊したり、洗濯したり、、、しないといけないことは山ほどあるのにできていることはほんの一部だけ。現に今も洗濯の終わった洗濯物が洗濯機の中で私のこと待ってるし、脱いだ服はクローゼットに戻りたがってこちらを見ている。ついさっきまではやる気があったから洗濯機も回したけど、洗濯の40分が待てなかった。気分屋で頑

          もう死んじゃおうかな

          私は彼を好きになりたくない 別れを知りたくない

          私は彼を好きになりたくない 別れを知りたくない

          私は歩道橋が大好きだ。田舎から上京してきて驚いたことは都会には歩道橋がないことだ。歩道橋から見える無数の車も気が抜けたら飛び落ちてしまう自分の怖さも感じることができないと思うと少し寂しさを覚える。部活や補修で遅くなった帰り道に歩道橋の上でいつまでもしゃべっていたあの日々が恋しい。

          私は歩道橋が大好きだ。田舎から上京してきて驚いたことは都会には歩道橋がないことだ。歩道橋から見える無数の車も気が抜けたら飛び落ちてしまう自分の怖さも感じることができないと思うと少し寂しさを覚える。部活や補修で遅くなった帰り道に歩道橋の上でいつまでもしゃべっていたあの日々が恋しい。

          取捨選択

          本当に必要なものは何だろう。 何が必要で、何がいらないものなのだろう。  私たちは、大人になっていくにつれて取捨選択を覚える。いらないものを捨てて、必要なものを拾って、守っていく。家具も、家具も、服も、言葉も感情もすべて自分で決めてきた。それと同時に我慢を覚える。ほしいものを我慢、やりたいことを我慢、言いたいことを我慢。いつの間にか何をしているのかわからなくなる。  日本では我慢することが美徳とされている。自分が我慢して誰かに何かをすることは優しさとして

          文章を書くということ

           私は文章を書くことを公衆の面前で自慰行為をしていると思っている。恥ずかしくて、怖くて、みっともない。悲しくて、孤独で、弱いから、人に話せないことを文章にしている。自分の心の中でもやもやしていた感情を文字にすると一気に現実味を帯びて具現化される。だから読み返すことができない。読んでいて悲しくなる。すらすらと出てくる嘘も、自分の弱さにあきれてしまう現実も、全てなくなってしまえばいいのに。消えてしまいたい。

          文章を書くということ