出口由加子|mokuren design

長く出版の仕事に携わったのち、桑沢デザイン研究所(夜の部)に通い、いまイラストの仕事を…

出口由加子|mokuren design

長く出版の仕事に携わったのち、桑沢デザイン研究所(夜の部)に通い、いまイラストの仕事をしています。おそらく世界で初めての葉書サイズの周期表「元素の周期表ポストカード」(2012年制作)は国立科学博物館のミュージアムショップでロングセラー中。

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ごあいさつ/profile

出口由加子と申します。イラストの仕事をしています。 この仕事を始めたのは、中年と呼ばれる年になってから。それまで長く出版社に勤めていました。 ねっから絵を描くのが好き、スキあらば手を動かしている、そんな生まれついてのイラストーレーター気質ではないのに、もともと文章の近くで仕事をしていたのに、呼ばれるようにこちらの道へ。 「人の脳というのは、できないことに挑戦しようとする性質がある」と聞いたことがあります。 一方、夫は生まれついてのデザイナー気質。小学校6年生のとき、自

    • 祖母の茶碗蒸しのナゾ

      子どもの頃、祖母が作ってくれた茶碗蒸し。大ぶりの器にうどんが入っていて、卵のふるふるした生地とうどんのなめらかさが相まって、なんとも美味しかったのでした。「今晩は茶碗蒸し」と聞くと、やったー。という気分になったものでした(次世代の甥っ子たちも大好きだったようです)。 ところで、よそでいただく茶碗蒸しはさながらプリンのよう。小ぶりな器で、うどんは入っていない。あの、両の掌で包み込んで食べる、包容力のあるうちの温かい茶碗蒸しと比べると、ちょっと物足りない。 子どもの頃食べたあ

      • 歯磨きするように 母と朝電話

        思い立って、毎朝、兵庫の実家の母に電話することが日課に。履歴を見ると、7月26日から。 以前、歌手の島谷ひとみさんが、毎日、広島のご実家に電話しているという話を聞いたことがあった。離れて暮らすご家族との時間を大切にされていること、素敵だなと思った記憶がずっと残っていました。 母とは互いに連絡を取り合ってる方だと思っていたけど、負けた〜!と思ったものでした(勝ち負けじゃあない)。 高齢の父と母。自然の流れで身体にいろいろ起きてはいますが、幸いなことに、家族と日常を過ごせて

        • 思わず人に話したくなる中村倫也さんの素敵なエピソード

          3月25日、俳優の中村倫也さんとアナウンサーの水卜麻美さん(日本テレビ)が結婚を発表。芸能界的には大型カップルなのかなとサラッと聞いていた。 その数日後、「このニュースを聞いて思い出したことがある」と、向井慧さんが「パンサー向井の#ふらっと」(TBSラジオ、3月28日放送)で、こんなエピソードを紹介していました。 2019年、日テレの「クイズ! あなたは小学5年生より賢いの?」に向井さんが出演したときのこと(まだ番組がレギュラー化される前の特番に)。 小学校の教科書に載

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        ごあいさつ/profile

          タイトルは大袈裟じゃなかった・・・読んだその日にからだがラクになった本

          『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』……最初、タイトルを聞いて、言い切ったな!と、ちょっとだけ訝しんだ本。でも、眉唾ものでもなんでもありませんでした。 理学療法士である著者の大橋しんさんのことを知ったのは昨年、「PRESIDENT Online」のこの記事を読んで。 姿勢をよくしようと、背筋が伸びるよう、からだを上に上にと持ち上げるのは逆効果。重力に逆らうのをやめると、ふわっと姿勢がよくなるという話。 姿勢をよくするには、背骨を支えるまわりの筋肉(背

          タイトルは大袈裟じゃなかった・・・読んだその日にからだがラクになった本

          見える言葉、手話とピクトグラム 

          昨年、放送されたドラマ「silent」を見ていて、思い出した光景がある。 高校生のとき、地元の町で主催していた手話の講習会(3カ月)に通ったことがありました。 その頃、ドラマで手話で会話している登場人物を見て、手話のこと知りたくなって通ったという、あるあるのミーハーなきっかけで。 外国語を満足に習得できなくても、「I love you (アイラブユー)」にあたる言葉は身につくものと聞いたことがあります。 たしかに。大学時代、第二外国語でとったドイツ語。ほとんど覚えてい

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          備えあれば憂い少なし、入院バッグと・・・

          先日、気になる症状があって、予約外で主治医の診察を受けることに。念のため、入院バッグを車にのせて病院へ。 入院バッグとは? 急きょ入院することになっても大丈夫なよう、着替えなど必要なもの1週間分くらいをカバンにつめたもの。 以前にも、気になる症状があって病院に行ったとき、「入院になるかも」の予感(というより確信)のもと、入院バッグを持っていって慌てずにすんだことが。これもリスク管理のひとつ哉。 ここ数年で、何度か入院経験があるので、もう常備グッズ。 1週間以上の滞在(

          備えあれば憂い少なし、入院バッグと・・・

          ときどき左利き

          数年前、右ききの夫が左手でお箸を持って食事を始めたことがあった。 もし右手が使えなくなったときのためのちょっとした練習で、朝食のとき左手を使うことにしたそうだ。そのリスク管理、素晴らしい。 先日、そのことをふと食事中に思い出して、「そう言えば、左手でお箸持ってごはん食べる練習してたことあったよね。その後、どうなったの?」と聞いてみると……。 「いまも左で食べてるよ」 あ。ほんとだ、左手でお箸持ってる。気づかないくらい自然に使えるようになっていたんだ。 私も左手、使っ

          時代小説『あきない世傳 金と銀』、またまた止まらなくなりました

          時代劇も苦手、時代小説(どころか小説)も読まない私に、「江戸時代と今が地続き」なことを感じさせてくれた高田郁さんの『みをつくし料理帖』(ハルキ文庫、全10巻)。 高田さんが次に手がけたのが、『あきない世傳 金と銀』シリーズ(ハルキ文庫、全13巻)。 また読んでるの? というくらい繰り返し読んだ『みをつくし料理帖』。もうこれ以外の小説はいらないというくらいに堪能し、気持ちは完結・充足していたのですが。 この『あきない世傳 金と銀』、またしても夫が「すごい」「次、どうなるん

          時代小説『あきない世傳 金と銀』、またまた止まらなくなりました

          老化に葛藤はつきものだけど

          以前、ご紹介した「骨のことが好きになる」おすすめ絵本、『ながいながい骨の旅』。 この絵本のことは、上大岡トメさんのコミックエッセイ『老いる自分をゆるしてあげる。』(幻冬舎文庫)の参考文献で紹介されていて知りました。 今までとりたてて病気を経験したことのなかった上大岡さんが、50歳を目前にして喘息を発症。これから先、自分の体はどうなっていくんだろう、骨や筋肉、脳はどうなっていくんだろう……。と、不安と興味を持つようになったのをきっかけに、5人の専門家から教わったことをマンガ

          老化に葛藤はつきものだけど

          noteとクロッキー帳とMacBook Pro

          noteを始めてみようと思ったとき、手に取った、『noteではじめる 新しいアウトプットの教室』(コグレマサト・まつゆう*著、インプレス)。 ページを作り始めて、もろもろの設定をするときのよきガイドとなってくれました。 こうした設定のあれこれはネット上でも検索できるし、ネットから得た情報もあった。でも、ひとつにまとまっていて一望しやすいところが本の魅力。 ところで、この本で、まつゆう*さんが、記事の下書き保存は、公開設定しなければ、公開されないまま。公開用ではない、自分

          noteとクロッキー帳とMacBook Pro

          柿の種とトイレットペーパーが教えてくれた

          仕事のおともに時どきつまみたくなる柿の種。いつも亀田の柿の種(6袋入りか9袋入りの個包装タイプの)。 先日、最寄りのOKストアに行ったとき、亀田の柿の種が見当たらなかったので、OKオリジナルの柿ピーを買ってみた。 こちらは個包装でなく、大袋入り、ジッパーなし。でも、パッケージにコストをかけない分、容量たっぷり、お値段お得。これはこれで清々しい。 で、変わりなくポリポリと楽しんでいます。 個包装タイプはフレッシュ感があっていいけれど、開けた分全部食べてしまいがち。食べた

          柿の種とトイレットペーパーが教えてくれた

          まるでマンガのようにスイスイ読んだ時代小説、『みをつくし料理帖』

          唐突ですが、時代劇や時代小説がずっと苦手でした(小説=フィクション自体、めっきり読まなくなっていたのですが)。 時代劇はコスプレを見ているような感覚。自分の日常とは関係ないもののような気がしていました。 ところが昨年、高田郁さんの『みをつくし料理帖』(ハルキ文庫、全10巻)に出会って、ヘビーローテーションするほどに。 大坂生まれの主人公・澪が、縁あって江戸に渡り、いろんな出会いのなか、料理人として成長していくというシリーズもの。 もともとは夫が読んでいたのがきっかけ。

          まるでマンガのようにスイスイ読んだ時代小説、『みをつくし料理帖』

          子どもだった夏の贈りもの

          ローング、ローング、アゴー、中学生の時のこと。夏休み前、同級生の男の子に「お中元、くれ」と言われた。要は・・・プレゼント交換しようという話だったような記憶が。 贈りものをするとき、何を贈ろうかと考えるのは今ではけっこう苦にならない方なんだけど、中坊の頃はそこまで気が回っていたのかどうか。 小さな町の中心部にあった雑貨屋で(中高生が友だちへのプレゼントを選ぶのによく利用されていた地元のお店)、レターラックを選んだのだけど、中学生男子があれもらって嬉しかったか?と、今になって

          子どもだった夏の贈りもの

          ラジオを聴けない子どもたち

          「小学生の娘がラジオを聴き取れない」という、警視庁の警備部災害対策課に勤めている方のツイートが、少し前、話題になっていたそうです。 ラジオが日常生活に溶け込んでいる私には、軽い衝撃でした。 ゲームやテレビ、スマホ……目から入ってくる情報に慣れている子どもたち。自分はもう慣れ親しんでしまっていたけれど、「ラジオを聴く」という行為には、習慣というか、練習(トレーニング)が必要なのかも。 この記事を読んで同時に思い浮かんだのが、日本人は英語を読むのは得意だけど、ヒアリングや会

          ラジオを聴けない子どもたち

          ハッとさせる声の届け方

          3月24日で放送が終了した「伊集院光とらじおと」(TBSラジオ)。日常生活にとけこんでいたので、終了のお知らせを聞いたときは落胆した。 でも、こういうとき、知人の名言を思い出す。 「友だちを一人失うということは、新しい友だちができるということ」 ラジオを聴いてた時間が自由になると思えば、それもまたよし。 代わって始まった「パンサー向井の#ふらっと」も気が向いたとき聴くように。新しい番組や出演者をいいなと思う。これもまたよし。 と、時間と気持ちは移ろっていますが、伊集院

          ハッとさせる声の届け方