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勉強は好きなことをやるのが一番! 東大に入って分かった、子どもの目線からの「理想の子育て」


皆さん、お久しぶりです。
現役東大生ライターの縹(はなだ)峻介です。
 
前回は、東京大学特有のシステムである「進振り」にフォーカスし、色んな東大生の進振りエピソードをご紹介しました。

今回はもっと個別の事例を深掘りするということで、私が所属している理学部物理学科を選んだ理由や、そもそも東大に進学した理由などをご紹介したいと思います。

 

・理科に興味を持ったきっかけ

私は大学で、宇宙重力波望遠鏡の打ち上げに関する研究を行っています。より詳細に言えば、「重力波を計測できるほどの精度で、衛星間の距離を測定する方法」についての研究です。

まあいわゆるゴリゴリの理系人間なわけですが、私が理科に興味を持てたのは、幼少期の経験が影響しています。

私は小学生のころから博物館や科学技術館などの文化施設や、青少年のための科学の祭典という年一のイベントに毎年連れて行ってもらっていました。おかげで自然界の仕組みやテクノロジーの面白さといったものに触れる機会が多く、自然と理科に興味を持つようになりました。

母から教わったピアノには全く興味を示しませんでしたが、父に連れられた大阪市立博物館では大はしゃぎし、父親を置いて1人で館内を回り尽くしていたほどです。特に、1階にあった水力発電の仕組みを紹介する大きな機械や3階にあったピタゴラスイッチもどきが好きだったことを今でも覚えています。

そのため、小学校での成績も国語(特に漢字)や社会は苦手でしたが、算数や理科は抜群によいという感じでした。小学4年生になってからは(比較的遅いですが)公文に通い始め、小学5年生ではもう数学に手を出してどんどん進めるようになりました。そんな私を見て、母親が自分のツテで元高校数学教師の方に依頼し、数学の家庭教師をしてもらうことになりました。
 
このように、数学や理科のペーパーテストが出来たことに加え、学校の外で理科に関する面白い体験をさせてもらった結果、数学や理科に関しては困ることはなく高校受験勉強にも勤しむことができ、結果として県トップの公立高校に入学することができました。

もし小学生の時に、親が苦手な国語や社会にあれこれ口出しして無理に伸ばそうとしていたら、勉強が嫌いになっていたかもしれません。ドラゴン桜2で「子どもには好きなことをさせるのが一番」というシーンがありましたが、読んだ時は大いに共感したものです。

・理学部、そして東大を目指したきっかけ

高校に入っても理数の得意ぶりは変わらず、高1の時の理科の評定が学年1位、実力テストの数学でも学年1位を取れたくらいでした。逆に国語と英語は学年最下位レベルという状況だったため、高2の文理選択ではもちろん理系を選択。それだけでなく、※SSHクラスにも所属したり物理部に所属したりと、授業だけでなく研究分野としても、物理学に興味を持ち始めました。

※SSH:文科省が指定する研究開発校で、科学技術、理科・数学教育を重点的に行うスーパー・サイエンス・ハイスクールの略
 
高校の時には、カルマン渦のでき方の解明やアマチュア天文家に向けた観測条件の良い日の予測、長く回るコマの形状の分析、心地よいと感じる音の解明など、当時高校生の僕にとってはかなり幅広い分野の物理の研究をさせてもらいました。
 
こういった経験をしていくうちに、大学受験において自分が進学するなら理学部かなぁと薄々感じるようになっていきました。
 
そんななか、決定的に私が「理学部に進学したい、東大に行きたい」と思うようになったのは高2の夏のことです。
 
SSH研修会と題し、東京へ赴いて理系のキャリア研修を行う会が開催され、そこで参加した「重力波・ブラックホール・宇宙のはじまり」という講演が大きなきっかけでした。その講演は超満員で、一番後ろの扉近くで立っていたのを覚えています。
 
しばらく経って変なことに気付きます。「あれ?この図どっかで見たことあるぞ」と。講演で使われているスライドに載っている図になぜか見覚えがあるのです。

うーんうーんと考えると思い出します。「この本だ!」と。ちょうど関西から東京へ向かう新幹線の中で読んでいた本『重力波とはなにか』に載っている図と同じではありませんか。で、確認してみると、なんとその著者の先生が今、目の前で講演しているわけです。
 
今までは、学校の勉強や研究と大学の研究で何か遠い感じというか、かけ離れた感じがしていたのですが、これを機に「大学に行けばこんなことが出来るのか」という実感が湧き、しかもその先生が東大所属だったため、遠い存在だった東大に対しても「進学したい!」と思うようになりました。
 
その後、受験や進振りで紆余曲折を経たものの、理物に行きたい思いは変わらず、東大の理科一類→理学部物理学科の道を進みました。
 
今は休学中ですが、在学中はその先生の元で「重力波を検出する衛星のための予備実験のための、衛星間距離の測定法」の研究を行っていました。 

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