方梨もがな

ゲンロンSF創作講座5,6期生。

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ゲンロンSF創作講座5,6期生。

最近の記事

万博、文化、物語、大きな物語

昨日は最前列で観ていたこともあり、気になった点が僅かに合ったので記しておく。というか、イベント参加したことはなんらかの記録をとっておくか、という機運が高まったので突発的行動。 さて、昨日の議題は基本的には平行線の戦いで、エンタメとしては面白くなく、面白さを期待してきた人間からすると期待外れのものとなったろう。 この2人の会話が聞けて懐かしさを感じるくらいのことはあった。 基本的には最後に東浩紀本人が総括したように、言ってしまえば、猪瀬直樹はかつてからマネジメントの人で、大

    • 【読書録】「その謎を解いてはいけない」大滝瓶太

      物語の感想を話すのは暴力的で快楽的で恐ろしい行為だ。 なぜ、評論じみた真似をするのか、と問われればその味を忘れられないからだ。黒歴史もまた、暴力的で快楽的で忘れ難い、そして忘れ去りたい殺人事件のようなものである。 【紹介】【書評】プロフの通り、「その謎を解いてはいけない」は、阿波しらさぎ文学賞を受賞し、異常論文SFを執筆した著者、大滝瓶太の初単著にして、初ミステリである。 「Another」綾辻行人、「Medium」相沢沙呼、「屍人荘の殺人」今村昌弘の表紙を担当している人気

      • 「ブルーシフト」第1回梗概自主提出

        夜空が青くなる、それが青方偏移による宇宙収縮の唯一の証拠だった。2030年の夏、科学者たちはGPSの誤差と天体望遠鏡の観測結果から宇宙膨張が反転し、宇宙が収縮し始めたことを発表した。 その発表以降、世界は一時的に混乱し、人々は世界の終わりが近いと恐怖を感じた。しかし、宇宙の終焉は遥か未来の出来事であり、日常生活にはほとんど影響がないため、人々は次第にこの現象に対する関心を失い、生活を通常通り続けるようになる。 この状況下、中国の巨大宇宙望遠鏡「巡天」で働く楊叮嚀は観測結果

        • ゼロ年代、セカイ系、震災

          セカイ系との決別かと思えばそういうわけでもない。 えいえいてきなもの。をかなりストレートに描くのはらしいといえばらしい。 お話としては最初の段階で、あーはいはいというのがわかるくらいにわかりやすく、この構図そのものは意図的なものなのは間違いなかろう。 空の向こう、約束の場所。を思い出す、男女の立場は逆だが。 場所やキャラクターはかなり具体的な一方で、お話そのものの抽象度は高い。 田舎の少女と都会の青年という構図は様式美にすら感じる。 雨の車のシーンは結構ゾッとした。いい意味で

        万博、文化、物語、大きな物語

          ゲンロンSF創作講座2022第6回実作感想(7作品

          読み切れたものだけですが、記載します。 今回のお題は、葬る、弔う、喪に服す。 必然的に家族的なテーマが多い回でした。 極道會襲名式 長谷川京 MM5(隠語)は良いネタだった、グリフィンドールに50点。 ヤクザとブロックチェーン。この組合せで一本は間違いなし。ヤクザは精々が龍が如くくらいの知識しか無いんで、ヤクザものとしてどうなのかはよくわからないが、画がない分の難しさはやはり感じたかもしれません。 また、物語が現実世界へ行く、その手続きは面白かったですが、そこから先を楽し

          ゲンロンSF創作講座2022第6回実作感想(7作品

          実作どころか梗概も何ともならなかったのでここにネタの墓標を立てる

          Project "Life is a Game to Death"自殺したと聞かされた友人のリィンからメールが届く。 彼女は自殺したのではなく、中国国内で進行中の国家プロジェクトCHINAVERSEのメンバーとして、最初の電脳化した人類の一員として旅立ったとのことだった。 中国、ロシアを除けば現段階では電脳化は自殺とみなされるため、日本に住んでいる史紀はリィンが死んだと伝え聞かされていた。 電脳技術が中国国内で確立されると、その知識を即座に共有し、誰であってもその知識を入手す

          実作どころか梗概も何ともならなかったのでここにネタの墓標を立てる

          ゲンロンSF創作講座第2回実作感想を24日金曜日までに読めただけ書いてく。

          継名 うつみ スキット・スキャット・スキャタラー 梗概時点では、オモシロ言語バトルをやられるのかなと勝手に期待したのですが、そうではなかったですね。 様々な事情を持つ人間が船に乗り込み、その人のエピソードを両替してくれる。そういった所で、アンリは新たな故郷をそこに見いだす。 また、祖母の言語を別星系の言語との恋文としたのは、梗概にはないアイデアでしたね。なるほどおもしろいなと思いつつも、言語を両替してマンション最上階を勝ち取る、といったゲーム的な面白さから外れてしまった

          ゲンロンSF創作講座第2回実作感想を24日金曜日までに読めただけ書いてく。

          「熒惑の信仰者たち」の感想、長谷川京は長編を書け!

          https://school.genron.co.jp/works/sf/2022/students/hasehiro/5651/ この記事は、ゲンロンSF創作講座第2回実作「熒惑の信仰者たち」を読んだ感想です。Twitter上でざっくり感想を述べたところ「くわしくききたいどす」とのお声をいただいたので、以下、やらせていただきました。 お許しください! #1 11000字(D7000 E4000) 登場人物及び世界設定。ここは◎。ただし、書き出しとして妥当かは△かもしれな

          「熒惑の信仰者たち」の感想、長谷川京は長編を書け!

          ゲンロンSF創作講座2022第3回梗概感想

          最小限の噓から最大限の効果をというお題について 最小限の嘘は、文字通り「小さな嘘」としているひと、「最小限の嘘=一つ限りのでたらめ設定」としているひと、分かれてはいましたがみんな答えていたと思います。 一方で、「最大限の効果」についてはなかなか苦戦しているなという感じでした。物語をドミノ倒しに配置するのが、うまくできていた作品は少なかったと感じました。 裏SF創作講座で投票したのは和倉稜「そしてヒトはいなくなった」、長谷川京「エイリアンステイツ・51からの大統領選遊説」、

          ゲンロンSF創作講座2022第3回梗概感想

          ゲンロンSF創作講座2022第2回梗概感想

          やはり、人に読んでもらい感想をもらうのは嬉しかった。 なので、僕なりに梗概の感想を書いていきたいと思います。 まとめファイルは、Twitterにあげたものと同じものです。感想書くにあたってリスト化してました。 どの梗概が一番選ばれているかというのも面白かったですが、最高得点獲得者に天沢時生さんが7回、5作品入っているのが印象的でした。六期生の仮想敵の可能性がありますね… 以下感想となりますが、僕なりに誠意を込めて書いています。 とはいえ、気分を悪くさせるようなことがあれば、

          ゲンロンSF創作講座2022第2回梗概感想

          Netflixのバブルを見たが期待外れだった話

          Netflixで虚淵玄脚本の新作アニメ映画が見れるぞということで、かなりの高まる期待の中で視聴。虚淵玄脚本では楽園追放がBlu-rayBOX買ったくらい好きです。PSYCHO-PASSも好きなので、待望のSF新作という面でも期待していました。 だが、感想としては過去イチでつまらないのではないか。 そのことについてちょっとこれは感想を述べねばなるまいと思った次第。要するに厄介ファンの愚痴なのでお許しください。 崩壊した東京でパルクールバトルアクション おそらく、本作におい

          Netflixのバブルを見たが期待外れだった話