初めての骨伝導
イヤホンをね、買ってみましたの。
最近、クラウドファンディングサービスの『GREEN FUNDING』というところで「世界初、完全ワイヤレス骨伝導イヤホン」と銘打ったプロジェクトが展開されていた。それがこちら。
※この3000円の表記がどこから来たかわからないけど3000円ではないです
サイズおよそ3.6㎝と小型の骨伝導イヤホンである。earsopenってなんか有名なのだそうな。…私は知らなかった。
最近、「若年性難聴」ってすごく流行っているらしく。一時期「究極のながら聞き」と称されてambieのイヤホンが人気になったりした。そのくらい、今の人達は「カナル式」から遠ざかろうとしている。とは言え未だにファッショナブルなデザインのものはもっぱらイヤホン・ヘッドホンだ。骨伝導イヤホンは高い。
これを購入してみたは良いけど実際に届くのは12月だという。クリスマスプレゼントかな?ってくらいな感じなので、思い切って先行機を買ってみた。同じearsopenのネックホールドタイプのものだ。楽天で3000円くらい安くなっていた。………この3000円なのか?(違う)
実際に使ってみた。室内で使う分には申し分ない音量。割とクリアに聞こえるのが面白い。外で使ってみると、使い方の問題もあるのかもしれないけど外音に負けて殆ど聞こえなかった。イヤーパーツが複数あるそうなので、これをとっかえひっかえしつつ試してみたいと思う。
一番気になったのは「音漏れ」だ。音量上げるといわゆる「シャカシャカ音」的な感じで音漏れするのである。実はちょっと意外だった。「骨伝導」という名前から、骨との接地面以外からは音がしないのかなと勝手に思っていたから。そんなことは無くて、振動で骨に音を伝えて骨をスピーカー代わりみたいにしているだけなので、割とちゃんと音はする。オープンイヤホンみたいな感じかな。
私は割と耳たぶが無い…と言うか短いと言うか…なのだけど、こういうタイプの耳の人はクリップで挟む範囲が狭くて装着が少し難しいかもしれない。先行機はクリップタイプなので割とこれが難しく、一番音が聞こえやすい部分を探すのに物凄く手間取った。説明書で「ここに着けてね」って書いてある場所にちゃんと着かないんだもん…。
しかしちゃんと装着できればかなりクリアに音楽が聞こえる。耳の中にイヤホンが無いのにこんなにしっかり音が聞こえるという体験はとても新鮮で面白い。何で聞こえるんだろう…と改めて不思議になる。
突然の骨伝導の仕組み講座~!
音が聴覚神経に伝わる仕組みは大きく分けて2つ。
1.空気の振動で伝わる「気導音」
2.骨の振動で伝わる「骨導音」
「気導音」とは外の音、つまり他人の話声であったり風の音や車の音など、鼓膜を通じて聴く音の事を指す。
それに対し「骨導音」は自分の体から発する音がメイン。声とか。自分の声が自分で聞いた時と録音したときで異なる理由は「気導音」と「骨導音」の差によるものだそう。
かの有名なベートーヴェン。彼は晩年聴覚障害を患ったという話がある。ではそんな彼がどうして作曲を続けられたのか。
一説によればタクトを口にくわえ、ピアノに押し当てることでタクトを通じた振動でピアノの音を聴いていた…つまり骨導音にて作曲を続けていたのではないか、と言われている。そこまでして曲作りたいんか。わかるー。
聴覚障害の人にも骨導音は有効で、聴覚補助具にも骨伝導を使用しているものがあるのだそう。骨導音は鼓膜・外耳・中耳を経由することなく聴覚神経に音を伝えることが出来る為、「耳が悪い」人でも聴覚神経さえ無事であれば音を聴くことが出来るのだ。
難聴の大半は神経ではなく中耳の細胞の劣化や損傷によるものが多いのだそう。だからこそ骨伝導はそういう人達にこそ有効なのである。講座終わり。
こうやって考えると外音に負けるという事は、
カナル式イヤホン:気導音が聞こえるルートを塞いで聞いている
骨伝導イヤホン:骨導音の為、気導音はダイレクトに聞こえる
という事なのだろう。色んな音がいくつも同時に聞こえたらそりゃ負けるよな。
とは言え、カナル式イヤホンの影響で難聴になりかけていたのは事実である。声が小さい人とか全然聞こえないんだ…もうちょっとでかい声で喋ってくれないかなって思うことも屡。とりあえずこれで気導音向けの聴力が少しでも回復してくれることを祈るばかりである。頑張れ私の耳。
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