大西みつる

(株)デザインリーダーシップ、(株)ヒューマンクエスト代表取締役CEO/立命館大学経営…

大西みつる

(株)デザインリーダーシップ、(株)ヒューマンクエスト代表取締役CEO/立命館大学経営学部客員教授/リーダーズコーチ/人財開発研究家/個人と企業の変革を支援しています/著書は『結果を出す人は修正力がすごい!』https://humanquest.co.jp/

最近の記事

金農高校野球部・チーム変革の軌跡①

 8月5日(金)、金足農業高校野球部のOB会副会長の長谷川寿氏から電話がありました。長谷川さんは、元ホンダ野球部の監督でもあり、現在は管理職として、仕事をしています。彼は金足農業は母校になります。  電話の内容は、「金足農業高校野球部で野球部員同士のいじめがあったこと、事実を重く受けとめて、高野連に報告。野球部の活動は謹慎中の状態・・・。チームの体質を変える必要があると思う。第三者の視点でチームを眺めて、体質改革のために協力してくれないか。」という内容でした。  私は、過

    • ベースボールチーム・コンサルティング

      金足農業高校野球部のチーム変革コンサルティングを行うことになりました。なぜ、コンサルティングを行うことになったのか・・・。以下、9月6日(火)毎日新聞電子版による記事をご覧ください。 日本学生野球協会は6日、金足農高(秋田)の野球部内でいじめがあったとして、3カ月の対外試合禁止処分にすると発表した。  協会によると、2年生2人が1年生3人に対し、入学直後の4月下旬ごろから、部室内で正座を強要して蹴飛ばしたり、硬式球を膝に当てたりしたほか、殴るなどの暴力行為を7月中旬まで続け

      • 私とリーダーシップとの出会い

         野球チーム、ビジネス組織の違いがあってもチームリーダーのリーダーシップが成果や業績に影響することは科学的に証明されています。 しかし、野球チームの指導者をはじめ、ビジネス組織のリーダーまで、自身のリーダーシップが組織の成果を左右する、だから自分のリーダーシップを高めないといけないと、その必要性を強く感じている人はどれだけいるでしょうか。 それぐらい、「リーダーシップ」という言葉は日本に根付いていないと私は感じています。根付いていないと言い切った理由には、「リーダーシップは

        • note記事投稿の方針変更のご報告

          私は現在、ビジネス・スポーツのジャンルを問わず、リーダーの育成、「強い個人」と「強い組織づくり」を目的に株式会社ヒューマンクエストという会社を経営しています。 また、立命館大学経営学部で大学生の皆さんにリーダーシップについてお話しさせていただいています。 今までnoteの記事掲載は私の野球経験から感じていることを自分が生業としているビジネス(経営学)科学の研究と実践のノウハウを野球の現場で起こっていることにあてはめて書いてきました。 どちらかというと、野球界の変革をテーマ

        金農高校野球部・チーム変革の軌跡①

          チームマネジメントの実践Note① チームの理念をきちんと定める

          チームマネジメントの最初の一歩は、「チーム理念」をきちんと定めることからはじめてみるのはいかがでしょうか。ここで、「理念」という言葉について、探求してみたいと思います。 「理念」という言葉を検索していくと、理念 「事業・計画などの根底にある根本的な考え方」。 経営理念 「企業経営における基本的な価値観・精神・信念あるいは行動基準を表明したもの」など、「軸」となる基本的な価値観・哲学という言葉にたどりつきます。 企業経営においては、理念を軸に理念経営を実践している多くの会社が

          チームマネジメントの実践Note① チームの理念をきちんと定める

          少年野球と高校野球をセンスメイキング理論で考えてみた

          経営学のホットな理論に「センスメイキング」という理論があります。人がある経験や起きている現象に対して、能動的に意味を与える思考プロセスを意味しています。この概念自体は、1970年代に組織心理学者のカール・ワイクという人が提唱したものです。日本語に直訳すると「意味づけ・納得」と言う事ができ、経営学の分野で注目されています。 社会変革、イノベーションを起こしていくためには、センスメイキングを活用し、物事の意味づけを変えていく事から始めていく、次に行動を起こすリーダーシップ行動と

          少年野球と高校野球をセンスメイキング理論で考えてみた

          最高のチームのつくり方「チームはそこにあるものではなく、つくるもの」

          プロ野球のチームでも少年野球のチームでも監督のチーム作りの手腕がチームのスタイルや雰囲気を創り出し、選手をポジショニング(配置)する、それら一連のチームマネジメントの結果としてチームパフォーマンスが決定されてきます。 では、そもそも「チーム」って何なのでしょうか?「チーム」になっている状態とは、どういう状態でしょうか。 監督が指示を出し、選手は監督の指示に従って動くもの、監督の指示通りに行うだけでは最高のチームにはなりません。選手個々が今、何をすべきかを状況をみながら考動

          最高のチームのつくり方「チームはそこにあるものではなく、つくるもの」

          野球を楽しめば、子供の創造性が高まる

          野球を楽しめば、子供の創造性が開発される。 子供の育成にとって「創造性」開発はものすごく大切だと私は考えています。楽しめば、創造性が高まること、そのことについて記事を書いていきたいと思います。 「野球が楽しい」の反対に「野球は厳しいものだ」という真逆の意見も存在します。どちらが良い、良くないではなく、「子供の創造性開発」という視点で考えていきましょう。 競技のレベルが、少年野球(小学生)、少年野球(中学生)、高校野球、大学野球、社会人野球、プロ野球とそのレベルが上がるごとに

          野球を楽しめば、子供の創造性が高まる

          子供中心の少年野球が未来人を育む

          そろそろ大人中心から子供中心の野球にしませんか。少年野球はだれのためのものか、その本質に立ち返る必要があると思います。 私は少年野球は「子供中心」の野球、プレーヤーズファーストが理想だと考えています。あくまで、私の主観的な考え方です。 今から15年ほど前、私は、仕事の関係でアメリカに駐在勤務していた経験があります。私が子供の時から野球少年だったことを知っていた職場の同僚のアメリカ人から、「今度の土曜日に子供の野球の練習があるんだけど、手伝ってくれないか」と相談されました。

          子供中心の少年野球が未来人を育む

          プレーヤーズ・ファーストの理念と行動

          野球指導者が基本の「き」として知っておいた方がよいと思われる人と組織の科学を「野球指導学」という形でまとめていきたいと思います。 第1回目は、「プレーヤーズ・ファーストの理念と行動」についてです。 私は企業における人と組織の課題に戦略人事コンサルタント、経営学研究者の視点から日々向き合っています。専門は、組織行動論(組織の中の人間行動)です。会社の中でどうしたら「人の個性や能力を発揮させられるのか、それを支えるマネジメントやリーダーシップとはどのようなものか」や「企業内教

          プレーヤーズ・ファーストの理念と行動

          野球指導者の学び直しの大切さ

          野球指導者は、「基本の大切さ」について、誰もが理解していると思います。でもその基本がアップデートされてきていることを指導者たちは見過ごしてしまいがちです。この傾向は、野球界に限りません。日本社会全体としての傾向だと私は感じています。例えば、私が専門とする「リーダーシップ」ですが、 時代とともに研究が進み、リーダーシップの基本や考え方がアップデートされてきています。一人ひとりが組織の向かうべき方向を考え、理解したうえで、いま置かれている状況で主体的に行動すること。 「人を引っ

          野球指導者の学び直しの大切さ

          社会と会社への適応に苦労する野球エリートの姿から思うこと

            仕事の本質とは「問題を解決する」ことに他なりません。 人から「求められる仕事」で結果を残すことが、自分の評価や市場価値を決めるからです。自分の実力が認められるかどうかについては、仕事と野球には共通点があります。 私は企業研修を通じて、多くの若手社員、新入社員たちと接しています。 印象的だった出来事がありました。 新入社員のNさんが私に近づいてきて質問をしてきました。「大西さんは、野球でホンダに入ったんですよね。僕もボーイズリーグ(少年硬式野球)で野球をやってきて、高校

          社会と会社への適応に苦労する野球エリートの姿から思うこと

          大西みつる |プロフィール

          大西みつる |オオニシミツル |Mitsuru Onishi HRBP(戦略人事パートナー)、立命館大学経営学部客員教授、NPO法人スポーツ指導者支援協会理事 <プロフィール>株式会社ヒューマンクエスト代表取締役社長。立命館大学経済学部卒業後、本田技研工業株式会社に入社。鈴鹿硬式野球部でプレーした後、マネージャー、監督を歴任。戦略マネージャーとして、都市対抗野球大会日本一に貢献。野球引退後に筑波大学大学院ビジネス科学研究科で経営学修士を修了。社業に専念してからは、日米双

          大西みつる |プロフィール

          プレイフル・ベースボール

          陽気で楽しく野球ができること。それを「プレイフル・ベースボール」と名付けました。あえて、プレイフルを強調したのは、少年野球や高校野球における行き過ぎた「勝利至上主義」に対するアンチテーゼでもあります。好きで始めた野球がどんどんとプレイフルではなくってしまう・・・。そのような場面に遭遇してきました。勝利至上主義は、ビジネス社会における縮図。売上至上主義、結果至上主義とダブって見えてしまうのは私だけではないと思います。 楽しく野球をやるなど、あんたわかっちゃいないね!と批判をい

          プレイフル・ベースボール