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チームマネジメントの実践Note① チームの理念をきちんと定める


チームマネジメントの最初の一歩は、「チーム理念」をきちんと定めることからはじめてみるのはいかがでしょうか。ここで、「理念」という言葉について、探求してみたいと思います。
「理念」という言葉を検索していくと、理念 「事業・計画などの根底にある根本的な考え方」。 経営理念 「企業経営における基本的な価値観・精神・信念あるいは行動基準を表明したもの」など、「軸」となる基本的な価値観・哲学という言葉にたどりつきます。

企業経営においては、理念を軸に理念経営を実践している多くの会社があります。代表的なところでいうと、トヨタ自動車、本田技研、京セラ、ユニ・チャーム、スターバックスなどでしょうか。企業理念は、企業哲学などという言葉に置き換えられて語られることも多々あります。

理念なき行動は凶器、 行動なき理念は無価値。

英語 Behavior without philosophy is a weapon, and philosophy without behavior is worthless.

は、本田技研工業の創業者である本田宗一郎氏の言葉です。

「理念」を本質として、立ち戻り、少年野球チームの理念とはということかを少し論じてみたいと思います。

理念は、簡単な言葉でいうと、「在り方(Being)」といえます。どうあるか(Being)を明確にしなくては、どこに向かって自分たちは進むのかが不明確です。そして、在り方が不明確であれば、具体的な「やり方(Doing)」に繋がっていきません。

しかし、チーム運営に目を向けると、どうやるかの「やり方(Doing)」の議論、流行の野球技術のみに目線がいき、指導者としての本質やチーム運営の軸となる思想と哲学が曖昧というケースが散見されることも事実です。

なぜ、勝利至上主義に陥ってしまうのでしょうか。目の前の勝利、勝つことに目線がいくからです。では、なぜ、目の前の勝利に目がいくのでしょうか。「チーム理念、指導者としての指導理念が曖昧なまま、チーム運営をしていると、勝利至上主義に陥りやすい」と私は考えています。

何のための少年野球、高校野球なのかの存在理由、「理念」に立ち返らなければなりません。勝利至上主義ではなく、プレーヤーズ・ファーストとは何かを問い続け、チーム理念を定めることが大切です。チーム理念が定まれば、その理念達成に具体的に何をやるのかも定まってきます。

理念に立ち返り、野球を眺めた時、たくさんの違和感が生まれてきます。理念と現状のギャップが解決すべき課題でもあります。

では、ここでチームの理念を策定してみたいと思います。私の本業である、ビジネスコンサルティングの手法を活用し、チーム理念を作成してみました。(下の図をご参照ください)

ピラミッドの頂点に「理念」をもってきています。そして、理念を達成するための中期長期ビジョン、チーム戦略、理念を基にしたグランドでのコーチング&マネジメント、そして、試合&練習という形でピラミッドでわかりやすくまとめてみました。いかがでしょうか。

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チームには、複数の利害関係者が存在します。まずは、「選手」、そして、「選手の親御さん」、「他チーム」、「審判」、「連盟」、「学校」など、自分たちのチームが何のために、誰のために、どんなやり方で目的を達成しようとするのかの「ストーリー」が必要です。

理念を基にチームを運営していくことは、そのチームの独自化を表現していることにもつながります。チームマネジメントの良し悪しもはっきりしてくるのではないでしょうか。また、少年野球の指導者は皆さん、大人です。生まれも育ちも、野球経験がある、なしに関わらず自分自身の経験から学んだ考え方、信念、こだわりみたいなものがあり、それらは利害関係者の中で暗黙に語られますが、チームの利害関係者全員で共通認識と共通言語化されることはあまりありません。チームがチームとして機能していくためには、「理念」を軸に組織化していくことが必要です。

「理念」を言葉にして、「目で見える化」する。それを基にチーム運営を実行する。「在り方としてのチーム理念」と「チーム理念に基づく、指導法、チーム運営法」が上手く機能していくようにマネジメントしていく事、それができれば素敵なチーム、素敵な野球界になれると私は考えています。


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