マガジンのカバー画像

13
バンドをやっていたり、ひとりで歌ったりもします。その時に出来た、つくった歌詞の集まりです。 曲のついてないものが多いですが、曲がついた詞もあります。 自分のつくった詞がどこまで人…
運営しているクリエイター

#曲付けOK

ものばかり

大ぶりなネオンと笑い声で満たされた深夜の繁華街
何も考えてなさそうな幸せな顔をした奴らばかり
でもこの路地を裏手に回れば輝きと裏腹のはきだめを
なかったことにして避ける先進国とはその名ばかり
毎日どこかで人が人を殺し、知らない誰かに祈り捧げ
産んだかと思えばすぐにゴミ箱へ投げ捨てる希望の薄明かり

この白々しい騒がしさに全身を染めることもできずに
だからといって真っ向から戦う勇気もなく人を憚り

もっとみる

ストーリーテラー

午後の天気 晴れ時々くもり、乾燥に注意 瞬きの間の月曜日
そぞろな火曜日 娯楽の少ないこの町で 退屈なのかもわからない毎日

この季節の空は大体鉛色だから 押しつぶされないようにこんな話を
そうやって話す前から笑わないで 今世紀最大のアイデアを

今日は君にこの話をしよう とっておきの滑稽な
笑われ笑った昨日のことを アレンジをして届けよう

崩れた縁石 タイミングの押しボタン式信号機 早退でもす

もっとみる

海の部屋

ガラス越しドアの窓から覗く ブラインドが閉まった君の部屋
ちょっとつま先をたてて覗く 静まり返った部屋が、水で満たされた海のようで

開けたら闇に飲まれそうで ここで黙ってみていた
入るとおぼれてしまいそうで ここで黙ってみていた

君が泳いでいる こっちにおいでと 僕に誘いかける

真夏の湿度が外の僕を包む
この部屋だけは海の底のように冷たく孤独で
アクアリウムのように君がおどる
もう会えない君

もっとみる