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歯磨きするように 母と朝電話

思い立って、毎朝、兵庫の実家の母に電話することが日課に。履歴を見ると、7月26日から。

以前、歌手の島谷ひとみさんが、毎日、広島のご実家に電話しているという話を聞いたことがあった。離れて暮らすご家族との時間を大切にされていること、素敵だなと思った記憶がずっと残っていました。

母とは互いに連絡を取り合ってる方だと思っていたけど、負けた〜!と思ったものでした(勝ち負けじゃあない)。

高齢の父と母。自然の流れで身体にいろいろ起きてはいますが、幸いなことに、家族と日常を過ごせていてます。

12月になると友人たちから届く喪中葉書を受け取るたび、二人そろって元気でいてくれるなんて、奇跡。大袈裟かもしれないけれど、恵まれていることを感じるのでした。

私にも持病があるので、いつ何が起きるかわからないのはお互いさまと頭の片隅に起きつつ、父と母が元気でいてくれるぶん、この状況をまだ当たり前のように思っているところがありました。

電話をかける頻度が増したのは、すでに親を見送っている夫が、「お母さんに電話した?」「毎日、電話したら?」と、よく声をかけてくれていたこともあり。

それに、もうひとつ。「ボケますからよろしくお願いします。」を見たことも大きかった。

「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」を見るために登録したAmazonプライム。そこで、前から気になっていたこの映画を見つけた(おそらく、TBSラジオ「パンサー向井の#ふらっと」で紹介されていたのを聴いて)。

東京でドキュメンタリー番組の制作に携わってきた信友直子さんが、広島の呉に暮らす、認知症を患った母と、母を介護する90代の父を自らカメラを回して記録した映画。

続編に当たる「ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえりお母さん~」とともに、深く脳に残る映画でした。

もし映画館で見ていたら、ちょっと困ったことになっていたかも。と思うくらい、涙が出てきてしまう。信友さんのご両親と、自分の両親、自分と夫とのことが重なって、愛おしくて、ヒリヒリした気持ちでいっぱいになる。

続編で、毎日シルバーカートを押して1時間かけて歩いて、脳梗塞で入院したお母さんに会いにいくお父さん。

お母さんが退院して家に帰ったとき、お母さんを介護するために体力をつけておかなくてはと、近くのクリニックに筋トレにも通うのです。

お母さんが留守の間、庭の落ち葉を掃き、食事を作り、布巾で流しを拭いて台所の後片付けをしているお父さん。

その日常の風景はとりわけ脳に残りました(ベッドの傍でお母さんに話しかけるシーンも)。

この映画を見た後、なおのこと、実家の父と母との時間が大事に思え、母に毎日、電話をかけるようになったのでした(父は電話をかけると嬉しそうな声で出てくれますが、すぐ母にかわるので)。

以前は話し込むこともあったけれど、今は毎日、日々の出来事をそのつど聞いて(話して)いるので、比較的短めに。連続短編小説のよう。

そして、「今日もよい1日を〜」と互いに声かけあって、電話を終えるのです。

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