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相手の立場になって考える

自分がされたらどう思う?
相手はどんな気持ちだと思う?

「イヤな気持ちだと思う」

…と、自分で言ったのに、また繰り返すんです!!

職業柄、こんな怒りの声をよく聞きます。

相手がイヤな気持ちになったことが分かっているのに、だからもうしないと約束したのに、なぜ同じことを繰り返してしまうのでしょうか。

今日はそんな「相手の立場になる」についてです。



相手の気持ち、本当に分かったの?


分かっているのにまたやった!という時の大人の怒りはすさまじく、子どもがものすごい勢いで怒られている場面を見かけることもしばしば。

相手の気持ちが分からない、という相談もたくさんいただくのですが、「いやな気持ちだと思う」と答えたのに!という相談の方が、大人の怒りが強いような気がします。

きっと、分からずにやったことよりも、
分かっているのにやった方が
罪が重いということなのでしょう…。


そんな時に私が着目するのは、
"なぜこの子は分かっているのに繰り返すのか"
ではなく
"この子は相手のイヤな気持ちが、本当に分かっていたのか"という点です。

相手の子を泣かせてしまって、大人が目の前で怒っていて、どんな気持ちだと思う?と問われれば、模範解答は「いやな気持ちだと思う」しかないだろうと、私は思うのです。
(だってそう言わなければ更に怒られるわけだし…)


でもこれ、決して子どもが「この言葉が欲しいんだろ?」と大人をナメているわけではないんです。

解説しますね。


子どもの発達


「相手の立場で…」と大人は簡単に言うけれど、誰かの立場になって物事を考えたり、相手の気持ちを自分に投影したりするのって、実は結構難しいんです。

発達段階的には10歳以上、つまり思春期以降に身についていく能力だと言われています。

あなたも、私も、小学生のうちはほとんどできていなかったということです。(記憶があると便利なのに…とよく思います)

「イヤな気持ちだと思う」
子どもなりによくよく考えて答えてくれているはずで、子どもは決してウソをついているわけではありません。

でも、その年齢の子どもがもっている知識・経験・発達は…と考えていくことが大切ということですね。



では何が効果的なのか


こんな話をすると「分からないからと言って好き放題させろと言うのか!」と怒られてしまうこともしばしば。

もちろん、分からなくたって相手の立場や気持ちを想像しなければならない場面はありますよね。

そんな時は
・その子が好きなもの
・その子自身が体験したこと など
を軸にお話していくことをおすすめしています。

シンプルに、自分の気持ち!!ということですね。

相手の立場になるという、
①現実に起きていないこと(自分はイヤな思いをしていない)を想像して、②その想像の中の相手の頭の中をさらに想像して③そこから更に自分がとるべき行動を考えて…ということがいかに高度かお分かりいただけたでしょうか。

こうして分解してみると、人間の脳ってよくできてるな…と感心してしまいます。(余談です)


では、発達段階を考えて、ここはシンプルに。
想像は少なく、具体的な対象物で。

「大好きな人(お父さんやお母さん)がされたら、どう思う?」

いやだ!!!!

きっと即答です。(むしろ、悩まないで!)

そこで、
そうだよね、イヤだよね。
〇〇くんもイヤだったよ。
と続けてあげてください。


相手の立場になるべきは誰か


相手の立場になっていなかったのは誰か
相手の立場にならなければいけなかったのは誰か

子どもに「相手の立場になって考えなさい」ではなく、大人が「相手(子ども)の立場になって考える」ことが必要になってきますね。

私はよく「この子の目から、世界はどう見えているのか」というお話をします。

これはなにも「アンタ、子どもの気持ちになりなよ!」と言いたいわけではなく「ちょっと一緒に子どもの世界を体感してみましょう」というお誘いです。

少し一緒に考えていくと「あぁ、そうか…」「そりゃこんな風に思うよね…」と子どもの気持ちが見えてきます。


ちなみに、子どもを理解するために私が個人的によくするのは、子どもの肩越しに世界を見てみるということ。

背後に立つとプレッシャーを感じてしまう子もいるので、しゃがんで、声をかけながら、実際に同じ高さで世界を見てみるんです。

すると、立って見ていた時には分からなかったことがいろいろと見えてきます。
眩しいなとか、暑いなとか、見えないなとか、うるさいなとか…

高さが違うだけでこんなにも違うのかと驚いたことが、何度もありました。(音と温度は特に)

まとめ

相手の立場になって考えるのは、実は結構高度なこと。(大人でも常に自分を客観視するのは難しいですよね)

力が身についてくるのは思春期(10歳頃)以降。

それまでは、自分の気持ちしか考えていないつもりでお話を。

子どもの目から世界がどう見えているのか
ぜひ一度覗いてみてくださいね。



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