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【水鳥の歌と生活】2024年2月18日日曜〜2月24日土曜


 二月十八日日曜


 七時起床。radikoで「オードリーのオールナイトニッポン」を聴きながら朝の支度をする。

 仕事のBGMはTalking Heads『The Best ofTalking Heads』にする。映画「STOP MAKING SENSE」が長野の映画館でも上映されるらしく、確定申告が片付いてまだ上映していたら見に行きたいと思っている。その予習のつもりでベストアルバムを聴く。

 仕事の合間にコインランドリーへ。待ち時間にセブンイレブンに行きタリーズの缶コーヒー、ベルギーワッフル、ヤングドーナツを買って車内で食べる。

 仕事を終えて温泉に入りセブンイレブンで買い物をして家で晩酌をする。ユッケジャン、餃子、揚げささみのレモンソース和えを食べて、マルエフビール500ml缶を一本飲む。

 二十四時就寝。

 二月十九日月曜


 七時起床。Podcastで「髭男爵山田ルイ53世のルネッサンスラジオ」を聴きながら朝の支度をする。

 一度職場に寄って出張へ。今回は市内で人数もほどほどなので気楽だ。昼食に付近の洋食屋に行き、チーズオムライスを食べる。鉄鍋に入っていて、大量のチーズがかかっている。カレーソースもかけてある。完全に足し算の料理だ。美味しいが、渾然一体としていてそれぞれの味は正直よくわからない。混沌のオムライスだ。

 仕事を終えて温泉に行く途中、あぜ道を車で走っていると右前輪付近にボコっという感触がある。動物でもはねたのかと思い、少し走ったが引き返してその辺りをゆっくり走ってみる。何も居ない。何か横からぶつかってきたような感覚だったので、ぶつかったものの怪我はしなかったか軽度でその場からすぐに逃げ出したということだろうか。それとも動物ではなくてタイヤが跳ねた石が車体に当たったりした音だったのか。気になるが確認しようが無い。

 温泉に入りセブンイレブンで買い物をして家で晩酌をする。和風スープ、春雨サラダを食べてマルエフビール350ml缶を一本、プレーン酎ハイとレモン酎ハイをそれぞれタンブラーで一杯ずつ飲む。

  反俗とは病気のように一生を定義していく。俗になれずに。

 二十四時就寝。

 二月二十日火曜


 七時起床。radikoで「伊集院光 深夜の馬鹿力」を聴きながら朝の支度をする。

 そのままラジオを聴きながら出張のため佐久市へ。一日仕事をする。

 radikoで「空気階段の踊り場」を聴きながらの帰り道、峠の道を走っていると前の車が何かを避けたのでそれにゆっくり続くと、道の左端に鹿が座っていた。右頬の毛には血がついている。表情はいつもの鹿で呑気そうに見えるが、車とぶつかったのだろうか。すぐに逃げ出さないということは、脚を痛めているのかもしれない。その場合、あの場に座り続けていると鹿はどうなるのだろうか。誰かがあの鹿の存在を自治体に通報した場合、駆除の対象になるのだろうか。それとも保護され、怪我が癒えたのちに山に戻されるのだろうか。温泉に入っている間も鹿の佇まいと表情が頭を離れなかった。あのまま休んでいる間に傷が癒えて山に帰ることができれば良いのだが。それにしても手負のまま山で生活していくことは難しいかもしれないが。

 ローソンで買い物をして家で晩酌をする。五目白和え、ミミガー、らふてぃを食べて、オリオンビール350ml缶一本とレモン酎ハイ、カシャーサを炭酸水とレモンで割ったものをタンブラーで一杯ずつ飲む。

 二十四時就寝。

 二月二十一日水曜


 七時起床。radikoで「爆笑問題カーボーイ」を聴きながら朝の支度をする。

 仕事のBGMはNew Order『Music Complete』にする。

 明日は岩手旅行だが、今日から金曜くらいまで雨の予報で、岩手では雪かもしれない。あまり長く歩くような旅程にしない方がいいかもしれない。花巻で宮沢賢治記念館に行き、盛岡で啄木・賢治青春館に行ったらあとはどこか居酒屋に入って夕方まで飲むというくらいの気持ちでいよう。イギリス海岸も上流にダムができたことでその独特の地形は露出しなくなってしまったらしいし、羅須地人協会は冬には解放していないのだ。賢治が食べた天ぷらそばとサイダーのセットを食べにやぶ屋に行くのはどうだろう。新花巻駅から花巻駅まで電車で行けばそんなに雨にも濡れずに行けるかもしれない。欲張ってもそのくらいにしよう。

 仕事を終えて温泉に入り、ツルヤで買い物をして家で晩酌をする。鰹とビンチョウ鮪の刺身を食べて七笑を二合飲む。

 明日は早起きなので二十二時には就寝。

 二月二十二日木曜


 五時起床。radikoで「山里亮太の不毛な理論」を聴きながら支度をして、六時過ぎに家を出る。

 目的の新花巻までは、まず北陸新幹線で大宮まで行き、そこから東北新幹線に乗り換える。北陸新幹線は指定席を取ったので、NewDaysで買ったリッツビスケットサンド、メープルミックスナッツを食べ、オラホビールのゴールデンエール350ml缶を飲み、ちくま文庫の『宮沢賢治全集5』を読んでゆっくり過ごす。久しぶりに読んだ「ひかりの素足」が凄かった。その後に書かれた「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」「よだかの星」「二十六夜」といった童話に出てくるモチーフがすでに書かれている。憲治の中でも重要な作品だったのではないだろうか。

 大宮駅からの東北新幹線は自由席なのでNewDaysで買い物をしたら早めにホームに並ぶ。おかげで席を確保することができた。メープルミックスナッツ、ホヤの干物を食べて、サクラビール350ml缶を飲み、『宮沢賢治全集5』を読む。ふと顔を上げると雪景色になっていて、旅に来たという実感があった。

  読書から顔を上げれば窓外は白く遠くに来たことを知る。
  昨日見た景色とまるで違うので通路側から窓を見ている。
  遠くまで行けば行くほど本を読む時間が増える旅は楽しい。

 途中、倒木の処理によって東北新幹線に遅れが出ているというアナウンスが流れる。これは往路なのでいいが、帰りは少し早めの便に乗った方がいいだろうかと悩む。乗換案内のアプリなどで調べると、釜石線に乗って花巻駅に行き、宮沢賢治も足を運んだというやぶ屋で天ぷらそばを食べるのは結構時間がかかるようだ。それなら新花巻付近で昼食を取ればいいだろう。

 新花巻駅に到着し、改札を抜けると正面に待合室と駅そば屋があるのだが、そこで過去に新花巻に来た時の記憶が一気に蘇る。2010年に東北旅行をした時には、一切宿の予約をしかったために花巻の温泉街では宿を取ることができず、そのまま新花巻駅まで歩いてきたもののやっぱり宿は無く、そのまま日付も変わって閉まってしまった新幹線の駅舎ではなく、釜石線のホームにある待合所で野宿をしたのだ。五月の岩手はまだ寒くて寝付くことができず、じっと体を縮めてベンチに寝たまま朝を待っていた。やがて新幹線の駅舎が開いたら中の待合室で少し寝て、起きたら駅そばを食べた。その待合室と駅そば屋なのだ。昼食はこの駅そば屋にしよう。前回は「賢治そば」という色々な具材を乗せたそばにしたのだが、今回は賢治がやぶ屋で好んで食べたというえび天そばにする。以前食べた時の味の記憶は全く無くなってしまっているが、甘辛い出汁と、意外とつるつるとこしがある麺が美味しい。麺は茹で置きではないということか。

 そばを食べ終え、歩いて宮沢賢治記念館を目指す。歩道のところどころに雪が積もっていて少し歩きにくいが、冬らしい透き通った空気が気持ちいい。懸念していた雨も雪も降っていない。旅は順調だ。

 宮沢賢治記念館は小高い所にあって、木造の長い階段を登っていく。これが思いのほか大変で後半は足がプルプルと震え、汗が吹き出してくる。ようやく登り切って記念館に入る。立派な記念館だ。大きな部屋の壁のぐるりに賢治の生涯やテーマごとの作品の原稿写真などが展示されていて、ガラスケースには所蔵していた仏典やセロ、浮世絵、生前に唯一刊行した童話集『注文の多い料理店』、詩集『春と修羅』、賢治の作品に出てくる鉱石などが展示されている。ゆっくり見て回り、売店では賢治が手帳に描いたミミズクをデザインしたトートバッグと、「春と修羅」の複製原稿を買う。複製原稿は職場に飾ろう。

 宮沢賢治記念館を出たらすぐ近くにある宮沢賢治童話村へ。賢治童話に登場する花や動物、星などを、それらをモチーフに作成したアート作品と文章で学習するという施設だ。童話を読む際のイメージがより鮮明になるし、見て回るだけでも楽しい。お土産を買うこともできる。南部煎餅とハーブティーを買う。

 童話村を出たらまだもう少し時間があるので、一度新花巻駅に戻って東北新幹線で盛岡に移動する。新幹線の中で、駅から「もりおか啄木・賢治青春館」へのルートを検索すると、片道三十分近くかかることがわかり、岩手公園も含めてゆっくり見るほどの時間は無さそうなので、どこか空いている居酒屋にでも入ろうという気分になる。

 店は特に調べることをせず、盛岡駅の周辺を歩きながら探す。十七時前でまだ空いている店自体が少ない中、自家製豆腐が食べられるというところに惹かれて「ももどり駅前食堂」という店に入る。『宮沢賢治全集5』を読みながらお通し(長芋の梅酢和え、魚の南蛮漬け、ひじき煮物)おぼろ豆腐、おから餃子、ビス天、ももどりを食べ、キリンビールの中瓶を三本、レモンサワーをジョッキ一杯飲む。ビス天というのは初めて見る名前だが、「沢内村のソウルフード」と書かれていたので気になって注文してみたところ、出てきたのは丸い拳ほどもある揚げ物で、店員さんに聞いてみるとビスケットに衣をつけて揚げたものだという。なるほどビスケットの天ぷらでビス天か。食べてみるとほんのり甘くてアメリカンドックの衣のような味だ。好みの味で美味しいのだが腹に溜まる。旅先でいろいろ食べてみたい時に食べるものではないかもしれない。ももどりは店名になるほどなので一番のおすすめだろう。スパイスをまぶしてじっくり焼いた骨付きの鶏もも肉で、皮はパリッとして身はふっくらしていて確かに美味しい。油っぽく感じたら付け合わせのキャベツを齧るとそのさっぱりした甘味がまた美味しい。正直お腹はいっぱいになってきていて迷った末の注文だったのだが、頼んで良かった。

 新幹線の時間が近づいたので会計をして、駅ビルの土産物コーナーに出店しているのを見つけた「ずんだ茶寮」でずんだシェイクを買って飲む。2010年の東北旅行の時に仙台駅で初めて飲んで以来好きで、見つけるたびに飲んでいる。盛岡でも飲めるとは思わなかった。

 帰りの東北新幹線は混むかもしれないと懸念していたが、自由席に座ることができた。『宮沢賢治全集5』を読みながら、メープルミックスナッツ、ホヤの干物を食べて、「銀河鉄道999 PREMIUM CRAFT BEER ハーロックのギャラクシーIPA」350ml缶を飲んで過ごす。『宮沢賢治全集5』を読み終える。

 大宮駅で北陸新幹線に乗り換え。ここは指定席。今度は酒を飲まず、ミネラルウォーターを飲みながら、新潮文庫『宮沢賢治詩集』を読む。

 上田駅に着き、またさらに私鉄に乗って帰るのだが、最終電車まで三十分ほど時間があったのでいつも行くビアバーに入る。顔見知りの常連さんも着ていて、みんなでお土産の南部煎餅を食べる。一杯だけクラフトビールを飲んで帰る。

 二十四時過ぎに就寝。


 二月二十三日金曜


 七時起床。radikoで「おぎやはぎのメガネびいき」を聴きながら朝の支度をする。

 仕事の前に温泉に入る。いつもの温泉施設ではなく、早くから空いている共同浴場へ。

 仕事のBGMはElectronic『Electronic』にする。New Orderのバーナード・サムナーとThe Smithのジョニー・マーのユニット。そういえばちゃんと聴いたことがなかった。そういう名前は知っているけどちゃんと聴いたことが無かった音楽を手軽に聴くことができるのがサブスクリプションの良さだし、手軽に聴くこことができるから一曲一曲は記憶に残りづらい。なけなしの金で買ったCDはそんなに好みじゃなくても繰り返し聴いたりしていたから、内容も良く覚えているし、聴いていくうちに好きになっていくこともあった。一長一短だなと思いながらも、CDを購入することは減りほとんどサブスクリプションで聴くようになっている。

 仕事を終えて温泉に入り家で晩酌をする。鶏つみれ、豆腐、ねぎ、南部せんべいの鍋を食べて、七笑を四合飲む。なんだかたくさん飲んでしまった。

 二十四時就寝。

 二月二十四日土曜


 七時起床。Radikoで「バナナマンのバナナムーンGold」を聴きながら朝の支度をする。

 仕事のBGMはElectronic『Raise The Pressure』にする。前作よりも穏やかなメロディと曲調が多く聴くタイミングを選ばないアルバムだと思う。

 午前中いっぱいかけて溜まっていた日記を書く。旅に出ると日記が長くなる。でもちゃんと日記に書いておくとあとからでも思い出を辿ることができるので、その楽しみのために書き続けている。

 日記を書きながら、花巻で買ったペパーミントティーを入れて飲む。いつも職場で飲むお茶はコーヒーだったが、ハーブティーもいいな。

 仕事を終えてコインランドリーへ。待ち時間に温泉に入り、ツルヤで買い物をする。

 洗濯物を畳み終えたら家に帰って晩酌をする。鶏肉、豆腐、ねぎ、しめじ、南部せんべいの鍋を食べて、七笑を三合弱飲む。

 飲みながらNetflixで「bananaman live “人間番号”」を観る。コントの中のセリフに「今カレーに毒が入ってる時代じゃん?」というものがあり、そうかこの頃に和歌山毒物カレー事件があったんだなと思う。調べてみると、毒物カレー事件は1998年、このライブはその翌年の1999年とのこと。ずいぶん昔のことのように感じる。

 二十四時就寝。

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