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アレキサンダー(コリンファレル主演:2004年)【映画感想もアキレサンダーなので忠告したんだ。そしたらぶっころだった(クレイトス編)】

古戦場を扱った絵画がありまして、あるとき、
ナポレオンがそれを見て不満を述べました。
「これでは戦況がわからん!」
確かに、絵画においては、軍事専門家が分かるように描くのが目的ではないですから、本職の軍人がパッと見て状況が分かるように描かないのは当然のことでしょう。

現実の戦場は、絵画よりもっとはるかに情報量が多かったはず。

でも2004年の映画【アレキサンダー】を視聴した場合、
ナポレオンも不平不満を言わなかったでしょう。

この映画では、ガウガメラの戦いに焦点を絞って、
戦場の詳しい経緯を映像化しています。
脚色されてるかもしれませんが(実際にはあんなにキレイじゃない)
まあ、バードビューつまり俯瞰視点で、
戦場で何が起こっていたかを分かりやすく説明しています。

ガウガメラの戦闘詳細には、こういう動画を紹介しておきます。

もちろんガウガメラの戦いだけではなく、
アレキサンダー大王の人生そのものを対象にしている映画ですから、
他の要素もあるんですが、
イッソスの戦いやグラニコス川の戦いが省略された一方で、
なぜか。

ガウガメラにだけはかなりこだわっています。

当時、アメリカはイラク戦争の真っ最中で、
まさにガウガメラの古戦場の辺りで戦っていたころなので、
そういう意図があってこうしたのかもしれません。

アレキサンダー大王は戦争の天才らしく、
どうも彼がはじめて実現化、具体化させた戦術が少なくないみたいです。
(もちろん記録に残ってないだけでもっと古代に名将がいた可能性はありますが)

分かりやすく言うと、
軍隊を機動部隊と重装甲部隊に分けて、
機動部隊を敵のウラ側に回り込ませて、
重装甲部隊との間で、挟み撃ちにして倒す。

鉄床(かなとこ)戦術。
日本人にわかりやすく言うと、武田信玄が使ったキツツキの戦術ですかね。
ちょっと違うか。

という戦術らしいです。
まあそれ以前からあった戦法なのですが、
アレクサンダーは直観力がすごくて、
「入れる!」と思うポイントを見逃さないみたいです。

天才は凡人に視えないものが視えるらしいんですね。

普通は映画にこんな要素はないです。
タクティクスものゲーム実況とかでは、
あるいはゆっくり動画とかでは、
けっこう戦場解説がありますけど。

こういうセンスって、大衆受けしないのか。
もちろんこういう戦術の妙味を出している作品がないわけではないんでしょうけど。

ただ物語においては、
どちらかというと努力と工夫とかに視点がおかれるので、
天才軍人の華麗なる戦術が観られる映画というのは、
(率直に言って)無いです。
ドラマくらい長くなるとありますけど、
単品ではないです。

天才の力で勝つというのは、
物語として難しいのかもしれません。

凡人が成長して努力して勝つ。
その方が物語としては圧倒的に作りやすいんですよね。

そういう意味では非常にレアな作品なのかもしれない。

***
カイロネイアの戦いに詳しいのはこちら。

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