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読書:ねずみとり 戯曲


1951年発行の戯曲

アガサ・クリスティ著

鳴海四郎訳

早川書房

大雪の日。
若い夫婦が営むゲストハウスに、宿泊客5人が到着。

ラジオからは、ロンドンで起きた殺人事件の最新ニュースが流れてきます。

そこに「犯人はこのゲストハウスにいる」という情報を持って、1人の刑事が登場。

交通は遮断され、電話は不通。

宿泊客の取り調べが始まったのですが…。

「ねずみとり」は、現在でも世界一の上演数記録を驚異的に伸ばし続けている演劇ですね。

舞台写真や配置図、劇中で歌われる童謡の楽譜などの資料も掲載されています。

楽譜を見ながら、童謡「三匹の盲目のねずみ」をちょっと弾いてみました。
(自信がないのでその後youtubeで確認)
読了後の強烈な悲しみを煽る可愛らしい曲。
因みに、歌詞には怖いところもございます。

「ねずみとりができるまでの流れ」を年表にしてみました。

1947年
王太后メアリー・オブ・テックの80歳の誕生日を祝うラジオドラマのために、BBCの依頼により執筆される。
その時の題名は「三匹の盲目のねずみ」

1950年
「三匹の盲目のねずみ」をクリスティ自身が短編小説化

1951年
題名を「ねずみとり」に改めて戯曲化

1952年
ロンドンのアンバサダーズ・シアターで初演

2024年現在
ロンドンのセントマーティンズシアターで上演中

小説と戯曲を読み、舞台を鑑賞するという3つの楽しみ方ができる作品。

ロンドン滞在中、「ねずみとり」はなんとなく敷居が高く感じ、観に行かなかったことが悔やまれます。

小説版派と戯曲版派に好みが分かれる傾向がありますが、皆様はいかがでしょうか。

小説版「三匹の盲目のねずみ」は、早川書房から出版されている中短編集「愛の探偵たち」に収録されています。

今日もお付き合い頂きましてありがとうございました。

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