数学嫌いが増えた功罪

TV番組で、「城郭研究家になりたい」という小学生に対して、「建築学、土木の知識や、考古学、古文書の知識、歴史地理学など複数の学問が必要で大学で学びを広げてください」と専門家の方が回答されていました。
見ている方もとても勉強になったのではないでしょうか。

けれども、現実的には、将来やりたいことと学校の勉強がどのように紐づくのか、なかなか教えてもらえないもの。そのような中で、学校で学ぶ教科と仕事との関係をワークショップで体験してもらう活動を行う、Japan Education Labの模擬講義を体験する機会がありました。学び場ラボ 模擬授業「5教科を学ぶ意義を言語化する」

印象に残ったのは、数学が仕事で役立つという方が多いが、数学は苦手だという方も多かったということです。


数学は数字の計算だけでなく、全体の中での割合を考えたり、立体的にものごとを考えたりする場面等でも使っています。プロジェクトの全体を把握することや、空間設計や商品設計で図形を想像しながら考えていくなど。そのため、採用の場面の適性検査にもそれらの項目が含まれていることが多いですよね。


けれども、学生時代に数学が途中で分からなくなったり、興味を失ったりしてしまうケースも少なくないのではないでしょうか?子供にとっては、普段の生活と結びつけにくいこともあるし、先生方も生活と結びつけては教えてくれないからです
。そうして、数学が苦手だからと文系を選ぶということもあるのかもしれません。


数学でつまづいたり興味を失った時に、こんな考え方もあるよ、仕事にこのように役立つんだよと伝えて、かみ砕いて教えてくれる場があれば違っていたのかもしれません。

そうして、数学好きな人たちが増えていたら、どうなっていたのでしょう。


日本では、STEM(サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、数学)教育が海外に比べて遅れているという現実もあります。
学校現場だけでなく企業や団体や地域のかかわりで、変わってくることもあるのだと実感できた時間でした。大人が、学び直しても得るものがあるのではないでしょうか?


参考記事:waffle ジェンダーギャップ指数にみる女子STEM教育の重要性

    forbesjapan「女子のSTEM教育」に潜む偏見