マガジンのカバー画像

漫画の感想

143
昭和生まれの私が読んだ漫画の感想。古いのも多いけれども新しいものもあります。
運営しているクリエイター

#漫画

荒川弘 (銀の匙)

荒川弘 (銀の匙)

実はこの本「鋼の錬金術師」に比べると地味な印象だったので、なかなか手を出さなかったのだけど・・・読んでみるとやっぱり面白い。

舞台は北海道。そして動物が出てくる青春グラフィティ!

と言うと「動物のお医者さん」(佐々木倫子)や「じゃじゃ馬グルーミン☆UP!」(ゆうきまさみ)が頭に浮かびます。

旅行に行った時、北海道って広いな~!って思ったけど、ただ単に広いだけではないんですよね。自然と格闘しな

もっとみる
北条司 (ファミリー・コンポ)

北条司 (ファミリー・コンポ)

男にしか見えない母親と、女にしか見えない父親。
そして、男か女かよく分からない子ども。そういう家族と共に暮らす事になった主人公。
一見何だかめちゃくちゃな設定だけど、内容は結構真面目。
男とは・・・?女とは・・・?・・・という事を考えさせられる作品。

結局、男とか女とかそういう観念に縛られる事なく、大事なのはその人の人間性・・・という事に尽きるという事でしょうか?

最終回、中途半端な感じで終わ

もっとみる
永尾まる (猫絵十兵衛御伽草紙)

永尾まる (猫絵十兵衛御伽草紙)

お江戸ファンタジーとでもいうのでしょうか?

猫絵師の十兵衛が主人公なんだけど、この<猫絵師>っていうのはネズミ除けの猫の絵を描く絵師のこと。

実際にそういう職業が江戸時代にあったというから、お江戸の生活は面白い。

この作者、資料を集めてかなり江戸を研究しながらこの作品を描いているようです。

あ、勿論、想像で描いてる所もありますけどね。

第一、人間の言葉をしゃべる猫なんて実際にはいませんか

もっとみる
山田章博 (おぼろ探偵帖)

山田章博 (おぼろ探偵帖)

「紅色魔術探偵団」のセルフイミテーションだと思ったが、作者が自分の心中では別物だと思っている。と言っているので、別物なのでしょう。

主役の三人組の設定は、非常によく似ている。
・・・が、似ていようが、いまいが、面白ければ良い訳で、どちらも面白くて私は非常に気に入っている。
江戸の風情もよく表しているし、何より、絵が美しい。線が生きているし、色の塗り方も素晴らしい。
この作品の中で一番好きなのは、

もっとみる
あすなひろし (青い空を、白い雲がかけてった)

あすなひろし (青い空を、白い雲がかけてった)

すっきりした画面。きれいな線。ちょっと独特な動きの表現。
ギャグっぽいかと思うと、スッとシリアスになる、「間」というか、「テンポ」というか、それがいい。
必要最小限度の背景しか描いてないが、手抜きには見えない。
(笑)きちんと描くところは、きちんと描いているからだろうか。
雪の表現は、白い部分には何も描かず、ベタ部分にホワイトで雪を描くのが多い。
(単行本2巻P202・203は珍しく、白い部分に雪

もっとみる
星野之宣 (宗像教授伝奇考)

星野之宣 (宗像教授伝奇考)

宗像教授・・・格好いい!!・・・と言うと、たぶん子供達に「お母さん好みのハゲだもんね」・・・と言われそうだが、ハゲだから好きなのではなくて、好きなのがたまたま「ハゲ」だというだけなのです。
三つ揃いに黒いコート(ああいうのって何て言うんだっけ?)帽子にステッキ、そして鼻の下にヒゲをたくわえている。体型も大きくて、いかつい顔。
・・・もう最高!!モロ私の好みのタイプです。もちろん、性格も私好み。頭が

もっとみる
ながやす巧 (鉄道員(ぽっぽや))(原作:浅田次郎)

ながやす巧 (鉄道員(ぽっぽや))(原作:浅田次郎)

私がこの漫画を読んだ時は(2009年)原作も読んでないし、映画も観てませんでした。
以下の感想は当時(2009年)に書いたものです。
この後しばらくして原作を読み、映画も観ました。

タイトルだけは知ってたんだけど、この作品を読んで初めて内容を知りました。
なるほど・・・こういう話だったんですね。
無骨で一途で不器用な男の一生。
なるほど・・・泣けます。

物語としてはとってもいい話です。
でもね

もっとみる
白土三平 (カムイ伝)

白土三平 (カムイ伝)

(これはガロに連載されていた方。少年サンデーに連載されてアニメにもなったのは「カムイ外伝」の方である。)

小学生だった頃、貸し本屋で親が借りていた本をこれは大人が読む本だから・・・と言われつつも、こっそり読んでいた。(たぶん、親は知ってたような気もするが…)

この作品に関しては色々な人が解説をしているので、今更私の様な者が、感想を述べるのもどうかとも思うが、まあ、とにかくカムイたちの哀しみは子

もっとみる
夜廻り猫 (深谷かほる)

夜廻り猫 (深谷かほる)

以下の文章は2017年6月にブログに書いてたものです。当初本屋で何度も目にしながら私の好みの絵柄じゃないし・・・と買うのを躊躇していたのです。でも読んでみるとすごくいい!温かいものが溢れてくるような作品でした。あれから4年。ネットでも読むし、新刊が出るたびに欠かさず買ってます。(原則として)たった1ページで登場人物の今まで生きてきた背景までも読者に想像させるなんてどうしてこんなことが出来るのか不思

もっとみる
萩尾望都 (半神)

萩尾望都 (半神)

この作品はたったの16ページしかない。
・・・にも拘らず、その何倍もの内容が込められている。

体の一部分が結びついている双子の姉妹、ユージーとユーシー。
知性は姉のユージーに。
美貌は妹のユーシーに。
やがて二人は13歳になり、ドクターがある決断を下した。
それは二人を切り離すことだった。
勿論、そうすると自分で養分を作れないユーシーは死んでしまう。
しかし、何もしなければ、二人とも死んでしまう

もっとみる
竹光侍 (松本大洋)(作:永福一成)

竹光侍 (松本大洋)(作:永福一成)

これは凄い!
文句なしに凄い作品だと思います。

絵、ストーリー、キャラの魅力、どれをとっても素晴らしいの一言に尽きます。
これだけ三拍子揃っていいと思える作品にはなかなかお目にかかることが少ないんですよね。

実は・・・この作者の絵は私にとって苦手な部類に入るのです。
だから、「ZERO」と「ピンポン 」は読んだけど、その後読んでないんですよね。
頭では良い作品だと理解出来るけれども、感覚的には

もっとみる
恋のめまい愛の傷 (一条ゆかり)

恋のめまい愛の傷 (一条ゆかり)

婚約者・亮とともに3年ぶりに帰国した更紗を空港で出迎えたのは、3年前、愛し合いながら仲を裂かれた年下の恋人・琳だった。
亮と琳は両親の離婚で苗字の変わった実の兄弟だったのだ。
更紗の心は激しく揺れる・・・。

年下趣味だという作者の願望がモロに出ている作品?(笑)
結構、内容的にはドロドロ系だと思うのだが、
憎しみが渦巻くとかいう感じではないせいか、案外あっさりと読めた。
ラストが一応ハッピーエン

もっとみる