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幽霊

夕方の駅前の路地の幽霊、しかし我々を形づくるのはつねに半透膜であるから、坂道の商店の曇ガラスに透けながら映り込んでしまう。皮膚表面の微小な穴を透過せよ、領主がひとり静かに晩年を送ったあの城でおまえがそうしたように。冬の街に鮮やかなものはおまえの虹彩だけとなる。

ミクロ的な視点の切り替えみたいなのを入れてあげるとちょっと楽しくなる。気がする。

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