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隻眼の少女(著:麻耶 雄嵩)【Q:読書紹介殺人事件か。またこのような惨劇が起こってしまいました。なぜ私たちが行く場所ではいつもこのようなことが起こるのでしょう? A:*******】

少し前に後味が良いミステリがいいよ。

みたいなことを言ってましたが、
ミステリって、本来は後味の悪い話が多いです。
殺人事件とか多いですからね。
メリーバッドエンドくらいならいざ知らず、本当に読後感が悪くて、
着地点に生えていた針山に突き刺さって死んだ、みたいなオチが多くて。
謎が解かれる快感はあるんですが、
それ以外は物語としていかがなものなの?
楽しくないよ。

というのが元来は多いカテゴリ。それがミステリなんです。
なので、そういうのも一冊紹介してみるかという感じで。

読後感なんぞ知るかあ、謎が解ける快感が全てでゅわぁああ!

という系の作家さんと言えば、まず私が思いつくのは麻耶雄嵩先生です。
この人はおしなべて読後感が悪い作品ばかりを書いてくるという、きわめて挑発的な作風の人です。

そんな中でも割とライトなのを紹介してみますか。
ではこちら。「隻眼の少女」を。

巫女さん名探偵のヒロインが、元刑事だったお父さんと、武者修行の旅というか、殺人事件の謎を解く旅に出ています(!)
例の「私たちが旅をする場所になぜこんなことばかり」というやつですね。
お母さんが名探偵だったらしく二代目です。
それとばったり出会ってしまった主人公の青年は巻き込まれ体質です。

そんな感じで前半の謎をどうにか解決し、
後半はその青年が、イイ感じのおじさんになったころの話に飛びます。
かつてのヒロインは伝説的な名探偵になっていたのですが・・・

という感じのプロット。
プロットあっての小説であり、登場人物に血肉はあんまり通ってない気がします。
ミステリは謎が解かれてなんぼ。
登場人物の血肉とか関係ないやろと言わんばかりです。
まあそういうドライな作風がこの人の面白さなんですが。

それでもこの作品は、まだエグイ部分がそれほどでもない感じです。
「神様ゲーム」とかになると、読後感の悪さは問題作と呼ばれるレベルになります。子供向けだそうですが。
感想コメントによると「作者はこの世界が辛いことばかりで良いことは何もないと言いたいのだと思いました」というのがあるくらい。

という読後感の悪いミステリの紹介でした。


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