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魚を捌いてみようシリーズ1

~~~この記事は、昨年3月末に離任した職員によるものです。~~~
 
こんにちは、三宅支庁産業課水産担当です。
今回から全4回にわたり「魚を捌いてみようシリーズ」をお送りします。
ちなみに過去記事では、「おいしい魚の食べ方シリーズ」と称して
https://note.com/miyakesangyo/n/n31a20bc6f7f5
https://note.com/miyakesangyo/n/nb4b79fdc05c7
https://note.com/miyakesangyo/n/nc1a4486930ae
https://note.com/miyakesangyo/n/n58c5085177b4
 
このように魚料理を掲載してきました。
 
しかし思うのです。
「魚ってそもそも自分で料理するにはハードル高くない?」
そこでこのシリーズでは魚料理初心者が「魚を捌いてみようシリーズ」と題して、島で獲れた魚を調理していく一部始終をお送りしていきます。(全3回)
果たしておいしく調理できたのか。
今シリーズで使用する食材はこちら。

左上アオダイ 右上ウメイロ
左下キンメダイ 右下オキアサリ

これらは島内の生鮮食料品店や、阿古地区にあるおさかなセンターから調達しました。

今回は「キンメダイとオキアサリのアクアパッツァ」をお届けします。
 
アクアパッツァとは
魚介類をトマトとオリーブオイルなどとともに煮込んだナポリ料理である(wikipediaより)
という事らしいです。

筆者も初めて作るので詳しいレシピは検索しながら作りました。
 
今回の材料は下記の通りです。
・キンメダイ 1尾
・オキアサリ 250g(三宅島の特産です。普通はアサリを使うらしい。)
・ニンニク1かけ
・ミニトマト12個(こちらの量は各サイトによってまちまちでした。今回は冷蔵庫にあるだけ)
・白ワイン(なければ料理酒)おおさじ3
・オリーブオイル 適量(最初に魚を焼く際に引き、終盤に乳化のために回しかけします。)
 
調理の工程も各サイトを見比べてみましたが簡単にまとめると
1 ウロコとひれ、そして内臓・エラをとる!
2 野菜を切る!
3 魚の両面を焼く!(中火)
4 野菜・貝投下!(強火)
5 白ワイン投入!(強火)→水投入!(強火)
6 煮る!(強火)→オリーブオイル投入!(強火)
7 乳化してスープが濁ったら完成!
 
こんな感じでした。詳しい工程は各々で検索してみてください。今回は筆者にとっても初めてのアクアパッツァでしたので覚えやすさと勢い重視で行きます。
 
☆出刃包丁について☆
筆者は「三徳包丁万能説論者」でしたが、三宅島赴任を機に出刃包丁を買いました。
(その後2年間眠らせていました。)
今回筆者は出刃包丁をつかいましたが、この料理に関してはキッチンバサミと普通の三徳包丁があれば大丈夫だと感じました。

1 ウロコとひれ、そして内臓・エラをとる!
まずはウロコから処理します。

ウロコ取り用の道具を使うまでもなく、キンメダイはウロコが柔らかいのでペットボトルの蓋でウロコをとることができました!うおおおお!これは楽しい。
次にキッチンバサミで尾ひれ背びれ胸びれを切りましょう!ここまでは簡単でした。
 
そしてついに内臓をとります!
魚捌き初心者には勇気と覚悟が必要なフェイズでした。
肛門から胸びれの固くなる部分にかけて包丁を入れ(キッチンバサミでも可能)、指で内臓を掻きだしました。形容しがたい感触でした。あばばばばばばと叫ばずにはいられません。こういう普段触らない感触のものには抵抗があるので魚捌き初心者にはハードルが高く感じるんだと思います。
写真はここには載せないでおきます。
最後にエラをくりぬきました。上部の付け根からエラのふちに包丁(普通の三徳包丁でも可能)をなぞらせ下部の付け根を切り、エラを引き抜くことができました。

最後に水分を抜くため全体に塩を振って、キッチンペーパーでくるんで冷蔵庫に入れておきます。塩はお腹の中にも振って、キッチンペーパーで水分を吸収できるようお腹に詰め込みました。

2 野菜を切る!
ミニトマトを半分に、にんにくはみじん切りにしておきましょう!
魚を処理した後にまな板を一度洗うのが面倒でした。次からは事前に切っておこうと思います!

3 魚の両面を焼く!(中火)
野菜が切れたら準備完了です!
フライパンにオリーブオイルを引いて両面を焼いていきましょう。

今回は準備できなかったのですが、ここでクッキングシートを使って皮がくっつかないように工夫することで見た目も美しくなるそうです。今回は皮がはがれてしまいました!

4 野菜・貝投下!(強火)
 ニンニクとミニトマトを投下してニンニクの香りが出てきたら貝を入れます!

トマトとニンニクを加えた様子

貝に関しては、今回は三宅島で獲れたオキアサリを使います。
 
オキアサリとは正式名称はベッコウガサというカサガイの1種です。

https://www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/14miyake/miyakehp/sakanaver2.pdf#page=90

2枚貝ではないので、一般的なアサリのように「火が通ったら開く」というようなわかりやすいサインはありません。そのため、今回はスープの色が濁ったら完成という事にしました。
 
5 白ワイン投入!(強火)→水投入(強火)
貝を入れた後に白ワインをかけましょう。初めて使ったのでレシピの量以上をどぼっと入れてしまいました。その後強火で煮続けてアルコールの香りが飛んだら、水を入れましょう。
6 煮る!(強火)→オリーブオイル投入!(強火)

スープが白く濁るまで強火で煮て、スープを回しかけ続けました。煮詰まり防止で適当に水を足しながら火にかけましょう。少し濁り始めたらオリーブオイルを入れて乳化を加速させます。

7 乳化してスープが濁ったら完成!

思ったよりスープが煮詰まった感がありますが完成しました!
 
スープはキンメダイとオキアサリのうまみが出ていて、濃厚なコクが味わえました。
キンメダイの身とオキアサリはもともとおいしいですが、にんにくとトマトのうまみも吸っていて、さらにお酒に合う感じになっていました。
見た目は崩れてしまいましたが、初めてのアクアパッツァにしては上出来ではないでしょうか。
 
感想
魚を捌くにあたって最も抵抗感のある内臓をとるところさえ越えてしまえば、あとは野菜を切ったり、煮たりするだけで簡単でした。
確かに内臓をとる際は勇気と覚悟が必要でしたが、それを終えた今「吾輩は魚の内臓を引き抜いた経験があるが、貴様はどうなんだ?」という強者のマインドを持つことができ、日々の生活の中でも自信がつきます。
今回は手袋を使いませんでしたが手袋を使うことで触感が緩和でき抵抗感は低くなるはずです。
何よりアクアパッツァは見た目にもおしゃれですし、簡単においしく料理できるので初心者の方にもおすすめです!

☆お知らせです☆
そんなキンメダイをはじめとした三宅島のおさかなが満載の三宅島さかな図鑑をご存じでしょうか。第3版発刊当時の記事はこちら↓
https://note.com/miyakesangyo/n/na9cdc4d614ca
 
さかな図鑑の現物は下記の場所に貸し出し用を設置させてもらいましたので、お立ち寄りの際はぜひ手に取ってみてください。
☆設置場所☆
 阿古船客待合所内三宅島観光協会、三宅村役場、三宅島空港
 
設置場所には三宅島さかな図鑑のQRコードを貼りだしております!検索が面倒な場合はこちらを読み込んでご覧ください!

直接飛べるリンクも貼っておきます。
https://www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/14miyake/miyakehp/sakanaver2.pdf
 
三宅のおさかなをたくさんご覧いただけますので是非ご活用ください!
 
「魚を捌いてみたシリーズ」第1回、見た目はさておき、味は大成功でした!
 
次回はアオダイを調理していきます!

全3回と銘打ってますが、好評であれば4回目以降も随時行うつもりです。4回目以降のメニューは決まっておりませんので、初心者でも挑戦できそうな魚料理や自分では勇気が出ないけど他人が作っているところは見たい魚料理、等々アイデアがあればコメントしてもらえると嬉しいです!


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