就活で最初に狙うのは大企業がよいワケ

時期的にも、就職活動に忙しくしている大学生も多いのではないでしょうか。こうしたまとまっていろいろと準備できる際には、普段じっくりと考えられないことを考えてみる良い機会です。

昔は休日でも採用活動が普通に行われていました。ただ、最近では「働き方改革」が叫ばれる中、そうしたことをすると「ブラック企業」とも言われかねません。休日は一旦みんなお休みということでよいのではないでしょうか。

1、就職先を選ぶポイントは「やりがい」か、それとも「働きやすさ」か

やりがいと働きやすさとは一見対立しそうな概念かもしれません。

「やりがいはあるが、モーレツに働く必要がある」
「働きやすいけど、仕事にはあまり深みはない」

このようにそれぞれは対立関係にあるようにも見えますが、職場によってはそんなことはなく、「やりがいもあって、働きやすい」という場所もあります。しかし、就職活動で最初にそうした環境に出会えるかはかなりの未知数です。

大学生の就職活動で、自分にとって大事にしている項目の優先順位を極端に上げてしまうと、そもそもの就職先の選択肢を狭めかねません。様々な業種の、そして様々な職種に一度に挑戦できる就職活動においては、あまり賢いスタンスとは言えないでしょう。


2、大企業が採用する際の制約とは

大企業の採用方法は批判されることがあります。それはなぜでしょうか。

大企業は新卒を採用するにあたって、「大量に一括採用しなければならない」ことが多いといえます。そうした際には、どうしても採用プロセスが画一化しなければならず、結果として面接の回数もある程度決まっています。そうなると、どうしても採用のプロセスは機械的になりがちです。その中では、学生も「本当にちゃんと評価してくれているのだろうか」と感じることもあります。

一方、企業側からみると、どんなに丁寧に採用しているとはいっても「基準に合った人数を計画された通りに採用する(しなければならない)」という制約がある以上、個人を見る(評価する)ということは大前提としても、基準を満たした学生については、順次内々定を出していかなければ、目標の採用数を達成できない可能性が出てきます。

人事部として「計画していた人数が採れなくても仕方がない」というおおらかな企業であればよいですが、大企業の場合には、定年退職、また自然減などによる人員減は見込んでいることでしょうから、人員計画を持つ企業であれば、ある程度の基準を満たしているなら「内々定出しておけば」となることも否定できません。

すでに社会人になった人にも話を聞くと、「大企業ははじめから内々定をもらえる気がしないので、はなっからエントリーシートも出していなかった」という人もいます。それはもったいない話です。就職活動も先に見たように、大企業の採用プロセスには「穴」があるので、挑戦してみる価値は十分あります。


3、大企業に就職しても意味ないという「食わず嫌い」の話は聞くな

大企業に就職したことがないのに、「大企業なんて意味ない」と言い切る人もいますが、それは本当にもったいないなと思います。

大企業の良さは何でしょうか。

簡単に言えば、「会社の看板をつかって大きな仕事ができる」ということにつきます。もちろんそれを自分の実力と勘違いしてしまうと、その後に痛い30代、40代、そして50代を迎えてしまうことになりますが、若いうちに自分の経験値を高めようと思えば、大企業のブランドを活用することで自分の成長スピードが上がります。

そして、一括採用をする企業のメリットがもう一つあります。

それは同期の数が多いということです。そんなの当たり前だろうというツッコミは全力で受けるにしても、これは経験したことがない人には理解できないことでしょう。

大企業であれば同じ会社とは言え、様々な部署に配属されます。本社だけではなく、地方や海外にも同期が配属していきます。それが簡単に言えば自分だけの「ネットワーク」になります。

同期との飲み会などもありますが、様々な情報が入ってくることも少なくありません。自分の業務に直接関係なくとも、様々なアイデアは沸いてきます。


4、数年で辞めるにしても大企業にしておく

激戦の就職活動をかいくぐってあこがれの大企業に入社しても、実はそれほど定着しないというのが現実です。

仲の良かった同期が次々と辞めていくのを見て、「自分もこの会社にいてよいのか」と疑問に持つ経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。

特段、「こうしたい」という野望がなければ、大企業に居続けるというのも立派な戦略です。いかに生き残るかを考えるのが戦略の目的です。生存確率を下げてしまうのでは意味がありません。

ただ、思い切ってベンチャーや外資系企業で自分の実力を試してみたいという人はいると思います。その時に初めて大企業に入社したことの良さがわかると思います。それはネットワークです。同期だけではなく、上司や後輩も自分が思っている以上に親切にしてくれるものです。

仮に3年しか在籍していなくとも、大企業の良さをじっくりと感じるのは、自分が一人になった時、そしてピンチになった時です。大企業に就職するという選択肢を捨てないで、一度考えてみてはいかがでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?