無題(即興)001
約束を甘い拘束として賭すような
そんな情熱はすでにないのだから
義理もなく権利もなく
ただただ呆けたように
日常のわずかな隙間に
気負いも後ろめたさも持たず
するりとあなたを滑り込ませて
ただただのんびり眺めていたい
小さなテーブルに
けして豪奢ではない 美味しそうなプレートがふたつ並んでいるのもいい
纏っている または 纏わされてしまったもろもろを
すっかり忘れてしまって
料理を口に運ぶあなたの撫肩が
ゆらゆらと揺れているのをいつまでも眺めているのもいい
日常は日常のままで