MOTHER
7/3(金)公開の映画「MOTHER」。
私の大好きな女優、長澤まさみさんが主演の作品です。
どういうお話なのか全く知らないまま観たんですけど、結構考えさせられる作品でした。
相変わらず、感想を表現できる語彙を持ち合わせていないので、自分が思った通りに思ったように書きます。
これは一言でいうと、母と息子(と娘)が互いに依存しあってだめになっていく様子が描かれている作品。
最初の方のシーンは、周平くん(息子)がまだ小学校低学年の時代を描いているのですが、母はまったく育児をせず、遊びほうけていて。
あ、このお母さんシングルマザーなんですけど、まったく働いてもないんです。
生活保護とか実家とかに頼ってお金をどうにかしているけど、すぐ遊びに使ってしまう、そんな感じ。
そしてごはんとかもまったくつくらなくて、カップ麺にお湯を注ぐのすら、周平くんに指示する始末。
でもそんな周平くんも、母に言われたことはなんでもやってしまうというか。
コンビニにおつかいを頼まれても一人で行くし、母が男について名古屋に行ったときにATMを使ってお金を送ったし、なんでもしちゃうんです。
しちゃうって言ったけど、できちゃうのもすごいよなあ。
小学校低学年で。
こんな感じで、母は周平くんに何でもさせるし、周平くんもやってしまうという関係性なのです。
1、さっき、母が男について名古屋に行ったって書いたけど、周平くんはその時にはもう学校にはまったく行っていない状況だったから、1人でお家でゲームをしたりカップ麺をそのまま食べたりっていう生活をしていました。
本当に、強いな。
それから話は続いていき、周平くんが17歳になるごろまで描かれているんですが、いろんなことが起こるんです。
児相の人が出てきたり、母と名古屋の男と3人での生活が始まったり、周平くんがフリースクールに通い始めたり、妹ができたり。
周平くんが16歳ぐらいの時には就職して、工場で働いたりね。
そして、祖父母を殺して刑務所に入る。
本当に、いろいろなことが起きるんです。
母のいい加減さや態度にとっても腹が立つし、それをも受け止める周平くんに勝手に心が痛んでくる私でした。
私が、周平くんすごいなあって思った瞬間が何度かあって。
まず1つ目は、まだ小学生の頃の話なんですけど。
母と名古屋の男と周平くん3人で2つのベッドで寝ていた時のことでした。
母と男がセックスを始めようとしたんですけど、その瞬間周平くんはそれを察知してお風呂の浴槽の中に耳をふさいでしゃがみ込むんです。
私はそれを観て、こういうことって今までも何回もあったんだろうなあって思ったし、何事もなかったかのように接しているんだな…、小学生で、すごいって思いました。
2つ目は、中学生ぐらいの歳の時の話で。
フリースクールに通い始めて楽しい生活を送っていた周平くんなんですが、あるとき借金取りに追いかけられるからと家を出ることになって。
そのときに、「僕フリースクールに行きたいから、2人だけで行ってよ」というようなことを言うんですね。
私は、今まで母に言われたことは何でもやってきた周平くんが、初めて反抗した様子が描かれてるな、って思ったんです。
やるじゃん、って。
まあけど、結局母に言いくるめられて家を一緒に出ていくことになるので、フリースクールもやめることになるんですが。
最後は結局、母の言うとおりになっちゃうというかね。
けどそれでも、自分の意思を告げた周平くんは少し大人になったな、って感じました。
ただやっぱりだめだなあって思う瞬間もあって。
周平くんは就職して工場で働き始めたので、お給料がもらえるじゃないですか。
だけど、母は働かないので、お金がない生活には変わりなくて。
そんな中、母は周平くんに、お給料の前借をするよう言うんですね。
そして周平くんも、所長のような人にお願いして前借をする。
母に言われたことを何でもやっちゃう周平くんのだめなところが出てき始めます。
それから、前借をしまくった結果、前借できる給料がなくなったので、次にどうしたかっていうと工場にある金目の物を売ってお金にするよう、母が周平くんに言うのです。
そのころには周平くんもだめなこととわかってはいるけど、母の頼みだからと盗みをしてしまいます。
そして話がまた進み、祖父母の殺害に至るのです。
母の実家にもよくお金を借りに行っていたのですが、借りすぎてもう家には来るなと言われていたので、長らくは行っていなかったんです。
だけど、本当にお金がなくて、祖父母を殺したらお金が入ってくるという母の言い分から、周平くんが殺しに行くことにするんですよね。
ただね、殺人は本当にだめだとわかっているからこそ、周平くんにもさすがに戸惑いがあって。
だけど、やっぱり最後は、母の頼みだからと意を決して殺しに行くんです。
これはすぐニュースになったし、すぐに逮捕されましたね。
だけど、ここでも母のだめなところ、周平くんのだめなところがあって。
周平くんはまだ未成年だから、警察の取り調べで、母に言われてやったんだろ?と、何度も聞かれます。
だけど周平くんは、自分がすべてやったとしか言いません。
そして母も警察から、息子に指示しただろと問われますが、私はまったく何も知りません、と逃げるのです。
もうなんでなんかなあ、って思いますよね。
親子そろってだめだなあって。
私ね、この映画を見ながらぼろっぼろ泣いたんです。
ほんと、ぼろっぼろっていう言葉が合うくらいに。
ただこの涙は何の涙なんだろう、同情してんのかな、とかいろいろ考えちゃいますね。
あとね、観終わってから映画のサイトを見たら、これが実話をもとにしているって書いてあって衝撃でしたね。
私が知らないだけで、実際にそういうこともあるんだなあって、ね。
物語の最後の方で、母が言うんです。
私は、息子をなめるように育ててきたって。
でね、思い出したんです。
この映画の始まりのシーンで、周平くんがこけたのか膝をすりむいていて、その傷を母がなめてたってことを。
伏線張りまくってたんですね、これ。
それわかって、ぞっとしたけどおもしろいなとも思いました。
いやこれぜひね、観た人と一緒にいろいろ考えたいです。
1人で消化できるものではない。
実際、この文章書くのにも、かなり時間がかかってるし。
(まあそれは、私の力不足が大半を占めるけど)
親子のあり方ってどうなんだろうなあ。
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