私小説の面白さについて(エッセイ)
私小説の面白さは、「自分」という他者を客観的に見ることにあります。
つまり、小説を書くということは、「自分を主人公にして物語を書くこと」です。
他人の人生ではありません。
他人の人生を書くことは、誰にもできないのです。
だからこそ、自分の人生を投影して、主人公がどう生き、何を思い、どう行動するのかを書きます。
主人公は、あなたの分身です。
あなたが歩んできた人生が、そのまま主人公の人生になります。
だから、あなた自身が経験していないことを、主人公は体験できません。
他人から聞いた話や、本で読んだ知識も、すべてあなた自身の体験ではないのです。もし、それを書いてしまうと、それは完全な創作になってしまいます。
それでは、あなたの人生とは何の関係もないのです。
しかし、書き手であるあなたには、実際に経験したことや見聞きしたことを土台にした文章が書けます。
だから、それがたとえフィクションであったとしても、あなた自身が経験したことや見聞きしたことであれば、まったく問題ありません。
あなたが知っていることがらなら、いくらでも書くことができますよね。
それが、読み手にウケるかどうかは別として。
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