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手のような

溢れているというのは比喩で
流れていくだけだ ことばは
おしつけがましいのはたくさんで
わかるよね、も、もういいや
伝えたり 飾りつけたり
ことばがあまりにも便利すぎるので
流れていくだけだ ことばは

匂いそのものには
温みそのものには
震えそのものには
なれないのだな ことばは

それでも
そこにあるだけで
口角が微かに緩み
知らず溢れさせられてしまうような
そんなうたがありはしないか
懐かしい
手のような

(2004年頃)


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