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デザインで世界を変えられるって信じていないけど今日もデザインをしてる
デザイナーをしている。
職業デザイナーだ。
デザイナーって仕事をしてる人の中には、デザインで世界を変えられるって信じてる人がいる。有名な雑誌に登場して、キラキラした顔で夢を語る、希望の星みたいなデザイナーは一部の世界の人間だ。
私はというと、完全なる職業デザイナーだ。
子どものころの夢が大人になるにつれて変わることがみんなあったと思うけど、私も人並にあった。
食い意地を発揮してケーキ屋さんを目指していた幼少期。
夢を目標っていい出して教師を目指していた高校生の頃。
たくさんの夢を諦めたり手放したり嫌ったり憧れたりしてきた。
それなりに悩んで今の職についている。
今は平均労働時間12時間。
仕事の時間が生活の時間の半分くらいを占める生活をしているけど、ちがう職だったらどうなっていたのかと思うことがよくある。
深夜に出来上がらないデザインを眺めながら、途方に暮れている、そう、今みたいな瞬間、ふと考えてしまう。
例えば、会社の経理処理の書類を一夜で処理しなきゃいけなかったら?
例えば、明日10件クライアント先を訪問しなきゃいけない営業マンで一夜で資料をまとめていたら?
デザインでしか仕事で徹夜をしたことがないけど、デザイン以外の仕事で徹夜をしていたら発狂していたんじゃないかと思う。
このくらいの温度感で働いている職だけど、もう6年やっている。
自分の作ったものが誰かに影響は与えてしまうもので、誰にも響かないなんてことはないって最近は思ってる。
世界を変えられないし変えたくもないけど、誰かのなにかに影響は与えてしまう。
誰かがなにかを選ぶ瞬間の、頭のどこかに、私の作ったものの影響があるかもしれない。
デザインで世界は変わらないけど、WEBや紙の中、小さな世界の秩序は決められて、情報を受け止める人がいる。
その影響が大きくなると世界を変えるという表現が合うようになるのかもしれない。
私の夢はよくわからない方向に行ってここにたどり着いた成り行きデザイナーだけど、人が選択をポジティブにできる後押しができたらいいとは思う。
私も作ることで変わるかもしれないし変わらないかもしれない。
世界と人と小さな影響を与えあって生きていけばいいと思う。
さて、今日も納品がある。
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