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#詩
十一月二十六日(金)[詩]
彗星の彼が怪人だったにしても
小惑星のあいつらは名誉毀損で
これが恋ならヒトは孤独過ぎる
バスは右側で全然いいよと言う
金木犀の彼女は夜景を見なくて
やはり私は子どもであるようだ
いい加減軌道に乗ろうとぼやくと
ブラウン運動のあなたも好きだよと
言って笑う彼女はやはり天体なのだった
たしか劇を観た帰りにバスの中で書いてた気がします。
【詩】温かな泥と祖霊崇拝について
異国語で形容されていく風景たちが、窓辺で色合いを失い青みを強めていく過程で、泥濘がわたしたちを溶かしてゆく。温めたマグカップに入れた砂糖菓子。いつだったかの祭事で、同じように溶けていった先代たちの眼球を身体の下に発見し、わたしたちはそれらにそっと触れる。まったく知らない語族の語群はただの記号でしかなく、泥の中で偏と旁の結合がほどかれ、助詞たちはするすると文脈から逃げだすのだと聞いたことがある。泥
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