言葉は私の常夜灯です。 私のための小さな足掛かりを、ここに記録していきます。

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1人あるいは孤独の過小評価について

1人 孤独 1人、あるいは孤独に関して 思うことは人それぞれでしょう。 (もちろん他の言葉に関して思うことも。 まあ落ち着いて下さい。 どうか私をあなたの敵にしないで。) 寂しい? あるいは退屈? あるいは不健全? (わざわざネガティブな言葉を選んでいる?) 私はと言えば、自由。 地球と私しかいない時間を 楽しもうとしています。 好きな音楽を空気に溶かして、 好きな場所に座る。 掃除をしたって良いし、 寛いで何もしないのも良い。 朝日への挨拶や夜空への賛辞を考えても

    • 「僕は明日の真実を語る」

      年が暮れてゆきますね。 空で例えるなら、11月は夜更け前の 暗い真夜中でしょうか? どう思いますか? あなたが風邪など ひいていないと良いのですが そして私には、大昔に読んだ本が、 掃除の折に、転がり出てきました 『ドリアン・グレイ の肖像』 オスカー・ワイルドの描いた 悲しみや人生の苦しみを 最高の芸術品のような 美しい悲劇に閉じ込めた物語 難しい話はやめにしましょう 悲劇はただ、そこにあるだけで 私達の心身を蝕んでしまう 「笑いで友情が始まるのは、なかなか悪

      • 陰影の寄り添う文字には

        文字を読むことは好きですか? 好きで無くても、それを恥じる事は ありませんよ。世の中は何故だか そんなおかしな風潮がありますが...。 しかし、文字を読むその横顔にしか 光の差し込んだその行間にしか 思想を進んで行くその瞳にしか 宿らぬ短い永遠があるのは、確かな事です。 この「読書をする女性」を描いたのは デンマークの画家、ピーダ・イルステズ。 (Peter Vilhelm Ilsted) 放つ優しい陰影、 朧げな灯りに包まれた知性 夢中で少し開いた唇と 掴みきれない

        • いつかの絵具 見知らぬ群青

          こんばんは、今の私は夜です。 あなたの夜はどの様に更けていくのでしょう? もしくは、あなたの夜はいかがでしたか? 夜明けの彼方へ立つのなら、消え入りそうな 背中しか見えないかもしれませんね。 そしてそれは、いつだって 顔見知りの色とは限りませんよ。 だって私達は海のことを、 小指の爪ほども知らないのですから。 あなたは何色が好きですか? もしくは、見たことが無いけど、 見てみたい色はありますか?  (質問が多すぎる、と感じていますか?) 私は、海よりはよく喋り 真

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          灯台の小道

          歩くのは好きですか? (それとどうか、深呼吸を忘れずに、 体に良い、とお医者から聞きましたよ。) どこかへ向かって歩くのも 当て所なく歩くのも良いものです。 一歩ずつ確かに進んで行く感覚が好きで 私はよく散歩に出かけます。 右足を出し、左足を出す (あるいは、左足を出し、右足を出す あるいは、足が悪くても、無くても それは人それぞれですよね。 向かう感覚には変わりありません。) その単純作業を繰り返すと いつの間にかどこかへ辿り着く。 素晴らしい力です。 何が幸せ

          灯台の小道

          原色の夏

          1年の曲がり角で ばったりと出会います。 あなたのもとにも もう、やって来ましたか? それは決して忘れたくない風 太陽がのんびりと寛ぐ午後 久しく歩く気持ちの良い田舎道 自由を運び巡る夜 それらを抱えてやってくる 古からの友人、原色の夏。 拝借させていただいた 美しい一瞬を閉じ込めた絵画たちは Jeff Daniel Smithさんの作品たちです。 私はこの季節が好きで堪らない でも嫌いで堪らない、気もするのです。 憎らしいほど綺麗な表情をしたり 切なくてむせる程

          原色の夏

          森の奥の孔雀

          あなたのものさし 私のものさし 私達はそれぞれのものさしを、いったい いつから持っているのでしょうね。 言葉や誰か、世界の全て 1番最初の命から それはあったのかもしれません。 人間が何かに、価値を見出すこと。 どうしたって切り離せない 少し切ない宿命です。 「ジャングルの中でおどるクジャクのダンス、誰が見た?」 これはヒンディー語のことわざです。 孔雀が、美しいその羽を広げ 森の奥深く、たった1羽で踊る踊りを 目にする者はいるでしょうか? それはもしかしたら、

          森の奥の孔雀

          日の始まりが眠り込んだ小道

          時々失いませんか? 安心や希望、心地良い夜、 どこへでも歩進める力を。 私はよく、失くしています。 もう、丁寧な朝を待ち望む夜は来ない 優しい文を書くこともできない 明日の眼差しを愛せない 私はそうして、深淵の縁に 途方に暮れて座り込むのです。 哀しんだり、不安にくたびれて 心地の悪い夜を過ごします。 そうして、彷徨っていると 何度も巡ったはずの場所に 暖かな日の差す小道を見つけるのです。 こんな所に、日の始まりが 眠り込んでいたなんて。 あぁ助かった、ずっと探し

          日の始まりが眠り込んだ小道

          独りを歌う鯨

          自分だけの言葉、誰とも共有しない 自分だけの言葉があなたにはありますか? それは歌、あるいは一遍の詩 見る予定では無かった夢、 手帳の走り書きかもしれません。 独りで暮らす鯨の話を 聞いたことはありますか? 鯨は鯨同士、言葉を持ち、 会話する生き物ですが、 彼だけは、違う言葉を持っているのです。 他の鯨が10〜40㎐で鳴くのに対し 彼だけは52㎐で鳴くのです。 科学者たちは彼に「52㎐の鯨」 と名付け、彼を探しましたが 未だに誰もその姿を見たことは 無いと言います。

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          明日、あるいは昨日を見つめる島

          地球にはたくさんの約束がありますね。 考えたことはありますか? 私達の思う規則正しさ、 太陽へ挨拶する朝。 緯度や経度、暖かな赤道。 太陽の頬を撫でる氷の大地。 月の力で波打つ広大な海。 私達の時間、仕切りたがりの日付変更線。 ダイオミード諸島の島と島の間には、 日付変更線が通っています。 一方の島からは、明日を 一方の島からは、昨日を 見つめる事ができるのです。 同じ空間を流れている時間を 私達人間の約束は、 小さく区切って使う事にしたのです。 私達の約束が生ん

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          あなたは、私のオレンジの片割れ

          あなたは、あなたが あなたにとって完璧だと思いますか? それとも何か、もの足りませんか? 完璧-欠点や不足がなく,非常に立派なこと(さま) 辞典は完璧を、こう定義していました。 確かに、ある瞬間 いつかの微睡や、穏やかな昼下がり 暖かい紅茶の中に、それを感じたことがあります。 これ以上何も減らす必要はないし 何も付け足す必要がない。 私は満たされて、ただ佇みます。 沈みもせず、登りもせずに。 Tu eres mi media naranja これはスペインの言

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          Sense of Wonder

          あなたに 一体なにが起こるのでしょう? 黄金の太陽が空を焦がす朝に 背の高い木々の葉の隙間に遊ぶ光を 見上げた直後にすれ違う季節風に 地球の穏やかな呼吸で 波打つ神秘の海に 長い旅路を終えて眠りゆく滝に 昼の背を見送る寂しげな夜の始まりに 名残惜しくも星達を帰さなくてはならない 群青の夜明けに アメリカの生物学者であり作家の レイチェル・ルイーズ・カーソン により執筆された「The Sense of Wonder」 という素晴らしい書籍があります。 そこには、

          Sense of Wonder

          時の踊り

          時間とはなんでしょうか? 太陽と月の動きを捉えて 名をつけたもの? 砂がこぼれ落ちる瞬間を 閉じ込めた、あの小さな瓶のこと? 私は、それを宇宙の約束 ではないかと思っています。 (勿論、私達も約束の一部です。) 「時の踊り」ガエターノ・プレヴィアーティ Dance of the Hours-Gaetano Previati 優美なのにどこか、追われている様な 彼らの踊りに胸が苦しくなりました。 彼らが手を伸ばす黄金の輪は 軽やかでありながら、確かな 約束に私には見

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          夜のパリ

          地球には、どこかへ夜が訪れるとともに どこかに朝が訪れています。 あなたのお気に入りの 朝、または夜、 それはいつでしたか? (数えられないほどに あるかもしれませんね。) 私は珈琲の匂いが立ち込める 少し気取った優しい朝も、 地平線からこぼれ落ちそうな 雄大で少し寂しそうな夜も 愛しています。 「夜のパリ」チャールズ・コートニー・カラン Paris at Night (1889)-Charles Courtney Curran 雨が降る美しく水々しい夜。 雨とパリ

          夜のパリ

          The noon moon

          あなたには、特別な客人がいますか? 若しくは、 真昼の空を見上げた事はありますか? もしあるとするならば あなたは本当は、そこへ 何を見ようとしたのでしょう? (勿論、月がそこにあると 知っていたのかもしれませんね。 真昼と言っても、夜に 似ている時もありますし。) 何か素敵なものを、持ち帰りましたか? もしそうであったならば、 あなたは時間と 仲良く暮らしているのですね。 (そんな事は無い、とお思いですか? 少なくともあなたは、 あなたと仲が良いのですよ

          The noon moon

          The mother earth

          地球を考える時、そこにはいつも 小さな音がありました。 幾度も考えるたび、少しづつ拾い集めて 繋げ合わせてみました。 とても未熟な形ですが、 私は、お気に入りの夜明けを 閉じ込められた様な気がして なんだか嬉しいのです。 もしあなたが遥々、私の夜明けを 訪ねてくれたのならば、これほどに 喜ばしい事はそうありません。 あなたの、いつ何時の夜も朝も 美しく心地よいものであることを 心より願います。

          The mother earth