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大河ドラマ「光る君へ」第6話〜和歌を考察する

こんばんは、もちまるです。

今日は大河ドラマ「光る君」第6話の感想です。
今回は、和歌をキーワードにドラマを振り返りたいと思います。
ネタバレありますのでご注意ください。

まず、一つ目の和歌。

嘆きつつ ひとりぬる夜の 明くる間は 
いかに久しき ものとかは知る

『新総合図説国語』から引用

(現代語訳)
あなた(兼家)が来ないのを嘆きながら、独りで寝る夜が
明けるまでの間はどんなに長いものであるかをあなたはお分かりでないでしょうね

『新総合図説国語』を参考

主人公まひろが、源倫子たちの勉強会にて、
『蜻蛉日記』について話す場面がありました。

その際に、登場したのがこの和歌。

この和歌は、『蜻蛉日記』の作者道綱母が『蜻蛉日記』の中で、
詠んだ和歌とされています。

この和歌は、百人一首にも収載されているので、
ご存知の方も多いと思います。

前回の感想で、『蜻蛉日記』は、
一夫多妻制による女性の哀しみを描いているという話をしました。



しかし今回ドラマの中でまひろは、
『蜻蛉日記』はむしろ当時の権力者兼家の妻になった事を
誇りに思って書いていたのではないか、というような発言をしていました。

なるほど!そういう見方も出来るのか。
目から鱗でした。

でもよくよく思い出してみれば、大学で勉強していた時、
先生がそのような事を言っていた気がするなぁとも
思えてきました。

どのような意図で書かれたか、
今のように作者にインタビューする事も出来ませんし、
本当の意味での執筆の意図というのは分からないのです。

ただ、「分からない」からこそいくつもの解釈が存在する訳ですし、
その分、様々な視点から文学を楽しめる。

それが、古典文学の醍醐味であると私は思っています。


意外な場面から、古典文学の楽しさを思い出させてくれる
きっかけをもらった気がします。

続いて次の和歌。

ちはやぶる 神の斎垣も 越えぬべし
恋しき人の 見まくほしさに

https://artexhibition.jp/topics/news/20240211-AEJ1855379/を参考

こちらは、ドラマの中で道長が主人公のまひろに宛てて詠んだ歌。

愛しいあなたにお会いしたくて、
越えてはいけない神社の垣根も越えてしまいそうです

と言った意味のすごいラブレター!

こんな内容の和歌を贈られたらドキドキしてしまうではないか!
と少しときめいてしまいました。

こちらの和歌は、『伊勢物語』を参考にしてあるようです。
以下の記事で勉強しましたので、詳しく知りたい方はご参照ください。

この和歌を見た時、なんとなく『源氏物語』に似たニュアンスの
何かがあるのを思い出しました。

何の部分か調べてやっと辿りついたのが『源氏物語』「賢木」巻の以下の部分。

変わらぬ色をしるべにてこそ斎垣を 越えはべりにけり
(榊の葉の変わらない色を私の心の証として神社の垣根を越えて来ました)

六条御息所に会いに、光源氏が野宮に会いに来る場面です。

光源氏は、越えてはいけないと言われている神社の垣根を越えて、
御息所に会いに来ています!

少しニュアンスが、先程の和歌に似ていますよね。

そういった部分でもドラマと『源氏物語』がリンクしているようで嬉しいです。

「賢木」巻は卒論でも扱った思い入れの強い巻。
とっても懐かしいです。

今日はとってもディープなお話になってしまいました。
コアなお話ばかりですみません、、

今回、記事を書くにあたり色々と調べ直しました。
久しぶりに学生に戻ったみたいでとても楽しかったです。

他にも書きたい事はありますがこの辺で…

最後までお付き合いいただきありがとうございました😊

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