実作どころか梗概も何ともならなかったのでここにネタの墓標を立てる

Project "Life is a Game to Death"

自殺したと聞かされた友人のリィンからメールが届く。
彼女は自殺したのではなく、中国国内で進行中の国家プロジェクトCHINAVERSEのメンバーとして、最初の電脳化した人類の一員として旅立ったとのことだった。
中国、ロシアを除けば現段階では電脳化は自殺とみなされるため、日本に住んでいる史紀はリィンが死んだと伝え聞かされていた。
電脳技術が中国国内で確立されると、その知識を即座に共有し、誰であってもその知識を入手することができるようにした。
史紀とリィンもまたその知識を入手し、大学生ながらに共同チームで中国政府の企画した電脳技術コンテストに優勝した過去を持っていた。中国に住むリィンは即座にスカウトが来たが、日本人の史紀には連絡はなかった。
中国が圧倒的に先行してる電脳化技術の業界に日本が参入することは絶望的であり、欧米諸国も電脳化に反発を示していたことから政治的にも困難だろうとされていた。
 
しかし、電脳化技術は日本でも一部では許可されていた。
政府の研究機関に勤めているナギサは、電脳技術の利用を許されている研究者の一人であり、コンテントの参加者の一人でもあった。
リィンの協力を得て、史紀はナギサに接触する。
史紀のコンテストで発表した技術「生体ネットワークによる生命情報の相互補完」を利用したプロジェクト。
「人生は死にゲー」プロジェクトを考案していた。
電脳化はまず初めに人間の詳細なデータを取得し、情報に変換する。そのデータを巨大なサーバ上で管理し世界を構築するのが中国のCHINAVERSEだ。
日本ではそれだけの容量を確保できないし、電脳化することも許されない。けれど、情報化するまでなら可能だ。
体内に注入したナノマシンを利用して、そのデータを相互にやり取りすることで、個人の情報を全体で共有する。
これによって、情報が共有された人間はたとえ死んだとしても、その情報は生きていることになる。
その情報を新生児に共有するとどうなるか。
人は現実世界でもコンティニューすることができるのではないか。
 
医療用ナノマシンなどの情報技術の発展によって、多くの病気が克服されつつある中で、人類がなお解決できないでいた死因が自殺であった。
データをアップロードすることで、人は現実世界を繰り返し生まれ、死ぬことが容易にできるようになった。

高校を卒業、成人を迎えることで、いくつかの選択肢が与えられる。
進学か、就職か、死んで人生をやりなおすか。 

もはやこれは梗概ではないし、アップロードもできていないのでやはり梗概ではない。

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