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はっとした記事、もう一度読み返して咀嚼したい記事。
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「早く帰りたいなぁ」からの卒業。

スローモーションに感じるって、こういうことか。 友人がたまたま教えてくれた、インスタのアカウントがある。 私は一瞬で心を奪われた。 そのアカウントには、沖縄の海の様子がアップされている。 スローモーションと程遠い。 私が見たのは深く青い海の中を、一匹のウミガメが、優雅に、のんびりと泳いでいる動画です。 「いらっしゃい、ゆっくりしていってね」 あたかも目の前にいるようなウミガメから、そう言われているような気がした。 海の色、陽の光、ウミガメのしなやかな動き、全てに

この欠乏感を、何で埋めたらいい。スピリチュアリストは問い続ける。

人と繋がる方法がわからない故の孤独感や、金銭的な問題、自分が社会から必要とされていないような感覚。これらは、誰でも一度は、体験したことのある感情だと思う。 見えない世界を理解し、エネルギーを動かすことによって、望む現実を叶える法則が流行り出した。満たされない現実を埋めるための道具として、注目が集まってきたそれを、引き寄せの法則という。 でも、どれだけ「わたしはお金持ちになりました!」と、アファメーションをしても、素敵なパワーストーンブレスを持っても、上手くいかない現実に、

「書く」と「話す」の相乗効果で発信する

私のやっている6ヶ月講座「自分を売り出す文章構築アカデミー」の卒業生さんたちで、音声発信をする人が増えている。私自身も、himalayaで音声配信を始めて、1年2ヶ月。350ほどのエピソードを配信し、4万回近く再生されている。 「書くのは得意だが、話すのは苦手」 「話すのは得意だが、書くのは苦手」 という人は多いが、いったん、自分はこれが苦手、と思う枠を取っ払って、書くと話すを組み合わせれば、発信の可能性は広がると思う。 視覚優位型、聴覚優位型、どちらの人にもリーチでき

「生きることの意味を問いかけている」「SFが苦手な人にもぜひ手にとってほしい」「こういう話こそ今必要とされている」『わたしたちが光の速さで進めないなら』レビューと感想

『82年生まれ、キム・ジヨン』の大ヒットをきっかけに、急速に注目が高まっている韓国小説。早川書房では、今韓国で一番売れているSF小説『わたしたちが光の速さで進めないなら』を2020年12月に刊行いたしました。 『わたしたちが光の速さで進めないなら』 キム・チョヨプ/カン・バンファ ユン・ジヨン訳 装画・挿絵:カシワイ/装幀:早川書房デザイン室 本書は、第2回韓国科学文学賞中短篇部門大賞受賞の「館内紛失」、同佳作の表題作、また、映画『はちどり』で国内外の賞を総なめにしたキ

共感を生み出す人は、エピソードを集めている。

この土日、体も気持ちもぐったりしていて、やりたいことややらなきゃいけないことはいっぱいあったのに、動く気がしなかった。 ずっとベッドの中にいるのもなぁ、と思って、最寄駅の近くの書店まで歩いた。分厚い小説やビジネス書を手に取る気がしない。なにもないなぁ、としばらくぶらぶらしていたら、文庫本コーナーにあったこの本と目があった。 イラストレーターの益田ミリさんのコミック&エッセイ。子供の頃に読んだ思い出の絵本を一冊ずつ取り上げ、「子ども時代」を描き出している。 幼稚園や小学校

文章にまぐれあたりはないから

「どうして、できるのにやらないの」 いつもは温厚な先輩の声が、あきらかに張っていた。スチール机を挟んで座る私の足元の、つま先がこすれたパンプスが見える。夕方6時。もう帰りたいなと思ったときに呼び出された会議スペース。 先輩が言ってるのは、新入社員研修での私の行動のことだ。1か月で新規案件100万円分を受注すること。けして実現不可能な研修ではない。営業部隊なら、きっとどの会社でもある。 「足りない」を見透かされている。 今日の電話リストを思い浮かべた。アポがとれたのは2

読まれたいなら読まれるように書く #わたしの執筆スタンス

ぼつぼつと日記のような、エッセイのようなものをnoteに書いています。 読んでくださる方がいてくれること、シェアしてくださったり、スキやコメントがつくたび、ダッシュボードを見るたび「ありがとうございます」と心の中で手を合わせています。 さて、そんなことを考えていたら、だいすーけさんがご自身のnoteでこんな提案をしてくださってました。 みんな、noteを書くときのスタンスについて、どう考えているのかなぁ。 というだいすーけさんの疑問。それ、私も知りたい。 人に聞く前

初心者ライターがつくってしまいがちな構成のパターンを桃太郎で整理した

あれはざっくり5年ほど前でしょうか。 イベント取材を終え、編集者から「初稿の前に構成いただけると幸いです」と言われた駆け出しライターは、10分くらいで構成を作成し終え、どや顔で送付しました。イベント取材中のメモに申しわけ程度の見出しをつけ、一切インデントをせずに羅列しただけのドキュメントを、です。いま、彼女に向かって言ってやりたい言葉はひとつだけ。 「お前が作成したのは構成じゃなくて議事録だからな...!」 とつぜん失礼しました。inquireで編集やライターをしている