平林緑萌

編集者。合同会社志学社代表取締役。写真は飯本貴子さんに撮っていただきました。漫画原作や文筆は草香去来(https://twitter.com/kyorai_kusaka)名義でやっています → https://amzn.to/2Bmpwcm

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  • 平林緑萌の歴史雑記

    編集者・平林緑萌の歴史に関する随筆集です。単体でもお買い上げいただけますが、継続購読の方がお得になっております。内容的には中国古代史や日本古代史および中世史、文化人類学などが中心になると思います。

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    2023年からぼちぼち書き始めた雑記のまとめです。無料ですが。投げ銭嬉しいです。

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    歴史雑記のなかから「張良雑考」だけを見つけやすくまとめたものです。

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    うつ病・睡眠障害当事者である僕の書いた関連記事をまとめたマガジンです。

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    右上腕骨嵌入骨折顛末記。

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系譜はなぜ伝えられたか──桜井茶臼山古墳と闕史八代

 歴史雑記147 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  どうも2023年は日本古代史にとって記憶される年になりそうだ。  富雄丸山古墳に続き、こんどは桜井茶臼山古墳で、副葬されていた銅鏡の数が100面を超えることが判明したのである。  桜井茶臼山古墳での発見については、まず下記の記事をお読みいただきたい。  そのうえで、今回は記紀の保存した系譜について考えてみたい。 なぜ系譜の話になるのか  どうして古墳の話から『古事記』や『日本書

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    • 秦末反乱と人口増加

       歴史雑記178 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています)  戦後日本で急激な人口増加(いわゆるベビーブーム)が起きたことはよく知られている。  現在の歴史人口学では、ベビーブームを戦時中に失われた出生が遅れて取り戻されたものと捉える。  出征によって出生が失われた───と書くとなにやら冗談のようだが、たとえば1943年(昭和18年)に斎藤茂太(茂吉長男)と結婚した美智子の『感謝する人』(講談社、1997)には、  同様のことは、歴史上で幾度もくり返され

      • 論じにくいテーマについて

         歴史雑記177 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています)  最初に断っておくが、私は文学部の出身であるから、 ここで書くことはいわゆる人文科学の、それも全部については言えないかも知れない。  しかし案外、他の文野についても同様なことが言えるかも知れないから、理工系とか、お医者さんとかもこの文章は最後まで読んだほうがよい。  さて、何かを論じる──なにがしかの根拠を持って──というのは、なかなか大変な営みである。  なにしろ、自分の主張をして、それを世に

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        • 一文字ずつ訓む

           歴史雑記176 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています)  私の専攻は東洋史学で、かつ古代をテーマに選んだから、漢文は必然的に読まなければならない。  そもそも東洋史学専攻では漢文講読の単位が必須であるので全員がそれなりに漢文を読めねばおかしいのだが、そこは悪い意味で大学らしくちっとも読めない学生もいる。  あれは三回生の史科講読だったと思うが、H先生の講読で『旧唐書』(クトウジョ、と訓む)を読んでいた。  その頃には宦官と戦って返り討ちにあった文宗が

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          ことばと文字の関係について

           歴史雑記174 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています)  ずいぶんと大きなテーマをぶちあげてしまったが、もちろんこの表題のようなことが私に書けようはずもなく、ゆえにごく一部だけを記す。  文字、そして文章を書くことは、こんにちではそう大したことではないと思われがちであるが、実はなかなか大したことである。  この文章を読んでいる皆さまも大いに誇ってよい。  歴史的にいって、文字とことばのどちらが先にあったかといえばもちろん後者である。  いまなお無文字

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          ことばと文字の関係について

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          「版元日誌」に寄稿しました

           久しぶりに単なるお知らせ記事です。  版元ドットコムの「版元日誌」というコーナーに寄稿しました。  これまでやってきたこと、これからやっていくこと、現状認識などを雑駁に詰め込んだ文章ですが、よろしければご一読いただき、いいねしてシェアしてください。  よろしくお願いいたします。

          「版元日誌」に寄稿しました

          日記、手帳、ノート

           歴史雑記173 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています)  ワープロ登場以前の作家たちの書いた自作解説、あるいは作家研究などを読むと、頻々と登場するのが手帳や日記、創作メモなどのたぐいである。  当時の作家たちは、いまと違って、その場、その日ごとに記録するための手段は、基本的に自分の手で記さねばならなかった。ゆえに、携行する手帳を紛失したり、戦災で日記を焼かれてしまうことは、実に大きな損失であった。  いまでいえば、クラウド上にあるものも含めて、データが

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          「騎馬民族征服王朝説」について思うこと

           歴史雑記172 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています)  ついこの間読んだ本の解説に、「思想とは自分の感覚を他人に押し付けることである」という一説があった。  当否は別にして、うまく言うものだと感心したのだが、私の騎馬民族征服王朝説(長いので、以下「騎馬民族説」とする)にかんする感想もこれに近いものがある。  もとより、学説としてはとうに否定されている(というかそもそも成立していないという批判がありその通りである)のだが、提唱者の江上波夫がずっと曲げな

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          「伝統的出版市場」がそれほど伝統的でないことについて

           歴史雑記171 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています)  こんな記事が出ていた。  この記事じたいになにか含むところがあるわけではないのだが、出版に携わる人たちのなかでも、案外出版史に興味を持つひとは少なく、したがって現在のような大手取次を通した流通や、取引条件についてもどのように生まれていったのかはあまり知られていない。  今回はそのあたりについて少々書いてみよう。

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          中国で書店はいつできたのか

           歴史雑記170 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています)  思うところあって、今月からは随筆ふうに記していこうと思う。  もとより、「雑記」であるからして読者諸賢は私を許すべきである。  さて、今日は「書店」がテーマである。  いったい、現代日本においてはもう四半世紀以上にわたって出版不況が叫ばれており、みんな喉を枯らしてガラガラになった声で「出版が危ない」「書店がなくなる」と言っている。  しかしながら、そういうふうに言っている人たちが、ひとり出版社

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          あらかじめのお詫び

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          7月のお詫び

           あと2本準備をしていたものの、満足のいく形で公開できなかった。  来月はきちんと月の前半にも更新することを誓います。  (ヘッダは国栖や葛で有名な吉野の吉野川)

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          似たようなもんでも捨てたらあかん文化財

           歴史雑記169 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  奈良県の山下知事の発言が話題となった。  下記のリンク先等で詳細が読めるが、要するに「似たような民具がいっぱいあるから、整理して数を減らすべき」ということのようである。 県立民俗博物館 山下知事“保存資料の廃棄も検討”  今回は、なぜこれらを捨ててはいけないのか、「似たようなものがたくさんある」ことがどんなメリットを生むのか、という話をしていこうと思う。  なお、私は現代日本にお

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          歴史と伝統の竪穴住居

           歴史雑記168 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  このマガジンのネタは、普段からiPhoneのメモに書き留めていてる。  移動中や隙間時間に肉付けをして、最終的にPCで綺麗にしてアップ……ということが多い。  ただ、メモをしたときに考えていたことを忘れることもある。  今日はそういうネタなのだが、メモには「歴史と伝統は大切だけど、あなたは竪穴住居に住めんの?」とあった。  たぶんなにかに腹を立てていたのだと思うが、なにに腹を立ててい

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          山開き前に山に登るな──「近代的登山」以前

           歴史雑記167 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  富士山で立て続けに事故があり、計四名が命を落とした。  まだ詳細はわからないが、これが山開き後であれば、助かった可能性は充分にある。  私の親類にも山男がいるが、日本アルプスで滑落した際、すぐ後ろに看護師さんを含むパーティがいたために命拾いをした。その幸いもシーズン中の登山であったためである。  今回は、そもそも山というのは通常の場所でなく、山開きにも特別の意味があることを改めて確認

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          世の中は古文漢文ブームであることについて

           歴史雑記166 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  古文漢文不要論は、X(旧Twitter)に代表されるSNSでもときおり話題になる。  だいたいは、それなりの社会的地位にある人(政治家など)がそういうことを言い、半分くらいは炎上し、とはいえそこそこ賛同者も集まる……というような感じになることが多い。  意見のすれ違いというか、世界観の違いは容易に埋まるものではないので、「やっぱり、世の中には古文漢文が不要だと考える人もいるのだな……

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