平林緑萌

編集者。合同会社志学社代表取締役。写真は飯本貴子さんに撮っていただきました。漫画原作や文筆は草香去来(https://twitter.com/kyorai_kusaka)名義でやっています → https://amzn.to/2Bmpwcm

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    • 平林緑萌の歴史雑記

      編集者・平林緑萌の歴史に関する随筆集です。単体でもお買い上げいただけますが、継続購読の方がお得になっております。内容的には中国古代史や日本古代史および中世史、文化人類学などが中心になると思います。

    • 張良雑考まとめ

      歴史雑記のなかから「張良雑考」だけを見つけやすくまとめたものです。

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      うつ病・睡眠障害当事者である僕の書いた関連記事をまとめたマガジンです。

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      右上腕骨嵌入骨折顛末記。

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    章邯考①──「刑徒二十万」は兵となったか

     歴史雑記048 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています)  秦に名将の多かったことは、『史記』のよく伝えるところである。  白起、王翦、蒙恬など列伝のある人物はもとより、白起の少し前の世代にあたり、蜀を滅ぼした司馬錯や、「変法」という虚構で知られるが実際は対魏戦線で活躍した商鞅など、枚挙にいとまがない。  そんな名将たちの掉尾を飾るのが、陳勝・呉広の乱を半年で鎮圧し、項梁を討ち取った章邯(しょうかん)である。  今回から数回にわたり、章邯について書こうと

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      • 凍結解除されました

         えー、唐突に本垢が解凍されました。  お詫びのメールとかはありませんでした。  何が何だか分からないひと月半だったぜ……。

        • 今月読んだ本_004──『調べる技術』/『不倫』/『村の社会学』/『越境の中国史』

           歴史雑記135 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  「今月」というタイトルになっているが、これは仕様上のものであり、実際は2023年2月に読んだ本、ということである。  要するに先月間に合わなかったわけであり、よって今月末にはもう一度「今月読んだ本」が更新される見込みである。  なんやかやと多忙を重ねているのだが、それでも先月は10冊以上読んでおり、3冊選ぶのはなかなか難しかった。加えて冒頭に、前から書く書くと言って書いていなかった『

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          • 「小の月」許すまじ

             歴史雑記134 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  本来ならば、「今月読んだ本」とあともうひとつ、記事を更新するはずであった。  しかし、仕事ではないなんやかんやが積み重なり、それはなんとかさばき切ったものの仕事への影響は甚大であり、ダメージコントロールをしているうちに月末を迎えてしまった。  2月がせめてもう1日あれば……ということこだが、あいにく現行の暦では28日までしかない。  怒ったところでしかたないのではあるが、「小の月」へ

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            僕たちは木簡を読んでいる

             歴史雑記133 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  少し前に、「木簡を読んでいると院を出ても就職できない」みたいなツイートがバズって、タイムラインが荒れたことがあった。  そのときは端的に馬鹿馬鹿しいと思ったのだが、こういうのはなぜ馬鹿馬鹿しいのかをちゃんと説明しなければならない。  よって、この記事を書くことにした次第である。  いったい、広義の「木簡」の中身は色々である。  素材も中国では竹が多い。「竹簡木牘」と言うが、竹の場合

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            Twitter永久凍結、避難先

             119  えー、Twitterの本垢が永久凍結された。  「慎重に審査した」結果だそうだが、要するに誤BANであり、異議申し立てをしている。  しかしながら、これを書いている2023年2月4日夕刻の時点ではまだ凍結されたままである。  ひとまず、避難先としてゲーム用のアカウントを利用しているので、ここにも書いておく。 なんとかならんものかと思い、凍結されたアカウントからTwitterBlue(有料サブスクサービス)に申し込んでみたところ、普通に決済された。  そして、

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            今月読んだ本_003──『大塩平八郎の乱』/『新説 家康と三方原合戦』/『中国の伝統色』

             歴史雑記132 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  Twitterをご覧の方は先刻ご承知かと思うが、今月は最後の10日間、ほとんど抜け殻になってしまい、いまもって全然ダメな状態なのだが、しかしてそんなことはマガジン購読者とは何の関係もないのであって、購読いただいている限りにおいてはきちんと更新しなければならない。  そんなわけで、3日連続更新でなんとか毎月頂戴している分をお返しせんとしているわけだが、今月も最後は歴史関係の本からよかっ

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            謎の「高祖十二年六月」──『史記』功臣表の原史料はなにか 

             歴史雑記131 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  このマガジンでは何度も書いてきたけれども、戦国秦から前漢武帝期までの暦では、九月に歳が改まっていた(顓頊暦、九月歳首暦)。  この計算のややこしいことは以前述べたので端折るが、今回もこの暦が少し関係してくる話になる。 高祖・劉邦在位の数え方  劉邦は戦国〜統一秦の暦を踏襲して用いた。  ゆえに、彼の在世中も歳は九月に改まる。  ただし、注意しなくてはならないのは、「高祖◯年」とい

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            欲望と「道教」的なもの──やっぱり仙人になるのは難しい

             歴史雑記130 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  「仙人になりたい」と言っていた、若くてかわいい女の子がいた。  彼女が興味を持っていたのは、不老(不死)、本草学、養生術、東洋医学などだった。  ながらく「学問的な態度」で以て、「道教」やら「神仙思想」と自分との関係を調整していた僕にとって、若くてかわいい女の子が「学問的興味の対象」≒「世間的には堅苦しくてつまらんもの」に興味を持つなんて、と驚いた記憶がある。 欲望の系譜  ただ

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            今月読んだ本_002──『孫子──「兵法の真髄」を読む』/『人類の起源』/『フーゾクの現代史』

             歴史雑記129 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  今月はかなり多忙だったが、対面講義や対面打ち合わせが多かった(幸いコロナにも感染していない)ため、移動時間に読書を進めることができた。  あまり知られていないが、12月は出版業界的に「強い弾」が出る月で、積みが増えていくだけの僕にはなかなか辛いものがあるのだが、それはそれとして今月読んだなかから、歴史関係のものかつ、おすすめしたいと思うものを紹介しよう。 渡邉義浩『孫子──「兵法の

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            秦は西暦何年に滅亡したのか

             歴史雑記128 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  某編集者から、「秦の滅亡年が辞書によって異なるんだけど、どれが正しいの?」という質問をもらった。  最初にギャラの交渉をしなかったので、その質問への回答と、手順および考え方についてここに記すことにする。  なお、西暦では前207年、前206年のどちらかで記載されている本が多く、結論から言えばこれはいずれも間違いではない。  それ以外の西暦年が記されている場合は、その本が間違えているか

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            書庫追想──とじる/ひらく

             歴史雑記127 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています)  この記事はほんとうの雑記なので小見出しなどはない。  この何ヶ月か、ある大きくて古い──要するに大手である──出版社の書庫に出入りしている。  その書庫が入っているビルは神保町の一角にあるのだけれども、靖国通りやすずらん通りに向かって「開いて」いる古書店、あるいは専門書店などとは異なり、存在をほとんど知られることなく「閉じて」いる。  ごく限られたカードキーを持つ者だけが、その空間に侵入し、蒐

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            今月読んだ本_001──『古代日中関係史』/『奈良時代』/『中国文明を読む』

             歴史雑記126 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  今月から、月末に読書記録を兼ねて本の紹介をしていくことにした。  僕は仕事上の必要性もあってそれなりの冊数を読むので、そのなかから特に紹介したいものを選んで記すことにする。  文脈があって読んでいるので、新刊と既刊が入り混じったり、似たテーマについての本が固まる可能性はある。  また、「歴史雑記」と銘打っているので、歴史に関連のあるものだけを紹介する。  それ以外に面白く読んだものは

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            「越」は滅亡したのか

             歴史雑記125 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  今回のお題は非常に難しいので、最初に考証がひどく煩雑になる旨を申し述べておく。  なお、以前も関連する記事を書いたことがあり、一部重複するので以下に挙げておく。  さて、それでははじめよう。 越の滅亡  教科書的な理解では、春秋時代に興起した越は、呉との争いに勝ってこれを滅ぼし、しかしながら前4世紀末に楚によって滅ぼされたことになっている。  越の滅亡に関する史料には、『史記』

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            実家で雑に使われる懐かしのマグカップ──人に見せる用日記2022年5月よりぬき

             これが最後の更新である。  内容は2022年5月のよりぬきといつも通りわらびの写真である。  それなりのボリュームになったので、なんとか言い訳が立ったと思う次第である。  それでは最後の日記、お楽しみください(?)。 日記 5月1日(月)  今朝の夢。  中学校の同窓会が海辺の鄙びた旅館で行われ、また中学時代好きだった女の子が出てきた。  お互いのいまのステータスを言外に探るようなぎこちない会話を交わした。  夢の中の彼女は若いままだ。僕はだいぶんくたびれた。  メー

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            咸陽はどうなったのか問題──劉邦軍・項羽軍の所業、長安との連続性

             歴史雑記124 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  咸陽といえば秦の首都である。  戦国後期には圧倒的な軍事力を誇り、ついに統一を達成した国家の首都であるから、さぞかし繁栄したことであろう。  とはいえ、往時の咸陽についてはよくわからないことが多く、「項羽が阿房宮に放火して三ヶ月燃え続けた」という俗説がなんとなく受け容れられているのが実情である。  そもそも、『史記』には一言も項羽が焼いたのが阿房宮であるとは書いていないのだが、ともあ

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