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デザイナーのスキルアップに「必要なもの」とは? MIXIデザイン本部 3人の室長に語ってもらった

デザイナーがスキルアップやキャリアアップを目指すには、どのような方法があるのでしょうか?

今回は、MIXIのデザイン本部内にある「プロダクトデザイン室」「動画クリエイティブ室」「ブランドデザイン室」の室長3人に、それぞれのスキルアップ方法を聞いてみました。

普段から仲が良く、カジュアルにコミュニケーションをとることが多いという3人が、日々実践している方法や経験談を共有してくれました。この記事を通じて、デザイナーの皆さんが成長のヒントを見つける手助けになれば幸いです!


姜 少眞(かん そじん) プロダクトデザイン室 室長
2007年8月 中途入社。入社当初は、ディレクターとしてSNS『mixi』のソーシャルミュージックサービス立ち上げに携わる。その後、韓国語版モンスターストライクの運用に携わる。2015年12月からクリエイティブグループに参加、テクニカルデザインチームでリーダーを経験し、現在はプロダクトデザイン室 室長として活躍。

越智 純平(おち じゅんぺい) 動画クリエイティブ室 室長
2015年 中途入社。入社当初より『モンスターストライク』のYouTube動画制作を担当し、コンテンツデザイングループのマネージャーに就任。「XFLAG PARK」や「MONST FREAK」へも運営サイドとして携わる。現在は、動画クリエイティブ室 室長として組織を牽引する。

安井 聡史(やすい さとし) ブランドデザイン室 室長
2017年6月 中途入社。モンスターストライクのサウンドディレクション業務などを経て、2018年4月よりサウンドグループのマネージャーに就任。2022年よりデザイン本部 Designer Relationsグループへ異動し、デザイン職向けのイベントや新卒社員研修の企画・運営に携わる。2023年よりブランドデザイン室 室長に就任。

3人の室長が成長のために「意識」してきたこととは?

——まずはプロダクトデザイン室・動画クリエイティブ室・ブランドデザイン室の各役割を教えてください。

姜: プロダクトデザイン室は、その名の通り、MIXIが手がけるプロダクトのUI/UX・コミュニケーションデザインを担当している部署です。

各プロダクトがMIXIのコアバリューであるコミュニケーションをしっかりと体現できる状態を目指したユーザー体験(UX)作りにコミットしています。

またプロジェクト実績に基づいたナレッジやノウハウを社内に共有することで、プロダクトのUXの向上を目指しています。

越智:動画クリエイティブ室は、MIXIの企業理念の一つであるMIXI WAY「ユーザーサプライズファースト」を軸として、企画・演出から制作(アウトプット)までを一貫して行う部署です。

ケイパビリティである動画の他に配信やイベント、SNSの運用なども行い、さまざまな事業のグロースに貢献しています。

安井:ブランドデザイン室は、MIXIの企業理念、PMWV(PURPOSE / MISSION / MIXI WAY / VALUES)の社内浸透を、デザインの力を使って推進することでパーパス経営の実践に貢献していくことを目指しています。

「デザインの力を使ってPMWVの浸透を」と安井

——今回のテーマは「デザイナーのスキルアップ方法」です。皆さんが実践してきたことをぜひ教えてください。

姜: そこまで強くスキルアップを意識したことはないかもしれないけれど……時代や業界の変化の速さについていけるよう常にウォッチしてきたと思います。

私が仕事を始めたばかりの頃はガラケー全盛期でしたし、そこからどんどん新しい技術が生まれて、その変化についていくのにとにかく必死。ついていけなくなったら、すぐに置いていかれる怖さはありました。

越智:WebサイトをフルFLASH(フラッシュ)で作るのが流行った時代とかありましたよね。

姜: そうそう!苦労して身につけたスキルが数年後には時代遅れになる体験もしましたね(笑)

デザイナーは自分が知っているもの・経験しているものの幅がデザインの幅にもつながると思うので、今の世の中はどうなってるの?業界にどういう変化があるの?新しく出た技術はなに?など学び続けることをすごく大事にしていました。

越智:私は「MIXIに何かあったとき、自分には何が残るだろう?このまま放り出されたとして転職できるのだろうか?」と考えたときがあって、そこが自分のキャリアやスキルアップを意識したタイミングです。

学生の頃からカメラや編集ソフトに触れていて、大学卒業後はCM制作の会社に就職し、プロの業界で映像制作に携わりました。MIXI転職後は今までの経験を活かし、YouTube関連を担当しました。

YouTube編集は機材やソフトが昔に比べると安価で手に入りやすく、素人でもセンスや勘所が良ければできてしまいます。むしろその素人感が残ってる方がYouTubeにはあっている。なので「YouTubeっぽさ」の研究もしましたが、具体的なスキルは身につけずぬるま湯に浸かった状態で仕事をしていたかなと思います(笑)

でも、このままだと何も残らないと気づいたあたりから、映像や動画を軸にスキルを伸ばしていきました。生配信をやってみたり、イベントの企画や運営をやってみたりと、自分が得意とする領域から少しずつ範囲を広げていって。ジェネラリストとして、どれだけ自分の枠を大きくできるかは意識していた点です。

安井:今までけっこういろいろな仕事を経験してきたのですが、任される仕事に対して「どう応えたらいいんだろう」「自分のスキルをどう活用すればいいんだろう」と考え続けることを大事にしていました。

要望に対して100%で返すだけでは自分の価値を感じてもらえないから、110%を目指すみたいな。120%はけっこう大変だけど、110%なら頑張り続けられそうだと思っていましたね。その積み重ねで、スキルアップしてきたと思います。

(左から)越智、姜、安井、デザイン本部 室長の3人

スキルアップの原動力は「危機感」かも。

——皆さんのこれまでのキャリアの中で、特にターニングポイントとなったエピソードを教えてください。

越智:20代前半にゲーム会社の契約社員として働いていたとき、会社の業績が悪化し、入社して半年で契約が更新されなかったことがありました。この突然の出来事にショックを受けつつも、自分の仕事を客観的に見つめ直すきっかけとなりました。

改めて「自分の仕事」を振り返ってみると、いろんなことを吸収しようという意識が足りなかったと感じました。もっと前向きに取り組んでいれば会社にとって必要な人材だと判断され、結果は変わったかもしれないですし反省しかないですね。

この恐ろしさを経験したことで、ぬるま湯状態の自分に対しても焦りや不安を感じるようになりました。

安井:私もフリーを経験しているので、仕事がなくなる怖さはすごくよく分かります。もともとサウンドクリエイターとしてキャリアをスタートして、業界や会社が危ないとか、フリーになっても仕事がないとか、リアルに体験してきたのでその危機感はものすごく共感します。

越智:「スキルアップしよう」というよりも、「自分のやれることをどんどん増やしていかないと、社会で生きていけない」と痛感した、というのが近いと思います。AIに仕事を奪われるとか最近耳にしたりするじゃないですか?これからのことを考えると「AIにできることをやっているだけで大丈夫なのか?」という不安が大きくなっていくと感じますね。

「危機感や挫折の経験がターニングポイント」と越智と姜

——姜さんはいかがですか?

姜:仕事に対する捉え方が大きく変わったのは、間違いなく出産です。以前の私は自我が強く(笑)、自分のやりたいようにできないと気が済まないタイプでした。

自分の企画を通し、自分が成果を出すために動いていて、今思うと非常に自己満足な仕事の仕方をしていたと思います。そんな私に新しい価値観を教えてくれたのが子供です。何一つ思い通りにならない……でも諦めることもできない…

この経験を通じて、挫折にも似た感覚を味わい、自分の基準を相手に要求するのをやめるようになりました。そして、相手の考えを受け入れて何かを成し遂げる楽しさを知るようになりました。

越智:スキルアップでいうと、マネジメントスキルが上がってるんでしょうね。

姜:確かに。マネジメントする上での心構えに近いかもしれないですね。その人を理解しようとすることとか、自分との違いを受け入れることとか、今はチームや組織でどう貢献するかに意識が向いていますね。

安井:私もチームや組織の視点は大きく変わったと思いますが、それには妻の影響が大きかったです。

妻は常に自分の優先順位を一番低くしていて、家族や友人のことばかり考える人なんです。いつも「世界平和が……」と話していて、最初は本気で世界平和を考えている人がいるんだと驚きました。

でも、それを見て私も本気で世界平和を考えてもいいんだ、という感覚に変わっていきました。

姜:すごい!素敵ですね。

安井:大きな概念ではあるけれど、人の幸せを願う思考はすごく影響を受けているし、仕事にもつながっていると思います。

「伸びるデザイナー」の共通点とは?

安井:さっきの話に続きますが、誰かにとっての幸せを常に考え続けられるかどうかは、大切な思考のポイントだと思います。

デザイナーとして、プロダクトやサービスを通じてユーザーのハッピーを生み出し続けていれば、それは成果と言えるでしょうし、ハッピーを生み出し続けられているという状態は、成長できていると言って良いのではないかと思います。

姜:伸びるデザイナーの共通点は、いろんなことに興味関心があることだと思っています。経験したことがそのままデザイナーとしてのアウトプットになるので、経験に投資をしている人とそうではない人は大きな差が生まれるんですよね。

今のままでいい、これで居心地がいいと考える人もいるけれど、きっと成長幅は狭い。もっと学びたい、成長したいという意志がある人は、明らかに行動が違う。だから成長するんだろうなと思っています。

越智:「素直な人」「負けず嫌いな人」、そして「楽しめる人」が成長する人だと思います。「素直な人」が良い理由は、仕事をしていく中で先輩や後輩を含め、さまざまな人からたくさんの意見をもらい、それを自分の中でしっかりと噛み砕き「こうしたほうがもっと良くなるかも」と取り込めるからです。これは非常に重要な要素だと思います。

「負けず嫌いな人」は、誰かが作った良いものを見て「負けられない」と感じることができるかどうかです。もっと勉強しよう、もっと上手くなりたいと思う原動力になります。自分の弱さやできていない部分を認めて、それを克服しようと努力できる人は強いですよね。

姜:そうですよね。新入社員を見ていても、素直さと負けず嫌いを持ち合わせているかどうかで、成長角度は全く違いますよね。

越智:あとは「夢中になれる人」ですね。時間を忘れて没頭している人は、必ず成長します。目の前のことを楽しんでいる人は、自然と夢中になりますから。

私が大事にしている考え方は、仕事を楽しむことです。仕事は楽しくないものだと考える人もいますが、私は仕事は楽しいものであってほしいと思います。極端な言い方をすれば、楽しんでいなければ、良いクリエイティブは生まれないとさえ思っています。

だからこそ、室長としてみんなが楽しく働ける環境を作りたいですし、それが私たちの役割だと思っています。

以上、いかがだったでしょうか。

それぞれのキャリアを振り返り、成功体験や苦労した経験を踏まえて「デザイナーのスキルアップ方法」について3人の室長に語り合ってもらいました。

まだまだ話題は尽きない様子。またの機会に対談企画をお届けしたいと考えています。


MIXIでは共に働き成長を楽しめるデザイナーを募集しています。