見出し画像

第六話 〜再起から頂点へ〜

【再出発】

出産を終え、約2ヶ月でサロンに戻った私。

そこで私を待ち構えていたのは、今にも潰れそうな、
悲惨な状態に成り下がったサロンでした。

営業時間を勝手に繰り上げて帰宅しているスタッフ。
技術の低下や接客のムラ等、私のいない間にサロンは
危機的な状態になっていました。

唯一、お客様を持っている(売上を作れる)スタッフは、私と入れ代わりに退社。
体調不良という理由でしたが、なんとそのスタッフは、
近くで独立開業したのでした。
彼女のお客様は当然そちらにお引越し。

私にとってはもう、存続不能な事態に陥っているとしか
思えなかったのです。

全ては自分の責任
全ては自分の管理不行き届き
全ては知識もスキルもない私が招いたこと
そんな私にちゃんとした経営ができるわけなどない。

『絶望』の2文字が頭の上に重くのしかかりました。

"もう辞めたい"

"子供と一緒にいたい"

生まれたばかりの子供と2歳になる長男を残して、
このお店をやる理由が
私には見当たりませんでした。

もうお店の経営を辞めようかと悩んでいた時、
私はふと、あのオープンの日に言われた言葉を
思い出しました。

「私はあなたを『先生』とは呼べない」

そして、私の中からある思いが沸き上がったのです。

(あんなことを言われて、このまま終われない!
私は諦めるわけにはいかない!)


今ここで、私は逃げるわけにはいかなかったのです。
そして、力強く一歩を踏み出す決意をしたのでした。

今思うと、あの言葉があったから、
あの言葉をスタッフが発してくれたから、
サロンをやり続けてこれたのかもしれません。

渦中にいた時は、サロンを立て直すことしか
頭にありませんでしたが、
今となってはあのスタッフに対して、
感謝の気持ちが湧き上がるのです。

独立開業してから8ヶ月目、
私はまた、イチから出直したのでした。

【知名度No.1サロン】

サロンを立て直す決心をしてから5年の歳月が流れた頃
努力のかいあって、私のサロンは順調に
成長していきました。

そして、5年前には想像すらできませんでしたが
『3階の美容室を1階へ移転する』
という計画まで出始めていたのです。
良い移転先はないかと店舗を探したところ
理想の場所を見つけることができました。

(後は資金だけ!
どうしよう。またもや借金か…。)

と悩んでいたところ、時を同じくして、
私がいたビルから立ち退きの話がやってきました。

要は、『お金あげるから、出て行って』という話。

渡りに船とは、このことでした。
全ては繋がっているのです。
これがタイミングだと確信しました。

3階→成長→もっと良い所へ→借金か?→そして立ち退き話

私は心の中でガッツポーズ❗

めでたく、私は、理想の場所に理想のサロンを、
しかも無借金で手に入れることができたのです✨

それからは、瞬く間に私の店は人気店となりました。
そして、なんと単店にも関わらず1000人にのぼる動員での
大規模なヘアーショーを開催することができたのでした✨✨✨✨✨

(ショーの時はエレベーターが
壊れるほどの人だかりでした〜〜〜❗❗❗)

そのヘアーショーに起用したモデルは、
後に芸能界デビューすることとなり、
私の店は、『芸能人養成サロン』として、
更に知名度・好感度が上がりました。
そして高校生、大学生の
圧倒的な支持を得ることになったのです。

このように、なにもかも順調だった私でしたが
このあと、またもや
大きな壁がやってくることになるのでした。
次の第七話でお話したいと思います。

第七話を読む


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
プロローグ~成功と失敗~
第一話~強い使命感~
第二話~1つ目の壁~
第三話~運命の仕事、ヒト~
第四話~人生の転機~
第五話~2つ目の壁~
第七話~3つ目の壁~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?