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1-4.最初の「大学生版書く力をつけるプログラム」3

当初の計画から大きく外れて、話が長くなってしまったので、この辺で巻きを入れて、この投稿で初回のプログラムのことは終わりにしたい。(希望的観測)

さて、2日目。
前回の振り返りをし、目標を再度確認した後は、ワークに入る。

今回はまた同じペアで、インタビュアーとインタビューイーを入れ替える。
前回とは違うインタビューシートを用意した。
これも山田ズーニーさんの「考えるシート」からのものを使う。
前回同様、インタビュアーを教室の隅に集め、図(トップ画像)とシートをみせながら、
この人の居場所(フィールド)はどこか?
そこでの人の関わりを通して見えてくる、
この人の存在感を引き出すことを目指してください。
この人は、どこで、どんな人々と、どう関わって、
どのような存在感を持っているのか?がわかるように、
質問をしてください。
」と指示。

前回のシートは、時間軸と空間軸を意識してその人の主旋律をあぶりだすものだった。
今回は、その人の居場所(フィールド)を意識し、その人がどんな場でどんな存在感を持っているのかを引き出すもの。

今まで考えたこともないことを考えることに意義がある。
私はそう思う。
自分の中に新しい問いを投げることは、気づかなかったけど在ることに気づけるいい機会だからだ。
人は自分の意識上にあがっているものしか「自分」と認識しない傾向にあるが、実は気づいていないだけ。言語化されていないその人の思いや価値観は潜在意識としてたくさん眠っている。それに気づくと、自分自身がもっと豊かであることに気づくし、自分を見る目、人を見る目、社会を見る目が変わると思うのだ。

このワークをやる目的は、そこに大きくある。
この1回のワークで、自分らしさが全部わかるわけではないし、わかる必要もないと思う。一つでもいい。自分の知らなかった自分を知ったり、もやもやしていたものが言語化されたり、つながったりする経験をすれば、自分の頭だけの理解は、狭くちっぽけなものであるとわかる。
そこに気づいてほしいと思った。
新しい、広い視点を持てば、その視点から見る自分らしさはより大きく広く深くなっていくだろう。それを見守る自分自身を見る目も変わるのではないだろうか。

学生の様子をみると、前回のシートに比べ、今回のシートは質問もしにくく、こたえにくそうだった。
居場所とは人間関係を意味する。人間関係をその人がどう考えているのかを居場所ごとにあぶりだすが、それを言語化するのがなかなか難しいようだ。

すぐすぐこたえはでなくてもいい。自分を掘り下げていく中で、つながっていくものもあるし、後でああ!と出てくるものもある。まずは全体を浮かび上がらせていく作業だ。

他者の手を借りて(インタビューしてもらって)、自分を語るシートが2種類、自分の目の前に揃ったら、これから自分をどう語るかを考えるワークだ。

ワークと言っても、ここからはワークシートはない。
自分がこたえた内容が言語化され落とされたシートをみながら、
自分という人間をいかに紹介するかを考えるのだ。
自分が一番アピールしたい部分はどこだろうか?と。

今回は、自己紹介文を作るのが、最終アウトプットだ。
その上で、考えないといけないのは「誰に」この自己紹介をするのかということ。

表現したい相手は一人とは限らない。
ゼミの先生に、ともだちに、就活時の面接官に、合コンの時に、クラブの新入生募集の時に、,、等々、いろんな対象者、いろんなシーンがあるので、それらを使い分ける必要がある。

そうやって、自分の自己紹介を作る時に絞り込む必要を語ると同時に、
そもそも何のためにこのワークをやったのかを少し説明した。

「自己紹介をする時のセオリーとしては、一番何をアピールするかと絞り込む必要がありますが、もともとの自分は、一つではありません。
自分自身には、多面性があります。その多面な自分を知っておくことが大切です。

自分のことを知っておくことは、
自分を自分で評価することにもつながり、
自分がやりたいことを見つけるときにも役に立ちます。
自分を知るってことは、自分を生きやすくするということ。
そういうベースを、自分でつかんでもらう意味での今回のインタビューと自己紹介作成なんです。」

彼らにどこまでわかるのかわからないが、わかってほしいと思いながら、解説とワークをサンドイッチにしながら進めた。

「自己紹介作成のポイントは、
今回2つのシートでやったところにあります。
1つめの時間軸。
”今の自分”はリアルな自分だから、わかりやすいですね。今思っていることをそのまま出せばいい。
そこに、なぜその今の自分になったのか、これからどんな自分になっていきたいかを加えることで、幅が出ます。
”過去から”の自分、そして”今”の自分。”これから”の自分をみていくと、なにかしらの線が見えてくるはずです。
その場その場で生きてきたつもりでも、実はつながっているっていうものがあるはず。
それが”自分の主旋律”。自分の主旋律をじっくりみてみましょう。
何を大事にしているのか、どんなところにこだわっているのか。」

「2つ目の軸というか面ですね。居場所や関係性をみました。
自分だけみていても、自分のことはわからないことがあります。このシートでもそうだったのではないでしょうか。自分だけみていても行き詰ってしまいますよね。
わたしたちは、一人で生きているわけではありません。
他者とのかかわりの中での自分をみていくと、自分は?と改めて考えてみましょう。
まずは自分の周り。属している身の回りから広げて社会、世界と広げていくとどうなるでしょう。どうしたいでしょうか。
自分の魅力や特性、能力はどんな風にみえるでしょう?」

そう問いかけて、
自己紹介作成のための構成を書きだしてもらうワークの時間に入る。
いきなり構成は無理なので、インタビューシートをみながら、自分の特徴がどんな風につながっているのかを書きだしたり、一つを選んで深堀したり
している。
20分くらい時間を取ったので、見回りながらペンが止まっている子には、シートをみてこの辺じゃない?とアドバイスしていく。

ここはもう少し時間を取りたいところだが、先ずは書かせることが大事。
そこからブラッシュアップする時間がほしいところ。

時間が足りなかった子は宿題として、次週は自己紹介文を書きだすところから始めることにした。

※やっぱり長くなる。
あと2日分はまた次回~。

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