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みだれ髪の読書記録:2023年5月15日~6月16日(忘れる読書、沈黙のパレード、ケルトの解剖図鑑他)

この期間に読んだ本は、以下の7冊。
そのうち3冊はすでに記事を書いているので、今回新たに書くのは4冊。

①『忘れる読書』 by 落合陽一

タイトルだけで何となく買ってしまって、積まれていた本。
「内容忘れちゃってもいいから、たくさん本読もうね~」的な緩い本なのかと思ったら、全然違った。
タイトル通りの内容が書かれているのは、第2章の1部分だけ。

ウエブで調べれば十分な知識は、記憶しておかなくてもいいと私は思います。必要な時に調べればいいからです。
これからの時代、クリエイティブであるための知的技術は、読後に自分の中に残った知識や考えをざっくり頭に入れ、「フックがかかった状態」にしておくことです。なんとなくリンクがついているような状態で頭の片隅に残しておけば、いずれ頭の中を「検索すれば」わかるからです。
そうするためにも、何かを読んで知識を得た時、適度に忘れていくことが大事なのだと思います。
(中略)だから、私はあえて、読書ノートやメモを取ったりはしません。(中略)私自身は昔から、本は気楽に読んで一度忘れるということを繰り返してきました。今ではむしろ、「忘れっぽい」ことが強みだと思うようにしています。本全体の10%くらいが、頭に残るくらいでちょうどいい、というのが私の感覚です。

すごく納得!なのだけど、実際には、読んだ本の1割覚えておくことは、かなり難しい。数年たつと、読んだかどうかすら忘れてしまったりするし。(笑)

さて、その他の部分は、どんな話が書かれているか、というと、著者がおすすめの本を、かなり詳しく、紹介している。
ただの羅列ではなく、どういうわけでその本を気に入っているか、とか、そこから関連していろんな話に飛んだり、とか、読んでいてなかなか面白い。そこから著者の興味や人生観までも伝わってくるようだ。
内容は難しいとこともあるけど、重要なところを太字にしてくれたりしていて親切だ。

メモは取ってないので、定かではないが、50冊以上の本が紹介されていると思う。その中で、読んだことがある本はわずか2冊くらいしかなかった。読みたいと思っていても手を付けてない本が数冊、この本を読んで、興味を持った本が数冊あったが、このパーセンテージで行くと、あまり趣味は合わないのかな。
私には難しすぎる本が多いのかもしれないが。

②『神社の解剖図鑑』by 米澤貴紀

1月に神田明神に初詣に行ったとき、お土産に買った本。
全国の有名な神社を紹介しつつ、神社の構造について(例えば、鳥居の種類だとか、狛犬の種類だとか)、催事やエピソードなどが盛り込まれ、1600円だから、お高くはないかな、と思った。写真は無くすべてイラスト、カラーではなく、黒と赤のみの彩色も、神社のイメージに合っていると思った。
が、ちょっとこの本は失敗だった。

実際、読もうとすると、字が小さく、細く、読みにくい。特に赤字のところはお手上げ。
神社で売っている神社の本だけあって、内容は正確だし、情報量もすこぶる多い。が、情報量が多すぎると、わかりにくくなるものである。

それでも、どこかお目当ての神社について集中して読んだり、何か知りたいことがあって、そのことについて書いてあるページを読めば、ためにもなるし、そこそこ面白いのだが、索引がないので探しにくい。
うしろに「掲載神社データーリスト」があるのだけど、掲載順に載っているので、ページをパラパラするのと変わらない。これが、あいうえお順になっているか、地域別になっているかすればよかったのに。残念な本である。

③『The horse and his boy(邦題:馬と少年)』by C.S.LEWS

今年の洋書3冊目。
The chronicles of Narnia』(ナルニア国ものがたり)の5冊目。
これは、すでに記事を書いた。

④『フランスの高校生が学んでいる10人の哲学者』 by シャルル・ぺパン(訳 永田千奈 草思社)
これも記事を書いた。

⑤『沈黙のパレード』 by 東野圭吾

東野圭吾の本は11冊目。
ガリレオシリーズとしては3冊目。

静岡のゴミ屋敷の焼け跡から、3年前に東京で失踪した若い女性の遺体が見つかった。
逮捕されたのは、23年前の少女殺害事件で草薙が逮捕し、無罪となった男。だが、今回も証拠不十分で釈放されてしまう。
町のパレード当日、その男が殺されたー容疑者は、女性を愛した普通の人々。彼らの“沈黙”に、天才物理学者・湯川が挑む。

裏表紙

ガリレオ」シリーズでは、警察官の草薙が、物理学者の湯川に事件の推理を頼み、真相の解明に持ち込む、というのが毎回のパターンであり、今回もその線だ。
また、パレードという人が大勢いて殺人者が紛れてしまいそうな場所の設定というのは、「マスカレード」シリーズに通じるものが。

トリック自体は、一般人には到底思いつかないが、動機とか、怪しい人物とか、アリバイ工作といったことは注意深く読んでいれば、結構ちりばめられている。
この雰囲気では、「人間ドラマ」重視の東野ワールドもここまでか、と思いかけたが、やはり最後にひとひねり。
この作品だけでも十分理解できるが、シリーズのほかの作品を読んでいると、ああ、あの事件のことを言っているな、とわかる部分もあり、より楽しめる。

⑥『路地裏の大英帝国』 by 角山榮・川北実 (平凡者)
これも記事を書いた。

⑦『ケルトの解剖図鑑』 by 原聖(きよし)

SOMPO美術館のブルターニュ展に行って、つい衝動買い。
でも、買って正解だった。
ぼやっとしたケルトのイメージがこの本を読むとつながってくる。

1.ケルトとは何か
2.ケルトの国と地域
3.ケルトの文字と言葉
4.古代ケルト文化
5.ケルト人の生活と社会
6.ケルトの信仰と神話
7.ケルト的修道院文化
8.アーサー王伝説
9.ケルト復興

あっという間に読んでしまったけど、もう1度メモを取りながら再読しようと思っている。
でも、図書館本と違って返却期限がないと思うとなかなか。(笑)

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