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タイタニア(著:田中芳樹:全五巻)【風よ。空よ。読書感想よ。汝らいま、あのnote(そら)を征け】

言わずと知れた銀河英雄伝説の原作者、田中芳樹先生は、

以降の作品において、作品を完結させないまま放置する作家として有名になられました。

しかし、ある時から一念発起したのか、次々と未完の作品を完結させるようになりました。
読者は嬉しい悲鳴を上げましたとも。
だがそれはあまり時も立たないうちから、阿鼻叫喚の悲鳴へと変わっていったのです。

特にアルスラーン戦記の続編のブーイングはすさまじいものだったようです。そっちの原作は読んでないから、関係なかったのですが。

タイタニアの続編も出たのです!

今回はアマゾンですいません。イラストが出ないのが多くて。
やはり相当マイナーなんだな。

タイタニアはずっと昔。
「先生!また銀英伝みたいなの書いてくださいよ」
「もうネタ切れ。同工異曲みたいなのしか書けないよ」
「それでいいっすよ」
「そうなの?」
という感じで始まった作品。
銀英伝とは少し雰囲気が違います。
こちらはイスラム系の名前が出てきます。
ジュスラン、イドリス、アリアバート、
いずれも超絶美形男子なのは相変わらずです。

そして3巻というところで、続編が出なくなりました。

ただ。
私は、これはこれで、終わりでいいのかな?
と思っていました。
3巻のラストで、主人公的存在の大いなる決心が表明されたからです。
後はもう蛇足なので、主人公の成長を描く作品としてはここで終わりでもいいのかも?
と思っていたんですよ。

そうしたら。20年後。
続編が出たのです。
出るのかよ!

しかしこの先生の20年ぶりの続編は不評だとされ、
恐る恐る読んでみれば・・・

アリでしたね!
世界史オタクとして、この終わり方は全然アリです。
予想外の方向性だったとはいえ。

こういうの実際に世界の歴史とかでアリそうなパターンやで。
全然ええで!
予想を大幅にぶっ飛んで超えてきたけど。アリや!
(まあ、変なのも出てくるけど、私としては許容範囲でした)

ただアニメ版はいけません。
原作を気に入った人があれを観ると脳が破壊されるかもしれないので、観ないように気を付けてください。中途半端なとこで終わってるし。
私は、制服ネタを回収できたから、無駄にはなりませんでしたけど。
タイタニア軍の制服がすごく斬新なんですね。
でも小説版のトップ絵がアニメ版の絵になったし、まあ、要らんか。

マンガ版もあるみたいです。

えー、それではタイタニアの作品解説ですが。
まあ、銀英伝みたいな歴史重視のスペオペです。
以上!

・・・というのもあれなんで。
もうちょっとやるか。

銀英伝の主人公ラインハルトが、銀河帝国の体制外から台頭してくるのに対して。
今回の主人公ジュスランは、最初から四公爵のひとり。
体制内の人なんですよね。

一方、自由惑星同盟のようなライバル国家は存在せず、もうひとりの主人公ヒューリックは、野を徘徊する不穏分子、どちらかというと狂言回しの役割です。
ヒューリックの存在は、もしかすると歴史書には登場しないくらい小さい。
基本的に大河はタイタニア側のみで流れます。

ただ小説を読む分には、狂言回しの役割も意外と重みがあります。
というかヒューリックはもしかしたら、銀英伝だとユリアンくらいの立ち位置なんですよね。同時代を生きた証言者という役割。

銀英伝との構成上の違いは、こんな感じ。
必然的にストーリーの展開も違いが出てきます。
今回はこれくらいで、よろしいでしょうか。

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