見出し画像

無題(即興)001

約束を甘い拘束として賭すような
そんな情熱はすでにないのだから
義理もなく権利もなく
ただただ呆けたように
日常のわずかな隙間に
気負いも後ろめたさも持たず
するりとあなたを滑り込ませて
ただただのんびり眺めていたい
小さなテーブルに
けして豪奢ではない 美味しそうなプレートがふたつ並んでいるのもいい
纏っている または 纏わされてしまったもろもろを
すっかり忘れてしまって
料理を口に運ぶあなたの撫肩が
ゆらゆらと揺れているのをいつまでも眺めているのもいい
日常は日常のままで煌めくこともあると
白い壁に差す午後の陽を信じてみるのもいい
向かい合うあなたの笑顔がこれからも
喜びのためだけにあればいい
願いや祈りといった大げさなものから
もっとも遠く離れたところで

(20170507即興。コインランドリー)

サポートの一部を誰かのサポートに繋げていけるのが理想です。途切れることなくー