MUKAI Haruka

ビジネス領域の編集者/ライター

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  • オランダ移住日記

    オランダに移住予定の編集者がビザ取得や仕事、語学など、準備のあれこれをシェアするマガジン🇳🇱

最近の記事

Free the Belly:自分の見た目に対する感情を内省する

Y2Kファッションとボディポジティビティ Y2Kファッション、つまり2000年代前後の服装が若者の間で流行っていると知ったのは、1993年に生まれた私が29歳になったばかり、2022年の春頃だったと思う。 記事のなかで、米国に暮らす同世代の女性たちが、子どもの頃に憧れていたファッションを身につける様子、過度なダイエットといった00年代の負の側面を再解釈しようとする姿が取り上げられていた。 それを知ったうえでインスタグラムを眺めていると、短めのトップスにワイドパンツを合わ

    • 文章を対話型鑑賞したら楽しかった話

      すべりこみでアドベントカレンダーを書きます。 今年もたくさん原稿を書きました。悩みは尽きないものですが、特に今年の夏あたりは文章の引き出しを増やすにはどうすれば…..?を考えていました。 ライターになって数年、よくも悪くも自分なりの型というか手癖のようなものができてしまい、「なんか似たような言葉をこの前も使った気がする」「〇〇さんの原稿、思いつかない表現がいっぱいだな」と感じることが増えていたからです。 わたしの所属するinquireでは、日ごろの仕事で抱いた悩みや課題

      • My Weekend Reading List (02.14.2021)

        NYTオピニオンエディターの挑戦Kathleen KingsburyがThe New York Timesのオピニオンエディターに就任した。 NYTのオピニオンセクションと言えば、昨年BLM運動に対して、武力による抑圧を支持する寄稿者の記事を公開し、前任者が辞任する出来事があった。 Kingsbury氏は、オピニオンセクションのクオリティコントロールを目的とした公開本数の削減(25-30%ほど)、ファクトチェッカーの雇用などに取り組んでいる。 NiemanLabの記事で

        • My Weekend Reading List (02.07.2021)

          『The Overtake』のもたらした変化 2016年から運営されてきた、インディペンデントメディア『The Overtake』が、メディアの閉鎖を発表した。 『The Overtake』は、イギリスで暮らす多様なバックグラウンドを持つ若者による、若者のためのメディアだ。「ストレートかつ、白人かつ、中流階級のためのメディアの形作る“バブル”の外から、優れたストーリーと質の高いジャーナリズムを届ける」と掲げ、骨太な調査報道記事を送り出してきた。 ファウンダーのRobyn

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        記事

          My Weekend Reading List (12.20.2020)

          2020年『The Daily』のPowerfulなエピソードThe New York Timesの人気ポッドキャスト『The Daily』が、2020年の“Powerful”なエピソードをリストアップしていた。 特に印象的だったのが「One Hundred Thousand Lives」だ。このエピソードでは、米国でCOVID-19によって亡くなった一人ひとりの人生を、親族や友人、知り合いが次々に語っていく。 「どこで生まれたのか」「いつ米国にやってきたのか」「子どもの

          My Weekend Reading List (12.20.2020)

          My Weekend Reading List (12.13.2020)

          非白人による、非白人のためのメディア2021年のジャーナリズムを予測する『Nieman Lab Predictions For Journalism 2021』が今年も公開されていた。 American Journalism ProjectのJohn Ketchum氏は、非白人ジャーナリストがメディアのファウンダーとなる事例が増えるだろうと語っていた。 その理由として挙げているのは、今年のBLM運動、その後のメディア・ジャーナリズム業界内のレイシズムと向き合う動きだ。

          My Weekend Reading List (12.13.2020)

          My Weekend Reading List (12.6.2020)

          フリーランスとメディアの透明性ある関係The Interceptが、フリーランスとして雇用されるメンバー(以下、フリーランサー)と仕事をするときのプリンシプルを公開していた。プリンシプルは、The Interceptの経営陣やコントリビューターでの対話やフリーランサーへのインタビューを繰り返しながら作成されたものだという。フリーランスのメディア関係者の働く環境改善を掲げる「Freelance Solidarity Project」が、ファシリテートを担っている。 プリンシプ

          My Weekend Reading List (12.6.2020)

          My Weekend Reading List (11.28.2020)

          SNSでざわつく投稿を見かけたら?感染症にまつわる誤情報や偽情報に対処するUnited Nationsのイニシアチブ「Verified」が、Upsetting(動揺させられる)投稿に遭遇したときの対処法をまとめていた。 記事では「Reacting to Misinformation(誤情報に反応する)」や「Ways to Reply(返信する)」「When Not to Reply(返信しない)」などの項目が整理されている。例えば「Ways to Reply」では以下の項目

          My Weekend Reading List (11.28.2020)

          My Weekend Reading List (11.22.2020)

          パンデミック下に紙版をローンチした新聞の実践南アフリカのロングリード/調査報道に特化したデジタルメディア「Daily Maverick」が、パンデミック下に紙の日刊紙をローンチした事例を解説している記事。 タイトルに“A Case Study in Product Thinking”とある通り、ジョブ理論やOKRなど、プロダクト開発で用いられる手法をいかに活用し、紙版の試験販売を進めたかが紹介されている。 例えば、市場や想定顧客への調査から「週末にじっくり読めるような、良

          My Weekend Reading List (11.22.2020)

          My Weekend Reading List (11.15.2020)

          1. 「わかりやすい情報提供」の実践アリゾナ州における、知的障害者・発達障害者支援の課題を追った調査報道記事。支援者だけでなく、障害者本人たちにとっても読みやすいよう、必要に応じて“Plain Language(わかりやすい、平易な言葉)”に記事を切り替えられる仕様になっている。Arizona Daily StarとProPublicaが共同で制作したそう。 最近はTwitterでも、主に日本語を第一言語としない人向けに、「やさしい日本語」での情報発信や、その重要性を訴える

          My Weekend Reading List (11.15.2020)

          社会のおカネの流れを追う。会員2万人超えのオランダ独立調査報道メディア「Follow the Money」

          先日、オランダの独立調査報道メディア「Follow the Money」の会員が2万人を突破したというニュースを見かけました。 名前が示す通り、彼らは「経済や金融財政において不正を働き、社会に負の影響を与える人やシステム、組織」を調査するメディアです。決して金融市場や経済を報じるわけではなく、テクノロジーや教育、ヘルスケア、食品、医療、環境など。あらゆる分野におけるカネの流れを厳しくウォッチしています。 例えば、彼らがオランダのジャーナリズムアワード「The tile」を

          社会のおカネの流れを追う。会員2万人超えのオランダ独立調査報道メディア「Follow the Money」

          初心者ライターがつくってしまいがちな構成のパターンを桃太郎で整理した

          あれはざっくり5年ほど前でしょうか。 イベント取材を終え、編集者から「初稿の前に構成いただけると幸いです」と言われた駆け出しライターは、10分くらいで構成を作成し終え、どや顔で送付しました。イベント取材中のメモに申しわけ程度の見出しをつけ、一切インデントをせずに羅列しただけのドキュメントを、です。いま、彼女に向かって言ってやりたい言葉はひとつだけ。 「お前が作成したのは構成じゃなくて議事録だからな...!」 とつぜん失礼しました。inquireで編集やライターをしている

          初心者ライターがつくってしまいがちな構成のパターンを桃太郎で整理した

          ワシントンポストの「多様性&インクルージョン担当編集局長」

          少し前に、The Washington Postが「Managing Editor for Diversity and Inclusion」の募集を開始していた。無理やり日本語にすると「多様性&インクルージョン担当編集局長」だろうか。 この職種の役割は「シニアエディターや他のスタッフと連携し、あらゆる報道やオペレーションにおいて多様性やインクルージョンが保証されている状態」を達成するための取り組みをリードすること。具体的な仕事内容としては、以下のような項目が挙げられていた。

          ワシントンポストの「多様性&インクルージョン担当編集局長」

          自分なりの導入文のパターンを整理してみた

          ライターを始めた頃、原稿を書くかとファイルを開いた後、導入文・リード文ですぐに手が止まってしまうことが多々ありました。白状すると、今でもよくあります。 手が止まるときは、だいたい何を言うべきか、どう言うべきかどちらかで悩んでいることがほとんどです。何を言うべきかはさておき、どう言うべきかは一定のパターンがあるのではと思い、パターンを整理してみることにしました。 導入文・リード文の役割って何なのか?筆者が普段関わるウェブメディアでは、導入文やリード文を「想定読者に先を読み進

          自分なりの導入文のパターンを整理してみた

          オランダメディアとCOVID-19についてのメモ

          オランダでは、2月末にCOVID-19の感染者が初めて報告され、3月頭には外出制限や休校などの措置が速やかに行われました。以来、大手メディアも新興メディアもCOVID-19にまつわる報道一色です。 いくつかのメディアをウォッチしていると、個々の事象をつなぐ文脈を伝えたり、心が上向きになるニュースをまとめたり、試行錯誤しながらCOVID-19を報じていることが伺えます。気になったものを書き残していこうと思います。 De Correspondent 新興メディア「De Cor

          オランダメディアとCOVID-19についてのメモ

          My Quarantine Life

          3月30日今日も朝からランニングをした。外の空気が冷たく気持ち良い。これを機に持久力をつけられたらと良いなと思う。 いつも通りオンラインで仕事をして、夕方には久しぶりにUberEATSを頼んだ。手渡しせず商品を扉の前に置いておく「Contactless Delivery」オプションができたので、それでお願いしてみた。配達時間になるとインタフォーンが鳴り、「置いといて良いですか?」と律儀に聞いてくれた。「はい」と答えると、Enjoyと言ってくれて、ありがとう、良い1日をと返事

          My Quarantine Life