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女帝小池百合子★4【10冊読むまで帰れま10・6月③】

「女帝小池百合子」石井妙子【評価4】

※評価はmoaiの独断と偏見で5段階評価

小池百合子がカイロ大留学から、いかにのし上がっていったかを記す、貴重なノンフィクション。ルポライター石井妙子氏の渾身の力作。令和に現れた奇書とも言える。こんなに気分悪い読後感の本に出会ったのは久しぶりだ。これは著作をけなしたわけではなく、最大の褒め言葉だ。

この著作に価値を生み出しているのが、カイロ時代の小池百合子の同居人・早川さん(仮名)が名乗り出てきたことである。

早川さんの告白を軸に、ストーリーは進んでいく。
小池百合子がカイロで全く勉強していないのが分かる。そんな同氏がどうやって、成り上がっていくのか。

テキ屋然とした父・勇二郎から受け継いだ、物事を大きく見せる技術、それはつまり、ホラ吹きの技術を受け継いだ、ということになる。

文中の印象的なフレーズを引用する。

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小池百合子が長けていたのは、メディアを通じて自分を大きく見せる方法。裏を返せば、相手を見て喜びそうなことを返せる技術がしっかりしている、ということ。

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イカロスの翼と、言うけれど。溶けないところで飛んでしまえば、誰も文句は言えない。積極的に自分の姿を大きく見せて、使えるものは何でも使う。

まるで女版ヒトラー。

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写真はなかなかでてこないが、小池の右頬にはアザがあるという。その唯一無二の事実を使って、石原親子を切り返す。

こうなると、何でも使ったもん勝ち。

それが小池百合子の強み。

だが、読んでるとムカムカする。

あー、ムカムカするけど、面白い。



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