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1人あるいは孤独の過小評価について


1人 孤独

1人、あるいは孤独に関して
思うことは人それぞれでしょう。
(もちろん他の言葉に関して思うことも。
まあ落ち着いて下さい。
どうか私をあなたの敵にしないで。)

寂しい?
あるいは退屈?
あるいは不健全?
(わざわざネガティブな言葉を選んでいる?)

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私はと言えば、自由。
地球と私しかいない時間を
楽しもうとしています。

好きな音楽を空気に溶かして、
好きな場所に座る。
掃除をしたって良いし、
寛いで何もしないのも良い。

朝日への挨拶や夜空への賛辞を考えても良いし、ペンを投げても良い。
過去のちょっとした間違いを
思い返して心臓を縮めたり、
寂しい記憶のかけらを舐めて
少し落ち込んでみるのも良い。

お気に入りの菓子や本の続きを齧っても良いし、
何度も繰り返した映画や手紙、
あるいは新しい映画や手紙を観たって良い。

なんだって良いはずです、
相手は私でありあなただけなのですから。

1人、孤独。
それは世界一過小評価されてきた時間、
あるいは思想かもしれませんね。
もちろん一部の芸術家や
思想家や学者などはその価値を大いに認め、
天才的な手捌きで扱ってきたわけですが...。

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あなたはどうですか?
1人、あるいは孤独を好みますか?

それともなんだか落ち着かない?
誰かが部屋のドアをノックする
あの瞬間を待ちわびている?

確かに続きすぎる
質の悪い1人や孤独は良くない。
心にあるほんの少しの
柔らかい肌触りを奪いかねません。

ところで偉大な辞書は、
一体なんと言うでしょうか?

仲間や身寄りがなく、ひとりぼっちであること。思うことを語ったり、心を通い合わせたりする人が一人もなく寂しいこと。また、そのさま。

確かに孤独の孤の字には、
古来より寂しい心が託されているようです。
寂しい、虚しい、なんだか心身に毒を残しそう。

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でも私は好きです。

1人で散歩した空に、道に、
雑草に、針葉樹に思ったことを。

1人で眺めた絵画に、海に、星に、
滑らかな地形に思ったことを。

1人で作った文字に、詩に、
音楽に、なんでもない料理に思ったことを。

それに程良い寂しさも私は好きです。

誰が恋しいのか分かる。
それは自分自身である場合もあります。

孤独の纏う哀愁を、
夜のとばりのようなきらめきを、
濃すぎる紅茶の一口のような
心地良い苦味を招き入れない人生なんて。
(言い過ぎましたか?
気を悪くしたなら申し訳ない。
でも孤独には詳しいものですから、
ちょっと自慢したくなってしまって...。)

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どうか望まずに訪れた孤独を
必要以上に恨まないであげて下さい。
どんな形でも私達の側に居続けてくれる
生涯のパートナーなのですから。

私達が生まれたのは孤独、
そしてやがて還るのも孤独。
(そんなに悪いものではないですよ、
付き合い方さえ間違えなければ)

どうか深刻に考えないで下さい。
この一瞬だけでも。

その一瞬が繋がれば、
私達の不安や苛立ちのほとんどは解消される。
しかしそれは天文学的に難しいことであります。

だからせめて一瞬。
深刻に考えずに孤独に身を任せて。
(コツを掴んだら
どんどん進んでも良いんですよ。)

時間が解決する問題や傷が
世界には多いことを忘れてはいけませんよ。
私達がどう足掻いても
癒える速度が変わらない傷は、
いつまでも眺めていたって
仕方がありませんからね。

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そして1人と寂しさは私達を熟成させます。
得意の水っぽい嘘も
作り笑いも必要ありません。 

無理に馴れ合う必要もなければ、
無理に引き止める必要もありません。

私達は基本的にいつでも自由です。
孤独に関してもそれは不変です。

そして私達は基本的に完璧です。
(もちろんとてもそうとは
思えない日々や時間もありますよね。
でもありとあらゆる選択の中で
私達が懸命に選んだ選択をどうか責めないで。)

今孤独について思い悩むなら、
自分を愛することから
始めてみるのも1つの手です。
思想、嗜好、癖、眠り方、指先...
自分を徹底的に見つめて。

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孤独は私達に私達のことを語ります。
忌み嫌う前に話してみることをおすすめします。
(お互い怯えているのは最初だけです、
安心して下さい。)

うまくいかない時は
友人の声を聞くのも良いでしょう。
それに美術館や映画館に紛れてみるのも、
あるいは映画や本や音楽や
絵の中に暮らしているのも。

それでも錨が下せない時には
どうか私に文を送って下さい。

私と孤独の話をしましょう。


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