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帰宅部男子2人組が恋するあの子のために頑張る話|キャラ読み『ブラック校則』|佐藤勝利・髙橋海人

『野ブタ。をプロデュース』再放送に伴い、「令和版野ブタ」として再注目を浴びた作品があります。それがコレ、『ブラック校則』シリーズです。


まあね、果たして本当に「令和版野ブタ」と言えるのかとか、「校則問題興味ない」とか、もろもろ思われている方もいらっしゃるとは思うのですが、全部置いておいてほしい!

だってキャラ読みで十分面白いから!!

疲れ気味OLであるところのこのわたくし、大変恐縮ながら校則について思うところがあるわけではありません。しかし、そんなわたしですが主役2人のキャラクターが本当に好きで、ドラマ、映画、Huluオリジナルストーリー、ノベライズ全制覇してしまいました。ので、プレゼンさせてください!(ドラマは4周くらいしたな......)

『ブラック校則』、一緒にキャラ読みしようぜ!!

【ざっくりあらすじ】
さえない青春を過ごす高校生創楽と中弥。彼らが通う高校には理不尽なルール「ブラック校則」がはびこっていた。ある日、恋するあの子(モトーラちゃん演じる町田希央)が生まれ持った美しい栗色の髪を黒く染めるよう強要され不登校に。「こんなルールは、もうたくさんだ」......果たしてブラック校則は変えられるのか?

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なんとまるっとドラマ7話分、主人公2人が海辺で喋っている 

本作、「帰宅部男子高校生もの」が好きな人には絶対刺さると思うんですよね。
特にイチオシがドラマ版なのですが、なんとまるっと7話分、主人公2人が海辺で話をしている会話劇なんです。(そのうちなんでここに座っているのか明らかにされます)

そもそも脚本を手がけているのが男子高校生2人がひたすら川辺で会話するだけの人気漫画『セトウツミ』の作者・此元和津也さんなのですが、さすがに会話のやりとりが絶妙。
 

隠キャで純真。しかしちょっぴりヤバさを覗かせてくる主人公・小野田創楽

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主人公、小野田創楽(そら)は自他共に認める隠キャ。ちなみに本人は

事件を起こしたら、同級生に「掃除を一生懸命頑張る姿が印象に残ってます」とか言われるだろう存在感がうっすい隠キャ。(ノベライズ)

などと述べており。

ギターをはじめてみるも練習が続かず、スマホアプリで音を出しながら謎のオリジナルソングを歌ったりしているダメダメなところが可愛いですね(妹や中弥にめっちゃバカにされる)。
ちなみに顔が顔面国宝なのにクラス内で隠キャ扱いなのは『ブラック校則』七不思議のうちのひとつです。

まっすぐで純真、それゆえちょいちょい「痛いヤツ」になってしまう

彼はスクールカースト下位なのかもしれませんが、まっすぐに育った少年感があります。いつも何かに困りながらも一生懸命です。

この物語は創楽が地毛が茶髪で、黒染めを拒否して不登校となるヒロインを気にかけるところから始まるのですが、周りのクラスメイトのように「しょうがない」で思考停止せずに自分の頭で考えるのがえらい。そして優しい。

でも純真ゆえにから回ったり、中弥にだまされたりしてしまう(不憫)。


自覚のない数学の天才(しかし才能の無駄遣い)

創楽は自分のことを無個性で何もできないヤツだと思っていますが、おそらく数学の天才です。

①「自分、どうあがいても余る問題」から完全数を発見してしまう

「幼稚園の頃からさ、クラスの人数が偶数か奇数かにすごいこだわってたんだ。2人1組になりなさいってなると、絶対おれが余るから。(中略)学年が上がって、やった、偶数だ、一瞬ほっとするんだけど、3人で班を作りなさいってなると、偶数って3で割り切れないからやっぱりおれが余るんだよね。(中略)
おれって偶数とか奇数とか3で割り切れるとか関係なくて、結局余るんだなーって思って。」

ものすごい勢いでぼっちエピソード語るじゃん。
(ちなみにヒロインは「何言ってんだこいつ」みたいな顔で見ています)。

しかし、衝撃的なのが、その後の彼の一言。

そんなこと考えてたらーー完全数にたどり着いたんだ。」(ドラマ3話)

え??

オイラーによる天才的発見をぼっち問題から自力で導きだしてしまう創楽。

②「博士の愛した数式」ばりに友愛数だの婚約数だのからヒロインとの運命を見出そうとする

(創楽)「......絶対にキモいって言わないでよ?」
(中弥)「うん。」
(創楽)「俺と希央が.......婚約数で結ばれてるんだよ .........!
(中弥)「はい、キモい!」
(創楽)「言わないでっていったじゃん......。」  (ドラマ7話)

彼は名前の画数や長距離走のタイム、テストの点数などからものすごい執念でヒロインとの関連性を見いだそうとしてきます。めちゃくちゃ頭いいのにやること小学生じゃん。

そのほか学校の随所の距離を把握していて(は???)野球部員の投げた球の速度を即答したりと無駄に数に強い創楽ですが、教科としては「中学入ったらいきなりS=πr²とか言い出して、これもう意地悪しに来てるじゃんと思って、」などと言っており、成績はそんなによくないらしい。(可愛い)。

お調子者に見えて誰よりも周りを見ている(ちょっぴり嘘つきな)親友 月岡中弥


『ブラック校則』イコール「令和の野ブタ」というキャッチコピーには首を傾げてしまうものの、たしかに中弥のキャラクターは山P演じる彰感があるんですよね。

周りの空気を壊さないままで人を救う

中弥はとっても大人です。

「なに一丁前に音楽聞いてるの」といじられている子を見かけると明るく駆け寄り、

「なに?なになに俺も聞かせて、何系? 何系? アガる系? ていうかさ、音楽っていいよね。音楽って人を助けるよね! ね!!」

空気の読めないハイテンションぶりで意地の悪いクラスメイトを退散させちゃう中弥。

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彼は周りの空気を壊したりしません。「いじめやめろよ!」みたいな、直球の発言はしないのです。そこは彼の臆病なところでもあるのだと思います。けれど、なんでもないように接してもらうことで、どんなに救われた人がいることか。



ただし、へらへらしてしまうことには自分でもコンプレックスを感じており、素直な創楽には

 「(中略)おれ、結構感謝してるんだよ、お前に」
 中弥が長い息をついた。
創楽はすごいよな。そういうの言葉にできて
「語彙とかなら圧倒的に中弥の勝利じゃん。シードでいきなり決勝行きじゃん」
だから、そういうんじゃないんだよ。おれにはできないんだよ。お前みたいに」                        (ノベライズ)

ぽろっとこんなことを言っていたりします。

彼は父を過労で亡くしていることもあり、仲の良い創楽にすら自分の話を全くしなかったりとおそらく少し歪んでいます(創楽のことはたまにいいように使ったりしている)。でもそんな裏があるからこその優しさやバランス感覚が培われたのだと思います。


この2人が「恋するあの子」のためにがんばる話だよ??

絶対見たいじゃん!!!


そのほかのキャラクターも、七五調でしか喋れない委員長とか、亡くなった元彼が忘れられない国語教師とか、吃音の天才ラッパーとか、興味深い人物ばかりなのです。

というわけで、ただただそらとちゅうやが好きだ!!という気持ちを偏差値5な文章で綴ってまいりましたが、いかがでしょうか。まあね、創楽も「ルールとか権力とかどうでもいいし。結局、町田希央が好きなんだ。ただそれだけなんだ!」って言ってたしね。
Huluなどで見かけた際には、ぜひStayHomeのお供にご検討いただけますと幸いです!

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