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thanksgiving [詩]

thanksgiving


 ひどくゆるやかなうみなりをきいて ぼくは ぼくのちちとははについてかんがえることをやめた さいしょに遡上してくる雲のきざしにきづくのは丘陵地帯のひとびとで かれらは春を夢見てねむるという いずれ壊れてしまう発電機をえがこうとすると 南へむかうわたりどりが (どうしてだかはしらないが) 魚群たちは翳り 貝はうみそこでうたうのだと 鳴いて ぼくは ぼくもまた ふゆのための睫をもたず 耳殼が 風をとらえてははなさない理由も しらずに

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