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読書日記・他にもいいところがあると思いたい

8月16日(水)

お腹をくだしていても元気だった犬が、朝から急に元気をなくして心配になったので、急いで病院へ連れて行く。色々と検査をしてもらったけど、特に異常は見当たらず。異常もないので、もうすぐ治ると思いますよ、という医師の言葉をありがたくいただいて、整腸剤などをもらって帰宅。犬はとても元気に走り回っている。病院へ行く前はめちゃくちゃ具合悪そうにしていても、病院へ行くと元気になるのはいつものこと。病院がイヤだという気持ちで興奮し、血の巡りが良くなって元気になるんだと以前に医師に言われたけれど、今日もまさにそんな感じ。とにかく元気になったのは良かった。そして医師の宣言通り、お腹の調子もすぐに元に戻った。すごい。

読んでいたのは、伊藤比呂美さんの『女の一生』

本の中にあった、「近所の目がうるさくてたまりません」という質問に対する伊藤さんの答えがとても良かった。

「人の目を気にしなさい」。これもまた、親の呪いの一部です。いい子になれという呪いの一部で、親の呪いの中ではいちばんたいしたことのないものです。

『女の一生』より引用

人の目を気にしないといけない。それはイヤというほど聞かされてきた言葉だったのだけど、これも呪いの一部だという伊藤さんが素晴らしい。呪いならば解けばいいじゃないか。

わたしは詩人と名乗りはじめたときから、対近所、対世間で、この呪いがぱあっと解けていくのを実感しました。「詩人です」と名乗ると、その場で人々が「この女は変人に違いない、世間並みなことは期待しないことにしよう」と考えてるのが見て取れました。それで、奇抜な格好で学校に行っても、ゴミ出しの日を間違えても、人前で素っ頓狂な発言をしても、その他いろいろ、人がするべきことをしなくても、母にはあいかわらず文句を言われましたが、他の人は誰も何も言わなくなりました。ありがたかったです。

『女の一生』より引用

人前ではきちんとしていること。それは生きていくうえで、とても大切なことだと教えられてきた。だから間違いや失敗はしないようにして、人から見て「いい子」であることを身につけようと必死になってきた自分を振り返り、そんなことをしていたから、人の目がうるさく感じてしまうのだろうなと気づいた。

 変人として生きること。これがひけつです。だれもみな、少しずつ、変人になりうる素質を持っています。

『女の一生』より引用

おかしな人に思われないように、多くの人が良しと思う世界を崩さないために、言いたいことも我慢して、やらなければいけないことを優先して、その結果、とてつもなくしんどい思いをしたとしても、それが自分を評価してもらえる証だからと一生懸命に我慢し来た人生で、私は本当に幸せだったかと自分に問うてしまった。答えは否だった。

人として最低限のルールは守るけれど、「いい人」である必要はなかったなぁ。自分が心の底から「いい人」でありたいと願うなら、そうあればいい。でも「いい人」でありたいと思う理由が、人の目を気にして発生しているとしたら、それは不必要な思い込みかもしれない。この本、とても面白い。


8月17日(木)

犬が元気になったので、私のお腹も元気になるかと思いきや、私のお腹は一向に回復傾向にない。エアコンの風邪で、お腹が冷えているのだろうか?と思っていたら、エアコンが壊れた。今年に入って3台目の故障。今年の6月に2台が故障して買い替えたばかり。10年が経過した家電製品は、いつ何が起こってもおかしくないというのは都市伝説か何かかと思っていた。

読んでいたのは、糸井重里さんの『思えば、孤独は美しい。』

弱者だからこそ、卑怯なことはしない。
そうでなかったら、いいところがなくなる。

『思えば、孤独は美しい。』より引用

卑怯者の自分にグサッと刺さった言葉。弱者にとって、いいところが「卑怯じゃない」だけなのは辛いね。他にもいいところがあると・・・思いたい・・。

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