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社内ツイートを発信した理由(番外編)

今日は、2022年の最終日。

去年、今年と、駐在中に発信したマネジャー向けの社内ツイートをもとにして、説明を加えたnoteを毎週発信してきた。
noteの元情報となる社内ツイートを、海外駐在中になぜ発信する気になったのか、振り返っておこうと思う。

2022年1月まで、海外駐在24年以上の経験の結果、見えてきたことの一つは、駐在中の業績成果をあげるだけでは真の満足感が乏しいこと。

駐在経験が長いと、多くの駐在員を見ること、話すことが増える。
駐在員のナショナルスタッフ(N/S)に対しての小さな不満は、
「自走・自律がもの足りない」「もう少しがんばって欲しい」
…… これって、20年前から大きくは変わらない。
そして、
帰任が決まった人と話すと、「現地に何を残せた?」と自問する人が多い

駐在員は期間限定の活動。
日本からの指示で、どうしても駐在中の短期成果が求められる。
20数年前の私もそうだったように、
時間経過とともに駐在員自身のパフォーマンスが上がるので、
自らの領域を広げて成果を出そうとする

それはそれで大切なことではあるのだけれど。。。。

日本人駐在員が檄を飛ばして得た成果は砂上の楼閣。
ガンガン攻め立てて動かした組織は、攻め立てられる事に慣れてしまって、指示されたことの達成に邁進する。
指揮官が帰任したら、ほっとした途端に緩んでしまう。
それまでの成果があっという間に壊れてしまう危うさがある。

駐在員が自らが、
  がんばって、
  指示を飛ばして、
  N/Sを動かして、
  成果を追い求める姿勢だと、
がんばって成果を求めれば求める程、
N/Sの姿勢が自走・自律から遠ざかるジレンマ

それに気付くまでに、10年以上かかった。

スピードが要求される現在、10年もかかって気づいたのでは手遅れ、同じ時間をかけることは許されるものではない。
拠点の永続的な変革文化って、どうすれば得られるんだろう。
同時に、駐在員の満足感を得る取り組み方ってなんだろう。

海外駐在員の活動の積み上げで
いいDNAの種を蒔くことが実は大切な活動。
日系企業のいいDNAが海外の各拠点に根付きますように。

カナダの前の駐在地、タイで得られた結論は、3つのポイント。
  (1) N/Sの能力を引出す対話
  (2) 自走/自律を経験する権限委譲
  (3) 成功体験からの自己効力感
この3点を大切にする環境を創り、文化を全員に浸透させる。
いいDNAを残すとは人材が育つ連鎖を生む環境、文化を創ること。
言い換えれば、
成果の刈り取りと並行して、N/Sのリーダーシップ開発の種蒔き活動。

「そのためになにができる?」
それを考え続けたのが2022年1月まで過ごした最後の駐在地、カナダ。

対話のレベルを上げようと導入した、コーチング・コミュニケーション。
タイのその前、中国の駐在の時から始めた定期的な1on1 Meeting
1on1の対話はタイ、カナダでも実践。
でも、
1on1だけでは価値観を共有する頻度が足りないな、と思ってきた。

ちょっとした価値観だったり、毎日の活動の中で見つけた気づき
をシェアをする機会はなかなか作れない。
その一方で、そうした
 小さな日常のメッセージ発信の繰り返しが、実は必要
なんじゃないか?

私の価値観を知ってもらうコミュニケーションってないだろうか?
組織の階層的な指示命令ではなく、
 強制はしないチョットした提案、ナッジ。
 選択権はあなただよ、を確実に伝えられる手段
って何だろう

出てきた結論が、社内ツイート
マネジャーに対して発信しようと。
1通のメッセージ、ツイートの影響力は小さいけれど、
繰り返し続けることで価値観の共有や行動選択の参考に
なるんじゃないかな。

ツイートで価値観を伝える?
賽の河原の石積みみたいな、際限のない活動にもみえるけれど。。。

とは言え、結果は、
 コロナ禍で正解の無い状況の中で対策を考える自走力がついたし、
 生産変動の中でも業績成果を上げ、
 次の工場拡張の投資計画も自分たちの考えをまとめ上げた。
人づくりができたから、成果もついてきたと自画自賛。

今海外で駐在している人、今から海外駐在になる人にも、
 成果の刈り取りだけじゃなく、いいDNAの種蒔きをして欲しい
そのための参考になればいいな。

3年間のカナダ駐在中に発信した、社内ツイートの総数は260。
2022年で♯248まで発信したので、残りは12個。

2023年には社内ツイートの次、新しい発信を考えないとね。
次の構想を練りながら、2022年を締めくくろうと思います。

2023年は海外駐在の方に特化したコーチングやメンタリングも始めます。
興味を持った方、こちらに連絡下さい --≫ coach.miyake1959@gmail.com

記事を読んでいただいた皆さん、どうもありがとうございます。
2023年もよろしくお願いします。
どうぞ良いお年をお迎えください。


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