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教員を辞めて、目指すもの

「なんで教員辞めたの?」

本当にたくさんの方に聞かれます。
学校が嫌いになったわけじゃない。
学校に関わることを辞めてもいない。

むしろ楽しく子どもたちのことを話している。


「現場に戻りなよ」

「今からでも採用試験受け直そうよ」

こちらも幾度となく言われてきました。


「お金のため?」

こちらもよく言われますが、違います。
なんなら退職後数年は、教員時代の半分の収入しかなくて、たくさんの方が私の生活を心配してくださっていました。


では、なぜ私が教員を辞めたのか。
なぜ今カウンセラーとして現場に戻っているのか。
そして、私がどんな未来を描いているのか。


ようやく書いてみる勇気が出てきたので、
文字にしてみようと思います。
お時間のある方、読んでいただけると幸いです。



教員時代、楽しかったこと


公立中学校で音楽科をしていました。
教員の仕事は、好きでした。


特に好きだったのは
行事指導だったような気がします。

「こんな行事、つまらんのじゃー!」と
多くの子どもたちが言っている行事を

ひたすらに楽しく、なのにどんどん上達するように、だけど大人はほとんど介入せず、子どもたちの力で運営している実感をもてるようにして、最後は「え、もう終わり?」「楽しかったのに」という声が漏れるようにマネジメントをするのが好きでした。


授業は特に活動が好きでした。
肯定的評価のみを使って、短時間でスキルを伸ばすのが得意でした。

音楽科だけど、必要以上の音楽用語を使わず(教えなければいけないものはもちろん教えますよ)上達させることで、音楽嫌いの子もアレルギー反応を示すことなく参加できるようにしていました。

音楽科というだけで「式典での校歌がショボい」とあらゆるところから言われてしまうので、授業が終わっても、教室でも、校歌を大声で歌いながら歩くような、校歌大好き少年たちを養成するのも好きでした。彼らは肩を組んで歌ったり、飛び跳ねながらノリノリで歌ったりしていました。校歌を(笑)


大変なことも、上手くいかなかったことも、失敗したことも、もちろんたくさんありました。

でも、彼らが年齢を重ねて自分の人生を振り返った時に、ハイライトとして語られるできごとが何かひとつでも残ることを願って、毎日を過ごしていました。


職員室での仕事も、好きでした。
退勤は多分平均して22時頃だったと思うけど、
それでも好きでした。

特に好きだったのは、みんなが不便だと感じていたり、こんなんやっても無駄じゃん!と言っているものを、定義や目的を捉え直すことによって、意味ある活動に組み替えていくことでした。


こだわりは、予算をかけないこと。
そして、すぐに取り組めること。

目的がしっかりと定まっていれば、作業の順番を変えたり、人の配置(誰がやるべきかという分担)を変えるだけでも随分と結果は出ます。


先生方は皆さん忙しいので、前日の放課後になってバタバタと準備を始めてしまうことが多くて。
そうすると当然クオリティーも下がってしまう。
そのため私は、大体3カ月先の予定を見ながらいろいろなものを提案するようにしていました。


そんな"誰の仕事でもない仕事"を、自分の仕事が一段落してから夜な夜なワクワクしながら考える時間が、とても好きでした。
Googleの「20%ルール」のようなものを1人で黙々とやっていた、というようなイメージでしょうか。






教員時代、苦しかったこと


一方で、苦しいこともたくさんありました。
特に苦しかったのは、子どもと充分に関われないことでした。


私は学校の中でもよく関わっている方の教員だったとは思います。

でも「関わりたいのに関われない」と思う子どもたちがいました。①教員からの心証が良くない子ども②他クラス・他学年の子どもです。


例えば何か問題を起こしてしまった子ども。
一応納得もしたし、だから相手に謝罪もした。
でもなんだかグチグチが止まらない。

そんな時に話を聞いていると「自分が悪いんだから、そんな話聞く必要ない!」とよく言われていました。

手のかかる子に必要なのは指導であって支援ではないというような、そういう子のグチグチした話は「お前が悪いんだろ!」と一刀両断すべきだというような、一刀両断できないのは指導力がないからだというような。そんな雰囲気が苦しくて苦しくて仕方がありませんでした。


別にこの子は「自分は悪くない!」と主張したいわけじゃない。めまくるしくいろんなことがあったから、ガス抜きをしているだけ。

そう思って私が話を聞いていると「アイツは自分の非を認めていない」と思われて、子どもがさらなる指導(叱責)を受けてしまうことも多く、私は周囲の心証を損ねないように、こっそりと話を聞いたり、楽しい話をしているように見せたりすることに心を砕きました。


自分のクラスの子どもでもそんな調子だったので、他クラスや他学年の子どもの場合は大変でした。

音楽科は学校に1人だったので、私は全校生徒(毎年大体500人程度)の顔と名前を把握していました。

だから例えば放課後とか、保健室で出会った時とか、子どもといろんなことを話すことがありました。


その話が、先ほどのような"心証の良くない話"であった場合、本当にいろいろなことを言われました。(もちろん言わない方も、感謝してくださる方もいらっしゃいました。念のため。)


担任(学年)の指導に口をはさむなとか、関係ないくせに出しゃばるなとか、自分が悪いのに「松本先生なら話を聞いてもらえる」と覚えたらどうするんだとか、「松本先生は聞いてくれたのに担任はなんで聞いてくれないのか」とサービスを要求されたらどうするんだとか、子どもからの人気を横取りしようとしてるとか…。


"チームで対応"って何だろう。
クラスの壁1枚はさむことが、階が1つ違うことが、そんなに大きなことなんだろうかって、いつもいつも考えていました。







だから私はスクールカウンセラーを選んだ


現在私は、スクールカウンセラーとして複数の学校に勤務しています。

クラスや学年を問わず、支援を必要とする子どもたちと、周囲の目を気にすることなく、ゆっくりと話せる立場は何だろうかと、何度も何度も何度も考えて決めました。


私が立場を得たことによって、子どもたちのグチグチとした話を聞いても、子どもがさらなる指導を受けることもなくなっていると思います。


そしてもう1つ、先生方と子どもたちのことや学校全体の体制などについてお話する機会がグンと増えました。

管理職の先生方とは、多分教諭をしていた頃よりもたくさんお話させていただいていると思います。


教員時代、子どものSOSを把握できないことが、SOSを打ち明けてもらえないことが、最大のリスクなのだと、子どもから教わりました。


1校への勤務日数が減った分「いつでも話せる」とはいきませんが、子どもたちの話をゆっくりと聞けることが、子どもたちの話をゆっくりと聞きたい先生方と話をすることが、子どもたちの話をゆっくりと聞ける体制を一緒に考えることが、今の私にできる最適解なのではないかと感じています。







これから目指したいもの


これまで、本当に様々な立場で"学校"に関わらせていただきました。

本務者はもちろん、臨時的任用や非常勤講師、会計年度任用職員…ほとんどすべての雇用形態を経験したと思います。

通常学級だけでなく、特別支援学級(担任)や院内学級、ベテランの先生でも存在を知らない方も多い帰入国教室の担当(担任のようなもの)も経験させていただきました。


音楽科だったことも私の経験の幅を広げてくれました。行事にはガッツリと入らせていただくことが多かったし、マイク1本で学年や全校を動かすこともたくさんやらせていただきました。(これ、意外と経験できない方が多いんですよね。)


役所にも勤務させていただきました。勤務してみた結果、やはり現場だという判断に至ったわけですが、ここでの経験は本当に私の視野をグンと広げてくれるものでした。

また役所では、就学相談に携わらせていただき、就学前の子どもたちや親御さんが、どんな思いで、どのようにして、就学に向かって準備していくのかを知ることができました。


こうして、就学前〜中3の子どもたちや親御さんとお話をする機会をいただき、あらゆる角度から"学校"を見ることで、気づくこと、感じることが増えてきました。

そしてその、気づきや感じたことを、"予算をかけない・すぐにできる"提案と共に先生方にお話することで、状況が改善していくことが増えてきました。

これは、
再現性があるのではないかと感じ始めました。


目的を捉え直すことによって、定義を確認することによって、システムを整理することによって、先生方の心の余裕や時間の余裕が生まれるのではないか。

そしてそれが、学校が好きで、子どもたちともっと関わりたいと願う、誇りをもって働く先生方に、なんらかの形で役立つのではないか。

そうやって、心ある素敵な先生方が活き活きと働かれる学校が増えることが、子どもたちの笑顔につながるのではないか。


私に何がどれだけできるのかは分からない。

でもまずは、気づいたことを発信するところから、ご縁をいただいた子どもたちや先生方の力になるところから、始めてみたいなと思っています。

学校が、すべての子どもたちにとって
幸せに過ごせる場所であるために



最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。



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「教育に自信が持てる力量を。」をテーマに
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学校支援コンサルタント
松本 亜衣

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