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レテの支流(著:早瀬乱)【読書紹介をした後に記憶喪失になって異世界に高跳びしたいんだが「いったい何をやりたいのかさっぱりですな。もういちど最初から言ってみてください」そのセリフ、一度でいいから言われてみたかった「はははっ」】

この人のデビュー作なのですが、その後、この人の本を見かけたことがなかったのです。
辞めちゃったのかな?と思ったのですが、調べてみたら続々と書いてらっしゃいました。安心しました。

今作は、ミステリとしての評価はそれほどでもないですが、コンテストを突破して頂点に立っただけあって、合格点の出来ではあります。
そして私は意外と好きな作品です。何よりマイナーなので誰も知らん。

では最初の方のあらすじ。

主人公は、最近になって妻と離婚しました。
ふたりはかつて、クラスメートだった少年の自殺を止められなかったという所からスタートした関係。
バンドマンを経て不動産関連の仕事に落ち着いた主人公は、
記憶を消す処置とやらを受けます。
バンドマンだったことに変な未練があるから、今の仕事に集中できないんだ。
忘れるしかない。
ということですが、それからのち、おかしなことが起こり始めます。

知り合いが次々に死に始める。
同じ場所のはずなのに店の様子が違う。
片方は事務所が開いていたのに、次の日に行ったら、誰も使ったことが無いような空きテナントだったり。

そんなミステリの原因は、記憶消去手術に原因があるようで、主人公は調べ始めます。

そこから途方もないスケールに広がっていく展開は想像を絶します。
まあ怖い。

ホラーミステリですね。

ミステリマニアには不満が多い展開のようで、論理も結構な破綻があるようなのですが、
私は何事も深く考えないことを特技としているせいか、そこまで不満は感じませんでした。
微妙に破綻があるくらいでもいいんですよね。
むしろノリの方が大事。

圧倒的なスケール感につながっていく話がむしろ気に入っています。
ゾクゾクしますよ。


アンチパシーを持たなかったのは、
もともと私がミステリ読者というより、
SF読者のカテゴリの人間だったせいかもしれません。
超展開に抵抗がないんですね。

ホラーミステリというよりはホラーSFかもしれない。
ただ科学っぽい感じはまったくせず、小説の展開に沿って盛り上げるための世界観設定に過ぎません。まあ充分だと思います。

てかホラー大賞だからホラーでいいんだ。
なんでかミステリだと思い込んでいた。

私は不満があまりないのですが。
どうでしょうか?

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